図書館通いが続いています。
先日立ち寄った際、貸出カウンターのわきが
CDの棚だったのでちょっと立ち寄ってみました。
なるほど図書館で借りられるCDってこんなものがあるのか。
機会があったら借りてみようと眺めていると
同じスペースに芸能関係の図書も置かれていて
伝統芸能の解説本、タレント本などが並ぶ中に
こんな本がありました。
テレビでよく見る精神科医の名越康文さんの著書でした。
ぱらぱらっと見てみると寅さんと寅さんを囲む人々の
名越さんなりの分析が興味深い。借りてみました。
読んでみると内容は登場人物の心理分析に限らず
作品に表れる時代の変遷
働き方、女性の生き方、家族関係などの変化を
映画の場面を通して解説していて面白かったです。
第一作は1969年、最終作は1995年公開だそうですが
私が物心ついてからほぼ今の環境にたどりつくまでの時代背景、
親の世代、祖父母の世代の価値観などを
わかりやすい文章で解説されていて
自分の生きてきた時代を改めて振り返りました。
仕事が細分化されていくなかで
仕事で人に喜んでもらえている実感がなくなり
「人の役に立つこと」が
「スケジュール通りにタスクをこなすこと」
にすりかわってしまっている、
という分析はよくわかるだけに胸が痛くなりました。
それを踏まえて
時間に追われる生活をちょっとはずれてみる。
ちょっと変な人になってみる。
自分に課している制約をちょっとゆるめて
寅さんほどではないけれど
自由な人になってみてはどうですか、と提案されていて
今でもロックフェスやおしゃれスポットでの上映会で
寅さんの映画が若い人たちから関心を持たれている理由が
わかるような気がしました。
ここまで書いてきてなんですが、
私は寅さんの映画を映画館どころかテレビでさえも
1本も観たことがありません。
本屋さんでタレント本や芸能関係の書架に
近づくこともありません。
図書館の貸出カウンターのわきのCDラックをふと眺めたことで
この本に出合いました。
ふだんだったら手に取らないような本に
自分の世界を広げてもらえることって
図書館ならではの効能だなと思いました。
で、また通う