十四に曰く、群臣百寮(ぐんけいひゃくりょう)、嫉妬あることなかれ。われすでに人を嫉(うらや)むときは、人またわれを嫉む。嫉妬の患(うれ)え、その極(きわまり)を知らず。このゆえに、智おのれに勝るときは悦ばず、才おのれに優るときは嫉妬(ねた)む。ここをもって五百歳にしていまし今賢に遇(あ)うとも、千載(せんざい)にしてひとりの聖を待つこと難し(かた)。それ賢聖を得ずば、何をもってか国を治めん。
第十四条 もろもろの官吏は、嫉妬があってはならない。自分が妬めば、人もまた自分を妬む。嫉妬のもたらす災いは限界がない。それゆえに、〔人の〕知恵が自分より勝っていると喜ばず、才能が自分より優れていると嫉妬する。そういうわけで、五百年たってようやく今現われた賢者に出遭うことも、千年に一人の聖人を待つこともできない。〔だが〕賢者・聖人が得られなければ、何によって国を治めることができるというのだろうか。
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