十五に曰く、私(わたくし)を背きて公(おおやけに向(ゆ)くは、これ臣の道なり。おおよそ人、私あるときはかならず恨みあり。憾(うら)みあるときはかならず同(ととのお)らず。同らざるときは私をもって公を妨ぐ。憾み起こるときは制に違(たが)い、法を害(やぶ)る。ゆえに初めの章に云う、上下和諧せよ、と。それまたこの情(こころ)か。
第十五条 私利・私欲に背を向け公の利益に向かうことこそ、貴族・官吏の道である。おおよそ人に私心があるときにはかならず人を恨むものであり、恨みを抱けば共同できない。共同しなければ、私心で公務を妨げることになる。恨みが起これば、制度に違犯し、法を侵害することになる。それゆえに最初の章で、上下和らぎ協力せよ、と言ったのである。それもまた、この趣旨を述べたのである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます