バリアフリー流しのリフォームを進めていますが、昨日のお客さんとの打ち合わせで、洗面台をどうするかという話になりました。
よくあるのは、車いす専用の洗面台ですが、これを導入すればどうかと提案されました。
車いす専用の洗面台
車いす専用の洗面台は各洗面台メーカーから販売されていまる。TOTOの「フェリアシリーズ」がその最たるものでしょう。
公共施設や病院、医療介護施設でも導入されています。
車いすに乗りながら、手が洗えるという便利な製品です。
しかし、ここで問題になったのは、
という要望が昇ったのです。
車いす専用の洗面器は、「洗面」と名は付くものの、「手洗い」が主たる用途です。車いすに座りながら洗顔をするには、更に前かがみになる必要がありますが、座ったままで前かがみになるのは、足をふんばって腰を上げる必要があります。足が不自由な人の場合は、難しいでしょう。
健常者が洗顔する時を考えてみます。
健常者の場合の洗顔
洗顔をして、さらに水を床にこぼさないために、「前かがみ」の姿勢になるわけですが、これは膝を曲げ腹筋と大腿筋にかなりの力が必要で、腰に負担がかかる体勢です。健常者には難なくこなせる体勢ではありますが、高齢者や身障者の場合は難しい。腹筋を鍛えてもらうしかありません。
色々と考えたのですが、手摺を設けて前かがみになるまでのサポートをするとか、タオルで顔を拭くとか、水が服に着かない様に「赤ちゃんのスタイ」や「散髪屋さんの前掛け」みたいなモノを使うとか・・・これといった決定策は見出せませんでした。
せめて、腰に負担がかからないような洗面器は、どのような形状か・・・
腰に負担をかけない洗面台
洗面台の上面が85cm~90cmとしたのは、流しのシンクを考えてみた時、高ければ高い程腰に負担がかからないという経験からです。それに、クッションの様なものを取り付けて、前かがみになっても胸や腹部が締め付けられないようにする・・膝の部分も、あまり深くしないで、浅くクッションを設ける・・
更に、壁側に手摺を設けて、サポートできるような・・・
こんな洗面化粧台・・・見た事無い。
この洗面台に一番近い形状は、美容院で洗髪する時のシャンプー台かな~(あれは、後ろに寝ながら洗いますが・・)
ここを参照
バリアフリーは奥の深いモノです。これで良いというものは無い・・
思考錯誤でより便利なモノをチョイスしていく作業の繰り返しなのです。
更に椅子を使った洗顔へ・・
バリアフリーを考えるへ・・
素晴らしい考察ですね。
私は数年前に30代でぎっくり腰になり、洗面台のデザインについて少し考えたことがあります。建築関係者ではありません、ただの素人です。
我が家の洗面台は幅120センチで洗面ボールの横に少し余白(袖、カウンター)があるタイプで、カウンター部分は奥行き45センチ、丸みのあるボウル部分が55センチほどで収納はカウンターと同じ45センチ。つまり膝が入る昔ながらの洗面台の形です。
ぎっくり腰になった時、それが大変ありがたかったのです。もしも足が入らなかったら手を洗うだけでも非常に難儀したことだと思います。
顔を洗うのは特に困難で、正直顔にチョロっとしかかけられない感じでした。自分で色々試行錯誤して一番楽だったのは、カウンターのあたりに椅子を置いて洗面台に対して横向きに座り(座っても痛いのですが立ったままだと前かがみになれないので座ったほうが何とか傾けられました)、カウンターにタオルなど置いてから(袖が濡れないよう、肘が痛くならないよう)肘をカウンターにつき体をカウンターに預け、逆の肘や手を洗面ボウルにつけ、蛇口が引き出せるシャワータイプだったので手前に引いてきて、洗面ボウルの端っこのほうで片手で蛇口を持ち片手で水をすくいながら洗った覚えがあります。
でもそれだとやはり難しいので、最終的にタオルを濡らしてジップロックに入れてレンジで温めて蒸しタオルにして顔やついでに体も簡単に拭いてました。ちなみに体は朝と夜、赤ちゃん用おしりふきでふいてました。アルコールとか入ってるボディシートだと余計な成分が多いのでかぶれるのと高すぎてコスパが悪いからです。
歯を磨いたあとゆすぐのも困難でしたので、歯磨き粉は使わずに磨いていました。
車いすの人はぎっくり腰とは違うと思うので、できるかわからないのですが、洗面器を用意してお湯を汲んで、首から前にタオルをたらして服に水が飛ばないようにしてから、洗面器を膝の上に置いて首だけ下に向けて洗うというのはどうでしょう?あるいは、洗面台の蛇口の下から、車いすの膝の上に回転して洗面器を持ってこられるような台をつけるとか。洗面台自体を改造するより洗面器以外は掃除しなくていいし安くできそうな気がします。
ぎっくり腰の場合は首すら前に曲げられないのでそれも難しいですが。
最近の洗面台は足が入らないデザインのものが多いですよね。収納の奥行きが洗面ボウルに合わせられていて、消費者も収納が増えて見た目がスッキリしているからって喜んで飛びつく。でもキッチンなんかもそうですがシンクと収納が同じ奥行きだと水はねが結構かかって汚くなるし、毎日使う洗面台で足が入らないと、腰に負担がかかり続けると思います。
長文で読みづらくてすみません。
この記事を書いている時は健康体でしたが、私も腰を痛めた時があり、ぎっくり腰の辛さを痛感しました。
最近は、腰の負担を減らすような
「立ちながら作業ができる形状」
というのも提案しています。
洗濯機に洗い物を入れたり出したりする時とか、洗濯物を干す動作では立ったまま前かがみにならない姿勢を維持できる方が良いようです。