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ものづくりの地域2

2009-05-07 06:37:05 | 社会科関連情報
金融経済教育研究会での真能秀久氏(中日新聞編集局経済部長)の話の紹介に戻ります。

 世界経済は2002年から07年まで、年5%の成長を続けてきました。
 かつての経済成長は、欧州5億人、アメリカ3億人、日本1億人、計9億人で支えた成長でした。
 しかし、今は中国、インド、ロシアなど、30億人が一斉に工業化し、生産を増やしています。
 安い価格のものが市場にあふれ、長期的に見ればデフレは続くでしょう。

 そのようななかで、モノづくりの地域である中部はどうすれば?

 モノづくりの憲法があります。
 「イイものを安く」です。そして「安いモノを高く」です。
 安く仕入れて高く売るのです。
 「安いモノを高く」は利益の源泉であり、ビジネスの目的です。

 かつてペルシアの絨毯がそうでした。今では、株がそうです。

 さて、「イイもの」とは?

 稲沢にある三菱のエレベーター工場では、積んだ10円玉が倒れない製品を作っています。
 田原には、ベンツやアウディが上陸しているそうです。ボディの塗装の仕上げを行うためです。

 こうした「付加価値」は、耐久性、安全性、機能性に加えて、風合い、趣など、工芸品の域に達しています。デジタル化ではたどり着けない、日本人の感性なのです。 

 かつて、シャープとカシオが電卓で付加価値競争を繰り広げました。

 1964年、シャープの計算機は重さ15㎏以上で53万5千円。5年後には1.4㎏10万円、その2年後には300グラム9万円、翌年カシオミニが1万円ちょっとで売り出しました。

 その後は、高機能化、太陽電池、薄型0.8㎜など出ましたが、今では、人間工学的に最も使いやすい大きさ、重さ、形のものが主流です。
 
 落ち着くところは「使いやすさ」なのです。

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