古文書を読もう!「水前寺古文書の会」は熊本新老人の会のサークルとして開設、『東海道中膝栗毛』など版本を読んでいます。

これから古文書に挑戦したい方のための読み合わせ会です。また独学希望の方にはメール会員制度もあります。初心者向け教室です。

書翰用文鑑2 年賀

2016-06-09 08:57:03 | 書翰用文鑑

今回から書翰の文例に入ります。先ずは年賀の挨拶状

新春之御吉慶目

出度申納候先以其

御地御家内様御揃

被成御越陽奉恐寿候

次ニ当方無異儀加年仕候

新春のご吉慶めでたく申し納め候 先ず以てその御地御家内様御揃い御越陽なされ 恐寿奉り候 次に当方異儀なく加年仕候

※ 越陽という語は辞書にありませんが、一陽来復の陽と解釈して新年を迎える義と理解しました。

加年仕候乍憚御安意

可被下候右年頭之御

祝詞申上度如此ニ

御座候 猶期永日之

時候  恐惶謹言

同返事

加年仕候憚り乍ら御安意下さるべく候 右年頭之御祝詞申し上げたく此如くに御座候 猶永日の時を期し候 恐惶謹言

※ 永日 春の日の永いこと。 春になって日が永くなったらお会いしましょうとの意。

華翰忝拝読仕候如仰

春陽之御吉兆何方も

御用意目出度申籠候

弥御清栄御迎陽被

成候由珍賀之至ニ奉

存候右御祝詞申上度

華翰忝く拝読仕候 仰のごとく春陽の御吉兆 何方も御用意めでたく申し籠め候 いよいよ御清栄御迎陽なされ候由 珍賀の至りに存じ奉り候 右御祝詞申し上げたく

 

且御礼旁貴酬如此ニ

御座候猶永陽万

喜可申上候恐惶謹言

初午之文

打続天気快晴殊ニ

初午当日至極穏ニ而

且つ御礼かたがた貴酬此如くに御座候 猶永陽万喜申し上ぐべく候 恐惶謹言

初午の文 打ち続く天気快晴殊に 初午当日至極穏やかにて