べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

土中梁 鉄筋

2009-04-01 15:08:45 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)

3月中旬くらいから更新が滞っています。話題はどんどん溜まる一方で、不完全燃焼に悩む近頃・・山形ツアーもまとめたいし、講演会も詳細を載せたい(これは、ようやく書けた)・・時間ができたら随時書いていこうと思っていますが、どうなるか。


今週に入って宮本町M邸のベース鉄筋工事をはじめました。
月曜、火曜と晴れたのですが、今日はあいにくの曇から雨。
冬型に逆戻りした感じで、肌寒い1日です。
まだまだ春には早いのか?もう4月だというのに・・

今年の冬は雪がまとまって降らなかった分、寒さが長期間に続くようで、昨年同様、最近の春の気候は同じような傾向にあります。
3月~4月にかけて暑い日があったと思えば、寒い日が続く・・
いつまでも「春」という感じがしない。冬は全体に小雪。
雪の無い分、山菜が芽を出していて、もう山奥へ行かないと「フキノトウ」が採れなくなっています。今年は早くに出ていたようで・・天ぷらにしてもアクが強すぎるものもありました。
雪の下で冬を越し、春に芽吹けば、旨みのある美味しいフキノトウが採れますが、ずっと表に出ていたものは、既に「化けて(ばけて)」いて、塔(とう)が咲いてしまっているものもある。
白菜にしても雪の下に貯蔵したものは適度な甘みが出てくるといいます。
長ネギの白い部分も葉が日光を当たらないように土をわざと盛って甘みのある白い部分を育てています。
天然のサイクルで(雪の下で)甘みを蓄えたフキノトウにありつけなくなったのも、小雪・・更に言えば温暖化が原因?

「あんなの食べなくてもいいよ」

って人がいても、春の旬を味わえなくなるのも残念な気がしますが・・・

などど、自然のことばかり話題になってしまいましたが・・・
本題のベース鉄筋工事です。
今回は、初めて「柱状改良」を行ったわけですが、ベース形状もそれなりに施工する必要があります。
今まで、ベース底面全ての面積で地盤に力を伝えていた形状から、柱状改良部分へ力を伝達する構造にしなければなりません。
柱状改良が何時までもつのかはわかりませんが(10年は保証してくれるらしいが・・それ以降の50年とか100年とかの長期間の場合の話です)改良部分が他の地盤沈下よりも遅いために、廻りの地盤面は早期に下がるため、ベースが浮いた状態になってしまう。
そうなってももつようにスラブを土中梁で受け、土中梁と柱状改良部分を定着させることで中空に浮いてもいいような構造にすればよい。

「土中梁」

を形成することで、柱状改良部分に適切に力をかけるようにする。
等と簡単には書いても、それを実現するには工夫が必要です。

栗石地業を1段下げているのはこのためで、下がった部分で土中梁を形成させています。
梁といっても長方形ではなく台形に近くなります。



あばら筋と土中梁の主筋(3本)を落として並べておきます




ベースの横筋を並べて、あばら筋を結んで、土中梁を形成





延々と単純作業が続く・・




ベースの際も同様に土中梁を形成
型枠の間に型枠を挟んでいるのは、
かぶり厚6センチを確保するため・・


前回、何百本も細かい鉄筋を作っていたのは、この「あばら筋」や「際筋」です。
普通の鉄筋コンクリート用の鉄筋工ではよくありがちですが、住宅の基礎でここまでとなると本格的でもあります。
この上に「高床」3階建てが建ってもおかしくないくらいの基礎になってしまう。
更に上屋だけで100年持たせ、不等沈下を起しても修正できるような基礎に頼らない構造にするわけですから・・・
増築なのに、化け物みたいな構造・・

保険屋主導になりつつある住宅産業に、ささやかな布石なのであります。
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2 コメント

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初めまして (利明)
2009-04-03 21:54:36
今回はいっきょの更新ですね。
初めまして、利明と申します。
一月からブログを拝見しておりましたが、見ているだけでは申し訳なく初めての投稿となります。
建築家に建ててもらった家を3年で処分し、今度は自分で家を建てたいと途方もないことを考えているアホウです。去年の8月で投資の仕事を辞め、捨てきれなかった大工への道を暗中模索しておる所です。

ただただ栗石地業に驚いております。
去年のEディフェンスの結果を見ても、(プロではないがあの伝統工法の家には住みたくない)言っておられる、挑戦「基礎の立ち上がりのない家」おもしろいと思いました。
返信する
>利明さん (藤川(管理人))
2009-04-04 12:09:54
コメントありがとうございました。

一挙に更新したのも、書いている時間が無い上に、作業自体はどんどん進んでしまって完全に消化不良を起してしまっているからです。
自分の力不足が表にでてしまっています。

「基礎の立ち上がりのない家」自体は、昔のお寺とか神社がそうなので、珍しくもない。構造的のも200年とか300年以上はもっているので、あとは構造計算で何処まで数字で表せるかという問題だけです。

寺社構造に関しては、普通の大工では想像も付かない世界が広がっているようで、「山形ツアー」の次回にでも書こうと思っている内容です。

TVでも見たのですが、あんまり「木」の露出面積が多いと、目がちかちかして疲れてしまう。
程よいバランスというのがあって、「壁」とか適量に交えたほうが落ち着く空間になります。そこまで設計屋さんは考えてなかったようですね。

細い材料を如何に組み合わせてより頑丈な家をつくるというめんでは評価できると思います。
あと、自分の水中養生の池まで持っているのも材料への想いがあるということです。

「赤字」とか言ってましたが・・奥さんが仕事をしていなければ成り立たないようで・・大工の道を究めるにはある程度覚悟が要るものです。
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