部品をシリコンで型を取り、レジンで複製して代替品を自作しました。
メーカーの生産終了に伴って部品の供給もストップします。
30年以上の部品は絶望的。
そんな場合は、昔模型作りで経験した手法を駆使します。
シリコンゴムで型取りし、レジン液を流し込んで複製する方法で対応してみました。
玄関サッシのレバーを応急修理 |
「玄関サッシのレバーが壊れた」という問い合わせがあり、現場へ急行しました。
レバーの根元のビスが金属疲労で破壊され、取り付けが不可能な状態でした。
とりあえず、応急処置です。
ホームセンターで形状の近い素材を流用し、即席のレバーを自作しました。
所詮はプラスチックなので耐久性は無いので、本対応をするまでは仮に使って頂きます。
引戸の戸先錠のレバーが欠損してしまった・・
とりあえず、樹脂製の部品を自作してみました
応急的に、この状態でしばらく凌いでいただきます。
応急修理も済んだので、あとはサッシ屋さんに任せればよいと一安心していたのですが、製品が古すぎて、部品供給が不可能ということでした。
さてさて・・困ったぞ~。でも何とかしなきゃ~!
シリコンで型取りする |
部品が無いとなれば、自作をする以外に方法はありません。アルミ材料で代替品を作るとか、思考実験をしてみます。
最終的には、同じ形状のモノを複製するという方法を採用しました。
シリコンゴムで型取りをして、レジン液を流し込んでコピーします。
シリコンの型取り素材は100円ショップで購入しました。一袋だと少ないので4袋で対応です。
本格的な型取り用のシリコンは5~6千円もするので、高価すぎます。
100均で揃えられるのはリーズナブルです。しかもお湯で溶かせば何度も使えるという優れもの・・
80℃以上のお湯で溶かして使います
上手く型取りができました
アルミ・フレームを作る |
さすがにレジンだけだと耐久性が無いと判断し、内部にアルミのフレームを埋め込むこととしました。
解体したアルミサッシの部材を使用
まさかこんな使われ方をするとは・・・
細かい形状に加工していきます
レバーの中に入る大きさのアルミフレームです
このアルミ材をレジン液を流し込むときに同時に入れて補強を行います。
レジンで複製 |
昔は二液性のレジンキャスト樹脂を流し込んで模型の複製を作るのが主流でしたが、最近は紫外線で硬化するレジン液が100円均一店でも購入できるまでに至っています。(便利な世の中になったものよ・・・)
さすがに100均の素材は強度的に不足すると考え、レジンのキットはある程度の価格帯の製品を用意しました。
今回使用したレジン・キットです
紫外線で硬化するタイプです
UVランプを照射してレジンを硬化させます
型から外しました。出来てます!
形状を整えて、ビス用の穴を開けます
アルミフレームが埋め込まれた半透明のコピー品
こっちのほうが奇麗かも・・・
一応、塗装をします
自作レバーの完成です
ようやく部品が調達できました。レバー一つに手間がかかったな~。
レバーの交換作業 |
応急対応で自作したレバーと今回コピーしたレバーを交換します。
応急対応で作っていたレバー
応急用樹脂レバーを外します
複製したレバーを取り付けます
交換完了。
サッシ全体を調整して作業が終了しました。
レバー一個の破損で、サッシ全体を交換するのももったいない話です。
サッシ交換だと、大工、左官屋が作業するので、40~50万円ほどの工事費に跳ね上がります。
シリコン+レジン複製ならば、材料代と加工費のみしかかからないので、リーズナブルだと思います。
ただし、純正品ではないので5年くらいしか耐久性がもたない事に注意です。そうなったら、また複製??
型がある限りは、何度でもコピーは可能なのでしょうが・・
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