べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

栗石地業

2009-10-23 19:26:09 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)
美沢町N邸と平行して、宮本町M邸の玄関の増築工事も進めています。



既存住宅の解体後です。
雨が入らないようにブルーシートをしているので、ちょっとお見苦しいところ・・
まだ、全体像は見えません・・・が、完成後は「美しい形」になります。
全体のバランスが重要です。


地縄を張って、基礎の部分を区切っています。


ユンボを入れて、掘削開始



割り栗石地業(わりぐりいしぢぎょう)
石を一個一個並べていきます。


砕石を石の間に入れて、上から転圧をします。


この上に、鉄筋を並べて総ベースにしますが、根固めとしての地業が重要な点です。
石を並べて敷き詰める方法は、昔ながらのやりかたで、転圧すると、ガチンガチンになります。
砕石を敷き詰めただけだと、地震の時に流れてしまい、基礎の下が空洞になったり、不等沈下を起したりしますが、石を並べた場合は、地震時に石自体は動きますが流れないため、そのまま安定しています。
これは、新潟県中越地震の時に威力を発揮しました。

そう、あれから5年が経ちましたが、伝統構法や昔からの丈夫な基礎、家作りをしてきたので助けらました。
自社で建築した建物は殆ど無事で、復旧活動に専念できたのも、往年の家作りの成果でもありました。
そして、地震の経験を活かした更なる構造の強化によって、お客さんの財産を守り、家が100年でも持つような建物を目指しています。




捨てコンクリート打設後、鉄筋を並べます


鉄筋工事終了


コンクリート打設・・


来週は、立ち上げ部分の工事に入り、コンクリートの硬化を待って、玄関部分の「建て方」が始まります。
既に、玄関部分は刻んであります。
今回も伝統構法です。増築であろうと、手は抜きません。
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建て方2日目

2009-10-23 18:40:04 | 1階が車庫の家(越後杉の伝統木組)
「台持継ぎ」は、梁の継ぎ手ではオーソドックスな継ぎ方です。
(伝統構法の場合・・在来軸組みでは、まずしません。手間がかかるから・・)
まだ、左右がかみ合っていない状態ですが、
これを落とし込んで、大栓を上から叩き込んで固定します。
そうすることで、2つの材料が金物無しで一体になるのです。
先人の知恵は素晴らしいものがあります。




本日は快晴。建て方には絶好の日和となりました。
昨日は、1階部分がほぼ組みあがりましたが、本日はその残りの材料を組んで、中空に浮いた状態から落とし込んで基礎に固定します。




ホゾが長いため、叩いただけでは入りません。
こういう場合は、「荷締め機」を使って引き寄せて入れます。


荷締め機のチェーンを引いています。
やや強引に入れています。
杉は柔らかいので、ある程度は曲がるのです。


入った!
こうして入れた材料は、もう抜けません。


最後の通し柱を吊る・・
いったい何本の通し柱を送ったのであろう・・・
(今回は大黒柱1本、通し柱12本でした)


最後の通し柱を入れ終わりました・・
本日のメイン・イヴェント終了!


全ての材料を組み合わせたところで、今度は
通し柱と差し鴨居が離れているので、これを引き寄せて、
クサビや栓を打ち込み、固定します。


ここまでの作業で、気がつけば、仮に筋違いも入れない状態で、自立している・・
梁や桁が渡りあごで咬んでいて、通し柱に差さり、更に差鴨居が入っていて、複雑に木が組み合わさっているので、構造材のみで自立してしまう・・
これが「伝統構法」であります。


しかも、まだ土台が浮いた状態でもある・・・




土台の下の角を取り、上から叩いて落としています。


通し柱が落ちました。
この後、土台のアンカーボルトを固定します。


全ての通し柱を落とし込みました。
なんと、筋違い無しでも自立しています!
もうビクともしない!
(在来工法の場合は、仮に筋違いを入れないと倒れてしまう)


この後は、屋起し(垂直に立てる)を行ってから、いよいよ2階の組立が始まります。
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