エルガー:行進曲『威風堂々』作品39 (スコア付き)
エドワード・エルガー: 行進曲『威風堂々』作品39 (スコア付き) 指揮:エイドリアン・ボールト 管弦楽:ロンドン交響楽団
00:00 行進曲第1番 ニ長調 (1901年作曲) 06:11 行進曲第2番 イ短調 (1901年作曲) 09:02 行進曲第3番 ハ短調 (1904年作曲) 14:40 行進曲第4番 ト長調 (1907年作曲) 19:44 行進曲第5番 ハ長調 (1930年作曲)
エドワード・エルガーは『威風堂々』という名前をつけた行進曲を6曲作曲している。原題 "Pomp and Circumstance" は、シェイクスピアの戯曲『オセロ』第3幕第3場の台詞からとられており、厳密には日本語の《威風堂々》の意味はない。 《第1番ニ長調》は1901年に作曲され、同年10月19日にイングランド北西部のリヴァプールで初演された。6曲の中で最も有名で、特に中間部は「イギリス第2の国歌」とも呼ばれる。この部分の旋律は1902年の《戴冠式頌歌 作品44》の終曲「希望と栄光の国 (Land of Hope and Glory)」で引用され、このとき付された歌詞で歌われることもある。 《第2番イ短調》は《第1番ニ長調》と同時期に作曲され、同じ演奏会で初演された。エルガーの友人グランヴィル・バントックに献呈された。最もシンプルで短く、作曲家のチャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォードが好んだ。 《第3番ハ短調》は、1904年に作曲され、同年3月8日にロンドンで初演された。友人のアイヴァー・アトキンズに献呈された。厳粛な序奏とハ長調の中間部のコントラストが印象的である。 《第4番ト長調》は、1907年に作曲され、同年8月24日にロンドンで初演された。友人のG・ロバートソン・シンクレアに献呈された。中間部は《第1番ニ長調》の中間部に次いで有名で、第2次世界大戦では「自由の歌」としてA. P. Herbertによる愛国的な詩が付けられた。 《第5番ハ長調》は、1930年に作曲され、同年9月18日にロンドンで初演された。友人のパーシー・ハルに献呈された。中間部は変イ長調で、《交響曲第1番変イ長調 作品55》を彷彿とさせる。 なお、6曲目はエルガーの死後1934年に未完のスケッチが見つかり、作曲家のアンソニー・ペインにより補筆されている。この補筆版は2006年8月2日、第26回BBCプロムスで初演された。