9月23日の社説が、対北朝鮮関係で並びました。
各新聞社の色が出ていますので、見てみましょう。
朝日新聞
・ 対北朝鮮政策 圧力は手段にすぎない
朝日は「対話派」の代表です。
「圧力の連呼で解決できるほど朝鮮半島問題は単純ではない。危機をあおることなく、事態を改善する外交力こそ問われているのに、日米首脳の言動は冷静さを欠いている。
ニューヨークの国連総会での一般討論演説である。各国が北朝鮮を批判し、国際社会として懸念を共有したのは前進だ。
しかし、当事者であるトランプ米大統領と安倍首相の強硬ぶりは突出し、平和的な解決をめざすべき国連外交の場に異様な空気をもたらした。」
「乱雑な舌戦や一方的な対話拒否を続けるだけでは、打開の糸口はつかめない。国連決議の実行を果たしつつ、交渉の接点を探る知恵が求められている。」
最後の一文はもっともです。
読売新聞
・ 日米韓首脳会談 対「北」人道支援は見合わせよ
圧力派の読売は、韓国の人道支援批判を見出しに持ってきました。
「疑問なのは、韓国が21日に北朝鮮への800万ドル相当の人道支援を実施すると発表したことだ。
食糧、医薬品など一般国民向けの支援とはいえ、北朝鮮制裁に向けた国際社会の足並みを乱し、圧力の効果を損ないかねない。日米両首脳が会談で、文氏に自制を求めたのは当然である。
北朝鮮に誤ったメッセージを送ってはならない。韓国は、日米韓の協調を重視し、人道支援の実施を当面見送るべきだ。今後も、北朝鮮政策については日米両国と事前調整することが求められる。」
毎日新聞
・ 日米韓の対北朝鮮政策 中露との連携を深めねば
「無条件対話や軍事的選択肢はとれない。長期戦になるが、北朝鮮の包囲網を構築し対話の場に引き込むことしか方法はないだろう。
そのためには、利害関係国間にある温度差を縮める必要がある。日米韓がいくら結束しても中露との溝が深まるなら意味がない。
国連総会の首脳演説でトランプ米大統領と安倍晋三首相はそろって北朝鮮に厳しい姿勢で臨んだ。
日米が一枚岩となり、日米韓が結束するという姿勢は大事だ。一方、日米韓は中露の役割が重要だとの認識でも一致する。
しかし、3カ国で方針を決めても、それを中露に押しつけるだけではうまくいかなかったのが、これまでの経緯ではないか。「日米韓対中露」の構図から抜け出すべきだろう。」
リベラル派の主張は対話。
ただ、朝日とはややニュアンスが違い、中露との連携を主に持ってきました。
日本経済新聞
・ 北朝鮮の封じ込めへ日米韓は全力尽くせ
「蛮行をこれ以上続けさせるわけにはいかない。北朝鮮が核・ミサイル開発を中止しない場合は、石油の全面禁輸を含めたさらに厳しい制裁を検討する必要がある。中ロ両国は安保理の常任理事国として世界の平和を守る責任がある。日米韓3カ国は一枚岩で関係国の説得に全力をあげるべきだ。
北朝鮮問題は東アジアの局地的な脅威にとどまらない。核弾頭を積んだミサイルの実戦配備を許せば、米ロ英仏中の5大国にのみ核兵器保有を認める核不拡散体制はさらに有名無実化する。
国際ルールに従わない暴挙を繰り返す北朝鮮に有効な手段がとれないのなら、国連安保理は存在意義を問われる。
日米韓3カ国は国連の加盟国と危機感を広く共有し、北朝鮮を封じ込めるための行動を主導していく必要がある。核・ミサイル開発の進展度を踏まえれば、残された時間はあまりない。」
日経は思ったよりも圧力重視です。
産経新聞
・ 「洋上で水爆実験」 圧力貫徹し恫喝を封じよ
圧力派の雄、産経です。
「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が声明を発表した。トランプ米大統領の国連総会演説を激しい言葉で非難し、「史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に検討する」と警告した。
これを受けて国連総会に出席中の李容浩外相は「水爆実験を太平洋上で行うことではないか」と付け加えた。」
「金正恩氏に求められているのは核・ミサイル戦力の放棄であり、拉致問題の解決である。このことを分からせるまで、圧力の手を緩めるわけにはいかない。」
「一定の危機意識は共有しながら、対話重視の姿勢を変えない中国、ロシアについても、では自国の責任で北朝鮮の暴走を止めてみろ、といいたい。」
最後の一文は感情的になっています。
中日新聞
・ 北朝鮮と日米韓 軍事衝突防止に総力を
「米国と北朝鮮の指導者による「言葉の戦争」が止まらない。対話がないままでは、東アジアで軍事衝突が起きる恐れがある。日米韓は経済制裁を強めながらも、衝突防止に総力を挙げねばならない。」
「 安倍晋三首相は総会演説で「対話は無に帰した」と断言したが、軍事衝突を防ぐためにも日米韓が結束し、中国とロシアにも働きかけて北朝鮮を交渉の席に着かせる努力が欠かせない。
これまで北朝鮮情勢に比較的関心が薄かった欧州連合(EU)諸国も、ドイツやフランスが対話による解決を呼び掛け、スイスは会談場の提供など仲介をしたいと名乗り出た。困難でも対話の道を探る努力を続けていきたい。」
朝日と毎日を足して2で割ったような意見です。
各新聞社の色が出ていますので、見てみましょう。
朝日新聞
・ 対北朝鮮政策 圧力は手段にすぎない
朝日は「対話派」の代表です。
「圧力の連呼で解決できるほど朝鮮半島問題は単純ではない。危機をあおることなく、事態を改善する外交力こそ問われているのに、日米首脳の言動は冷静さを欠いている。
ニューヨークの国連総会での一般討論演説である。各国が北朝鮮を批判し、国際社会として懸念を共有したのは前進だ。
しかし、当事者であるトランプ米大統領と安倍首相の強硬ぶりは突出し、平和的な解決をめざすべき国連外交の場に異様な空気をもたらした。」
「乱雑な舌戦や一方的な対話拒否を続けるだけでは、打開の糸口はつかめない。国連決議の実行を果たしつつ、交渉の接点を探る知恵が求められている。」
最後の一文はもっともです。
読売新聞
・ 日米韓首脳会談 対「北」人道支援は見合わせよ
圧力派の読売は、韓国の人道支援批判を見出しに持ってきました。
「疑問なのは、韓国が21日に北朝鮮への800万ドル相当の人道支援を実施すると発表したことだ。
食糧、医薬品など一般国民向けの支援とはいえ、北朝鮮制裁に向けた国際社会の足並みを乱し、圧力の効果を損ないかねない。日米両首脳が会談で、文氏に自制を求めたのは当然である。
北朝鮮に誤ったメッセージを送ってはならない。韓国は、日米韓の協調を重視し、人道支援の実施を当面見送るべきだ。今後も、北朝鮮政策については日米両国と事前調整することが求められる。」
毎日新聞
・ 日米韓の対北朝鮮政策 中露との連携を深めねば
「無条件対話や軍事的選択肢はとれない。長期戦になるが、北朝鮮の包囲網を構築し対話の場に引き込むことしか方法はないだろう。
そのためには、利害関係国間にある温度差を縮める必要がある。日米韓がいくら結束しても中露との溝が深まるなら意味がない。
国連総会の首脳演説でトランプ米大統領と安倍晋三首相はそろって北朝鮮に厳しい姿勢で臨んだ。
日米が一枚岩となり、日米韓が結束するという姿勢は大事だ。一方、日米韓は中露の役割が重要だとの認識でも一致する。
しかし、3カ国で方針を決めても、それを中露に押しつけるだけではうまくいかなかったのが、これまでの経緯ではないか。「日米韓対中露」の構図から抜け出すべきだろう。」
リベラル派の主張は対話。
ただ、朝日とはややニュアンスが違い、中露との連携を主に持ってきました。
日本経済新聞
・ 北朝鮮の封じ込めへ日米韓は全力尽くせ
「蛮行をこれ以上続けさせるわけにはいかない。北朝鮮が核・ミサイル開発を中止しない場合は、石油の全面禁輸を含めたさらに厳しい制裁を検討する必要がある。中ロ両国は安保理の常任理事国として世界の平和を守る責任がある。日米韓3カ国は一枚岩で関係国の説得に全力をあげるべきだ。
北朝鮮問題は東アジアの局地的な脅威にとどまらない。核弾頭を積んだミサイルの実戦配備を許せば、米ロ英仏中の5大国にのみ核兵器保有を認める核不拡散体制はさらに有名無実化する。
国際ルールに従わない暴挙を繰り返す北朝鮮に有効な手段がとれないのなら、国連安保理は存在意義を問われる。
日米韓3カ国は国連の加盟国と危機感を広く共有し、北朝鮮を封じ込めるための行動を主導していく必要がある。核・ミサイル開発の進展度を踏まえれば、残された時間はあまりない。」
日経は思ったよりも圧力重視です。
産経新聞
・ 「洋上で水爆実験」 圧力貫徹し恫喝を封じよ
圧力派の雄、産経です。
「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が声明を発表した。トランプ米大統領の国連総会演説を激しい言葉で非難し、「史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に検討する」と警告した。
これを受けて国連総会に出席中の李容浩外相は「水爆実験を太平洋上で行うことではないか」と付け加えた。」
「金正恩氏に求められているのは核・ミサイル戦力の放棄であり、拉致問題の解決である。このことを分からせるまで、圧力の手を緩めるわけにはいかない。」
「一定の危機意識は共有しながら、対話重視の姿勢を変えない中国、ロシアについても、では自国の責任で北朝鮮の暴走を止めてみろ、といいたい。」
最後の一文は感情的になっています。
中日新聞
・ 北朝鮮と日米韓 軍事衝突防止に総力を
「米国と北朝鮮の指導者による「言葉の戦争」が止まらない。対話がないままでは、東アジアで軍事衝突が起きる恐れがある。日米韓は経済制裁を強めながらも、衝突防止に総力を挙げねばならない。」
「 安倍晋三首相は総会演説で「対話は無に帰した」と断言したが、軍事衝突を防ぐためにも日米韓が結束し、中国とロシアにも働きかけて北朝鮮を交渉の席に着かせる努力が欠かせない。
これまで北朝鮮情勢に比較的関心が薄かった欧州連合(EU)諸国も、ドイツやフランスが対話による解決を呼び掛け、スイスは会談場の提供など仲介をしたいと名乗り出た。困難でも対話の道を探る努力を続けていきたい。」
朝日と毎日を足して2で割ったような意見です。