カンボジアのシェムリアップを訪問して見聞きしたことを、社会科教師流に報告します。
こども・教育関係は、「校長日記 - カンボジアのこどもたち」で連載していますので、併せてご覧ください。 ここから http://www.schoolweb.ne.jp/weblog/index.php?id=2310019
今日は、バイヨン-1- です。
アンコール遺跡の中で最もスケールが大きいのがアンコール・トム です。
アンコール・トムの平面図です。
出典は http://blogs.yahoo.co.jp/masuisk/51874692.html
一辺が3km弱 の正方形の形をしています。
他と同様、堀で囲まれています。
衛星写真を見てみましょう。
出典 Google Map
中央右上寄りがアンコール・トム。「大きな町」という意味です。
アンコールワットの1kmほど北にあるのですが、その広さを比べてみてください。
4倍をはるかに越えますね。
この写真からは、シェムリアップ空港からの距離も分かります。
空港の北にあるのは、西バライとよばれる貯水池です。
東西約8km、南北約2kmで、ここにも遺跡が残されています。
アンコール・トムに話を戻しましょう。
南北の道が交差し、その中心にあるのがバイヨン という仏教寺院です。
先ほど図のように、西南北の中央に3つの門、東に勝利の門、死者の門があります。
その中で最も大きいのが南大門です。
4面に、観音菩薩が彫られています。
南大門の前には、左側にナーガ(蛇)の胴体を引く神々の像、右側には阿修羅の像があります。
これは、乳海攪拌という、ヒンドゥー教における天地創造神話がもとになっています。
これは、アンコール・ワットの第一回廊などでも出てきますので、その時に紹介します。
こうした像や壁のレリーフ(浮き彫り)は、「マハーバーラタ」や「ラーマーヤナ」の物語が多いのです。
高校の世界史の授業で出てきたので、名前ぐらいは覚えているかもしれませんね。
インドの二大叙事詩である「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」は、日本でいう「古事記」にあたります。
インドの王権の正当性を説明するために、誰にでもわかりやすい叙事詩にしたのです。
日本では、大和朝廷や天皇の正当性を説明するために神話が生まれたのと同じ原理です。
その神話に出てくる剣や鏡が御祭神になるのが日本の神社。
神話がレリーフで説明しているのがアンコール遺跡のレリーフなのです。
ナーガは、インド神話に起源を持つ蛇神で、頭が奇数あります。
時には、上半身が人の形で表されることもあり、これが、中国を経て、龍の形で日本に伝わったといわれています。
中国にはコブラがいないからです。
キリスト教も含めて、どの宗教でも、蛇は神秘的な役割を与えられています。
このナーガも、ヒンドゥー教、仏教の両方に関わるのです。
アンコール遺跡には、どの遺跡にもナーガが出てきますので、覚えておいてください。
ちなみに、明くる日に行ったベン・メリアのナーガです。
崩壊している遺跡の中で、このナーガだけはオーラが漂っていました。
後日、もう一度紹介します。
このペースでやっていると、終わりませんね・・・・。
明日は、バイヨンのレリーフを紹介します。
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