ふわり・舞う・毎日

気持ちに余裕がないと、心の泉が枯れちゃうもんね。

また今朝も

2010年01月18日 | テーマ投稿
「医師に診せず乳児死亡」……。

今朝もネットでそんな見出しを見つけてしまった。
子供が犠牲になる痛ましい事件は(悲しいことに)あとを絶たないが、このニュースが特に私の目を引いたのは、死因にアトピー性皮膚炎が関わっていたことだ。

ニュースの概要はこうだ。

『生後7カ月の長男が細菌に感染して衰弱しているのに、宗教上の理由から病院に連れて行かずに死なせたとして、福岡県警捜査1課などは13日、殺人容疑で、(両親)を逮捕した。
逮捕容疑は、昨年2月に生まれた長男が、アトピー性皮膚炎などの悪化で細菌に感染し、重篤な状態だったのに、適切な治療を受けさせずに放置し、敗血症で死亡させた疑い。
長男は全身がただれ、体重も平均の約半分の4.3キロしかなかったという』
(時事ドットコムニュース記事より抜粋。元記事はコチラから

アトピー性皮膚炎は、現在ではまだ対処療法が主流の、完治の難しい病であることは自分の経験からも知っている。
重篤な場合には、入院治療が必要になる場合もあることも知っている。
でも、それがまさか「死」に結びつくことがあるなんて。

ある程度の対処療法は確立されていて、適切な治療を受けていれば多くは一般的な日常生活を送れるはずの、アトピー。
きっとこの子は、かゆくてかゆくて、かゆみに苦しんで、お風呂に入れば滲みて泣き叫ぶほどに痛くて、乾かない傷口や薄皮の張った皮膚は突っ張るし触れるだけで痛いし、本当に身体中が辛くてたまらなかっただろうと思う。

本当にかゆい時というのは、ある意味「痛み」より耐え難いものがある。
なぜなら、痛みは我慢する以外になくても、かゆみは、かけば落ち着くかも知れないという希望を持ってしまうから。
けれど残念ながらアトピー性皮膚炎で患部がかゆい時には、かけばもっとかゆくなり、意地になってかき続ければ皮膚が破れて痛みだけが残ることになる。

だけど乳児に「かゆくても我慢」が通じるわけがない。
死亡時の体重が7ヶ月でたった4.3kg、ということはきっと、かゆみと痛みに苛まれて、ミルクもまともに飲めなかったんだろうと思う。
4.3kgと言えばえいみの2ヶ月弱の頃の体重。
7ヶ月の男の子だったら8kgを越えていてもおかしくないのに。
定期健診も、そしてきっと予防接種さえも受けさせてもらえず、最後は傷口から細菌に感染して敗血症……やりきれない。

どんな宗教を信じようと、それはその人の自由だ。
本人が選択して至った結果なら、致し方ないとも思う。
でも今回のように本人ではない人の意思によって医療を否定しておきながら、助かるものも助けられないなんて、そんなもの、宗教じゃあない。