先週の後半も、ほとんど雨は降らず、「カラ梅雨」の気配があります。
本日も、気温が30℃まで上昇するとのこと・・
外部工事にはうってつけですが、大雨が気になるところです。
宮本町M邸の外装工事がほぼ終了しています。
あとは、羽目板の塗装が安定してからサッシ廻りのコーキングを施工するのみ・・
写真は、杉羽目板の1回塗装工程終了時の外観です。
羽目板塗装前
山北産の杉羽目板です。白木が美しい・・
のですが、よく見ると節や紅白の部分があってにぎやかになります。
やっぱり、塗らないと観て耐えるものではありません。
(どのみち、防水用に塗装は塗るのだし・・)
1回目塗装後
この色だと、いままでのオーソドックスな感じで仕上がります。
が、実は1回目はお客さんとの打ち合わせの色よりも、薄くしてあります。
通常は、オリーブブラウン系統の赤い茶色で、全体を明るくコーディネートしているのですが、今回は趣向を変えてあります。
外装の色決めをするのに、外観パースを使って、シュミレーションをしてみました。
いつもお薦めしている色 中島H邸や栄町T邸など・・
これだと、「明るすぎる」ということでした
濃い色、キシラデコールでは「パリサンダ」
これだと、黒っぽすぎるということで、
最終的には「中間色」ということになりました。
中間色を出すには、色見本に無い色を再現する必要があります。
杉板は特に白、赤、黒が入り乱れた材質なので、濃い色ならばそれを緩和できます。
ただし、はじめから濃い色を塗ると木に吸い込んで、余計濃い色になってしまうので注意が必要です。
塗装屋さんに、杉板を持っていってもらい、何パターンか色の塗り重ねをして実験し、目的の色に近づけるしかありません。
検討の結果、少し薄く赤っぽい色を一回塗って、次に濃い色を塗ることで、染み込みを防止しながら2回目を塗ることにしました。
羽目板に塗装した「見本」
1回目は薄い色にして、2回目は濃く塗ると、上のほうの色になります。
この前段階に4~5枚の予備段階の見本があります。
杉板の特性を見抜いて、的確な方法で色を塗り分ける・・・
こういった細かい工夫の積み重ねで私の作品は作られていきます。
2回目塗り工程終了時
落ち着きのある感じに仕上がりました
腰から上の色は、同系色で決めてあります。
(これも、塗装屋さんと悩んだ上で決めています。努力の結晶!)
独特な重厚感のある外装の色は、こういった秘密があったのでした。
メーカーが出してくる色見本をそのまま適用すると、実際にはそうはならないので、「感」を働かせて、それに近づける最大限の努力が必要です。
対応年数については、濃くても薄くても同じだと思います。
ただ、外壁面の環境によって耐久性もずいぶんと違ってきます。
南や西の日が指す方向は、脂分が抜けやすく、北側は雨に浸食されてしまうとか・・
5~10年くらいに塗り替えるのがベストでしょう。
杉板の化粧だけだと板が傷みます。昔はカキシブ等を4~5年サイクルで塗っていたので耐久性がありますが、木肌が露出してしまうと侵食される一方です。
どんな材料も塗装でもっています。
鉄板でも、サイディングでも木でも同じですが、比較的、木製品は長持ちします。
あと、黒い仕上げだとどうしても西側等が傷みそうです。
屋根鼻を出すとか西側に木を植えるとか工夫次第で何とかなりそうですが・・・
キシラデコールの色で質問です
濃い色と淡い色で耐用年数で違いはありますか?
また九州では杉板化粧仕上げで無塗装のまま、グレーな家も稀にみかけますが、やはり塗装したがいいのでしょうか?
あと黒に近い仕上げ塗装だと太陽光線をもろに集めて壁材が劣化しそうですがどうなのでしょうか?