べんりや日記

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地盤調査

2009-03-14 09:08:04 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)


本日は、朝から荒れています。
昨晩にかけて東海、関東方面で強風が吹いていたそうです。
「春の嵐」
ともいうべきか・・


今月の5日に宮本町M邸の地盤調査を行いました。
「スウェーデン式サウンディング試験」は、長い棒を地下に荷重を掛けながら差し込んでいき、各層での「N値」を出していきます。
「N値」によって地耐力を換算し、建物を建てたときの地盤補強の方法を設定します。
通常、建物が建つ4つ角部分と建物中心の計5ヶ所で計測しますが、地下の層でばらつきがある場合は、何点か追加して計測します。



これが、「スウェーデン式サウンディング試験」を行う機械。
昔は手動で行っていたのが、最近は小型の機械で行えるので、便利な時代となっています。




7mも打ち込んだピンは手動で抜いてます。
てこの原理ですね。
機械で抜いてくれないのかね~・・


地盤調査の結果、最高7mの深さの所に支持地盤が下がっていたのですが、平均で3m位の所に支持層があるらしいということが判明。
直接杭(柱状改良杭)で2.5~3.5mの地盤補強をすれば良いという結果となりました。

山が近いので、比較的浅い改良で済みましたが、田んぼや長岡よりも平野側ではこうはいきません。
支持地盤が20m以上の深さの場所や「無い」所もざらにあります。

柱状改良にしても機械の性能上、8mが限界なので、そういう場合は柱状改良を増やして「摩擦杭」とします。
「剣山」を豆腐に突き刺したという感じになります。

10月1日以降引渡しの「新築」に関して「保険」若しくは「供託」にて10年保証をしなければならず、「保険機構」で了解を得ない限りは保険を適用してくれないので、保険屋さんの言いなりにならなければなりません。

地盤改良にしても「増築」に関しては、地盤保証は付けてくれないことも判明し、改良会社が調査をして適切な補強をしても保険屋のほうで保証をしてくれないことが浮き彫りになりました。
通常、「増築」に関しては10年保証の適用外なのですが、増築部分に地盤保証をつけていた前例があり、そこで既存部分と増築部分との接合部分で不等沈下を起した事例があったということで、今後は保険会社が受け入れない事態となっています。
(基礎の事故の場合、ジャッキアップ等で1000万円クラスの工事をしなければならない為、1件でもあると保証金に見合わない程の出費となるのです。)

「増築」に関して10年保証はしなくても良いという現行の法律ですが、作り手側としては自分のやった工事に自信をもってお客さんに渡したいところもあり、あえて今回、「増築」の保証を(半ば強引に)着けることにしました。
しかも、全建連の「ちきゅう住宅」の増築用の保険です。





「まもりす」は住宅保証機構のマスコットですが、全建連では特別に「ちきゅう住宅」の保険提携を結んでいます。
地元の大工の作った家は事故が少ないと言うことで、保険料も安くなっています。

我が社でも、基礎については10年以上も前からベタ基礎に切り替えており、見えない部分から建物を丈夫にすることに努めてきました。
地業もよく行われる「砕石」ではなく、一個一個石を並べていく「栗石地業」に徹してきました。
ベタ基礎の全底面に栗石を敷き詰めていきます。
機械では行えない作業なので、手作業になるため時間が掛かる工事です。




栗石地業・・一個一個石を手で並べていきます。
30坪程度の基礎ならばいいのですが、50坪以上のクラスは大変です。
蓮潟町T邸の栗石地業風景


「砕石」を敷き詰めた場合、地震が来ると流れてしまう懸念があったため、あえて昔ながらの石を敷き詰める方法を選んできた結果、中越地震では損傷が全くありませんでした。
(木組等での上屋で揺れを吸収して基礎になるべく負担を掛けない構法をとっていたからかも知れませんが・・「3×9パネル」とか・・ホールダウン金物等は極力使わないようにしていた。あれは基礎にかなり負担がかかり、中越地震では割れていた事例も報告されています。あんまり表沙汰になりませんでしたが・・・)

作り手側から、頑丈な基礎を提案して施工しても、「保険屋」が保証しなければ家が建たないという時代になってしまいました。
保険の仕様に基づくか、構造計算をしなければならないのです。
マンション構造計算偽装問題から端を発して、「伝統構法」や作り手側の保障してきた工夫までもが否定されてしまう、自由な発想が出来ない法律に従わなければならない時代となってしまいました。
「消費者保護」の錦の御旗の元、こうした変な制度になってしまったのは嘆かわしい・・・


・・と思っていたのですが、
先日、東京の全建連本部へ出向いて、交渉してきた結果、最近になって国交省から

「保険で受け入れられない物件に対しても積極的に引き受けよ」

という通達が保証機構に送られたそうで、確認申請が通った物件に関して、どのような構造でも保証に入れるようになったとか・・
当然「伝統構法」もその部類に入ります。
住宅保証機構、若しくは「ちきゅう住宅」にて「伝統構法」が引き受けられることとなり、10月1日以降の瑕疵担保履行法の施工後も存続可能になりました。

地元の木を最大限に活かすことのできる「伝統構法」に、かすかな光が差し込んできたようです。



伝統構法にもわずかな光が見えてきた?
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