べんりや日記

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杉の羽目板とキシラデコール

2009-10-02 11:32:34 | リフォーム奮闘記
「杉の羽目板とキシラデコール」という検索キーワードがあったので、解説したいと思います。

震災後(新潟県中越地震)に改築した草生町W邸は、坪数35坪に抑えた震災復興住宅です。
間口が狭く、奥行きが長い「鰻の寝床」の建物の構造を補うために、通し柱を8本配置し、「差し鴨居」で結んで横荷重に備えます。
通常街中の建物は「妻入り(つまいり)」という、屋根の妻が通りを向いた形を取るのですが、雪の処理を考えて、道路側へ雪を下ろせる「平入(ひらいり)」にしています。
村上市」の町並みがこれにあたります。
震災時は、新築注文が殺到し、手刻みではとても追いつかなかったので、止む無くプレカット仕様にしていますが、通し柱や「差し鴨居」、中引による小屋組は譲れず、大工に要所要所手加工にしてもらっています。
現在のプレカット採用方式の「走り」みたいな建物です。

玄関先のデザインも、村上の古民家風にこだわれば面白かったかなと思っていますが、シンプルにまとめたのも味があるかと・・
玄関先に貼ってあった杉羽目板は、通りから目立つので、羽目板が象徴的な建物でしたが、強い西日と風雨のために、かなりシブが目だってきました。

新築当初は、

「白木を楽しみたい」

ということで、「木肌美人」で手垢止め程度に仕上げていたのですが、
激しい風雨や西からの強烈な日差しによって、脂分も抜けてきたので、色づけも兼ねてキシラデコールによって塗装することにしました。



羽目板が傷んできました・・
黒いシブも出ていて、全体に汚い感じです


渋を落とす作業をしています


渋を落とした状態。
だいぶ渋が抜けて白木になりましたが、脂分が抜けています


脂分を補うために、キシラデコールを塗装


塗装終了



外の羽目板の場合、貼った場所にもよりますが、痛みの激しい部分も出てきます。
「白木」を楽しんだ後は、ある程度塗装して色をつけていかないと、長持ちはしません。
「手」をかけていかなければ、天然の材料を使ったものは、腐ってしまう・・
でも、手をかけていくことで、サイディングや鉄板の寿命を超えた使用が可能となります。

足場を設置しなければならない場所だと経費がかかるので、はしごが掛けられる程度の腰部分まで羽目板を貼ってアクセントにしておけば、後々メンテナンスに経費がかかりません。
今回は、塗装屋さんのハシゴだけで済んだので、5~6万円くらいの費用で済んでいます。
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