
壁を落として、中塗り、上塗りと3工程の間、
良い天候に恵まれなければなりません。

もう来週からは雨の予報が入ってきています。
入梅ももう直ぐなのでしょうか・・・・
例年だと、6月初旬に入梅してもおかしくないのですが、五月晴れが続く日々です。今年も8月中旬まで梅雨が続くのか・・・
「土塗り壁」の塗替え工事 |
脇之町H邸では
「春の陽気になったら壁を塗り替えたい」
と頼まれていたのですが、今年は春はあまりいい天気が続かず、この時期になっていました。
先々週まで雨が続き、肌寒い日が続いていたのですが、この工事に入ってから天候に恵まれて順調に終わろうとしています。

脇野町H邸外観
高床住宅で羽目板の外装材を貼り、瓦屋根の和風建築。
角地に合わせた出窓部分が面白い形になっています。
とても、25年も経っているとは思えません。

和風の玄関
化粧丸太の数奇屋風。
ちなみに、先代の社長の設計です。
こういう和風建築が好きだったのね・・・

中越地震、中越沖地震にて被災したため、
壁にひびが入っています。

養生を行います

上塗りを落としています

中塗りを行います

中塗り終了
この後、乾かします。
先週、今週と良い天気に恵まれ、十分乾かすことが出来ました。
この中塗りの工程で乾かす作業が一番大変です。天候に恵まれず、ぐずついた日が続くとカビが発生します。カビの生えた状態で上塗りをかけると、カビが止まらなくなり、色も黒くなってしまい、台無しになってしまうのです。
丁度、この時期に晴れが続いたので、本当に恵まれています。
その前は肌寒く、雨がちで来週はまた雨の予報ですから、丁度その間をぬった様な感じになりました。

上塗りを行っています


上塗り終了

あとは、乾くのを待って、電気屋さんが
コンセントやスイッチのカバーを取り付けて終了です
来週から雨になりそうな気配ですが、中塗りの状態で乾燥しているので、仕上がりも上々となるでしょう。良い仕事ができました。
土塗り壁について |
「土塗り壁」は古来から日本の住宅に用いられてきた壁の造りです。
柱と柱の間に「通し貫」を横に渡し、それに竹や葦で編んだ「コマイ」をからめて、それに土を塗っていきます。
土塗り壁に使う土は、今では貴重になっていますが、畑にも使える粘土質の土を練り固めます。
昔は、上棟と共に村の人が集まって、大量の土を踏みつけながら練っていたそうです。
解体した家の壁土は、捨てずに取っておいて練り直し、再度壁用に用いて、何代も繰り返すうちに適度に醗酵し、健康住宅の素材としては最上のものとなっていました。
耐力壁としては地震時に、壁が崩れることで揺れのエネルギーを吸収するメカニズムで対応し、災害後は崩れ落ちた壁土を練り返して再度壁に塗るというリサイクル性に優れた素材でもありました。
防火性能としても、裏側に土を塗り返してあれば外装材が木の板でも良いという事になっています(準耐火構造)。
現在では、左官屋さんでも「コマイ」が組めなかったり、塗り方を知らない職人が増えて貴重な壁となっていますが、天然素材で、有毒ガスも吸着する優れものということで、伝統構法と合わせて残したいものでもあります。
土塗り壁についてへ・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます