このブログでは、東日本大震災の2日後から、世界の新聞社・通信社がこの震災をどう報道したかを毎日切り取ってきました。
あれから10年になるあたり、当時の記事を再掲して当時の様子を振りかえっています。
今回は、2011年4月9日付けの記事 その2です。
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【韓国】
中央日報http://japanese.joins.com/
【コラム】日本、政府が災いだ
人に迷惑をかけるな。 日本人が学校と家庭で集中的に受ける教育だ。 日本東北地方の海岸地域の住民は地震・津波で家族を失っても、他人に、特により大きな不幸にあった人に迷惑をかけないよう涙をこらえ、断腸の悲しみを黙々と静めた。 日本人の忍耐と自制と市民精神に世界が驚嘆した。
ところが日本政府はなぜこのありさまか。 東京電力が放射能汚染水を海に放出することを容認し、独島(ドクト、日本名・竹島)が日本の領土だと記述した歴史教科書の出版を主導することで、隣国の韓国に深刻な迷惑をかけている。 東京電力は高濃度放射能汚染水を原子炉内に保管する空間を確保するために、低濃度放射能汚染水を海に流した。 しかし日本政府はいつかは海洋汚染の被害を受けることになる周辺国にこうした事実を事前に通報しなかった。
海洋汚染を心配して放射能汚染水放出に関する詳細情報を要求する周辺国に対し、日本政府は厚かましくも「濃度が低いので人体に被害はない」「原子力廃棄物の海投機に関する国際法に違反しない」などと空しい弁解を並べた。 該当地域の漁民もこうした言葉を信じず、汚染水放出を即時中断するよう求めた。 放射能の脅威は、常に最悪のケースに対応しなければならないことは日本人が最もよく知っている常識だ。 にもかかわらず日本は事前に一言の説明もなく1万トン以上の‘死の水’を海に放出した。 それが、より大きな災難を防ぐために避けられない措置だったのなら、それを説明して周辺国の理解を得なければならなかった。
放射能汚染水の放出が韓国人の肉体的な健康を脅かすものなら、独島問題に関する日本政府の言行は韓国人の心に鋭い刃を向けるものだ。 過去にも日本中学校の歴史・社会科教科書は独島を日本の領土と記述したが、今回は過去のどの教科書よりも具体的かつ直接的に明記している。 歴史教科書は「韓国が独島を不法占拠している」「安重根(アン・ジュングン)義士が伊藤博文を暗殺したため日本が朝鮮を併合した」という勝手な解釈で歴史をねつ造している。 日本政府は次世代の日本人を歴史の文盲、国際的のけ者にするつもりなのか。
伊藤博文の玄孫である松本剛明外相は参院で、「韓国が不法占拠している独島が他国のミサイル攻撃を受ければどう対応するのか」という質疑に対し、「竹島は私たち固有の領土であるため、私たち領土が攻撃されたものと見なして対応する」と答えた。 竹島とは独島のことだ。 韓日強制併合の元凶であり初代朝鮮統監だった伊藤の子孫として遜色ない特級妄言だ。 松本外相は南山(ナムサン)に安重根義士の銅像が建てられたことに是非を論じた人だ。 日本外相の‘国際感覚のなさ’は、コーランを燃やしてアフガニスタンに反米暴動を触発させた米国人牧師の水準だ。
菅直人民主党政権は地震・津波と福島原発爆発という未曽有の災難の前で慌てて事故を膨らませたという批判を受けている。 日本政府は原発事故の初期、米国とフランスの支援を拒否し、事態収拾の機会を逃した。 日本政府のこうした無責任な態度は「福島原子炉に外国に知られては困る秘密が隠れているのではないか」という疑惑を呼んだ。
日本政府は原発被害地域の住民をどの距離まで避難させるのか、農畜産物の放射能被害はどの程度か、どの農産物を生産または出荷禁止させるのかなど、住民の死活がかかる情報を適時に提供しなかった。
日本人も日本政府の発表に不信感を抱いている。 災難の前で冷静な日本人に驚嘆した世界は、経済大国の指導者のみずぼらしい危機管理能力にまた驚いている。 地震・津波復旧と原発事態の収拾に投じる時間と力も足りない時に、隣国を相手に歴史歪曲だけでなく領土権まで主張する日本政府の無神経が恐ろしい。 これはグローバル時代の先進国政府の姿ではない。 日本政府が災いだ。
文部科学省は新しい歴史教科書で、外相は独島妄言で、韓国で熱くなった韓日友好ムードに冷や水を浴びせた。 韓国では冷静に対応しようという言葉が出ている。 冷静とは何か明確でないままこう話している。 私たちが進むべき道ははっきりしている。 逆境の中の日本住民に対する声援に拍車を加えながら、独島実効支配を着実に進行することだ。 妄動と妄言には反応する価値もない。
日本政府、在外公館に訓令…原発事故を報道した外信に「イメージ悪くなる」
日本政府が福島原子力発電所の放射能漏れ事故を報道する海外メディアの内容に一つひとつ訂正の申し入れを行っている。「日本のイメージを傷つける過ちを犯している」との理由だ。先月28日には、日本の外務省が「日本のイメージを傷つける誤った報道は直ちに訂正するように」という内容の訓令をすべての在外公館に指示していたことが確認された。
8日の朝日新聞インターネット版によると、高橋千秋外務副大臣は記者会見で「今回の原発事故を誇張したり歪曲したりして報道する海外メディアが後を絶たない」とし「誤った内容は見つけ次第すぐに正したい」と述べた。
日本側はその例として、米国オハイオ州のあるタブロイド新聞が先月15日に報道した内容を挙げた。この新聞はキノコ雲が3つ並んだ漫画を掲載した。タイトルには「ヒロシマ・ナガサキ、そしてフクシマ」とつけられていた。1945年、広島と長崎に投下された原子爆弾を福島原発事故と暗になぞらえたものだ。これに対して大使在デトロイト総領事館は「事故と原爆投下を同一に扱うのは不適切」と強く抗議した。この新聞は日本の要請を受け入れ、インターネットから関連漫画を削除した。
また先月末には英タブロイド新聞が「福島原発事故に対応していた作業員5人が死亡した」という内容を緊急速報として掲載した。しかしこれは誤った情報だった。日本大使館は「明らかな事実誤認」と不快感を表し、訂正報道の要請を行った。
もちろん誤った記事には訂正を求めることができる。しかし海外メディアを公然と非難する日本政府の態度については波紋が広がっている。日本政府が正確な情報を適時に提供せず、説明が繰り返し変わっていることが最大の原因だというのだ。国際原子力機関(IAEA)や米国・フランスなどの国際機関、各国政府が「日本政府は原発事故と関連した情報を直ちに公開すべき」と数回にわたり警告していることもこのような脈絡からだ。
独時事週刊誌シュピーゲルのオンライン版は「日本政府が充分な情報公開を行わず、絶えず言葉を変えているため、信じることができない」と報道した。日本のネットユーザーでさえ「中から漏れ出ている放射能事故を外から防ごうとしている」と厳しい視線を向けている。
<福島原発>【社説】休校を許可した京畿教育庁、判断に問題はないのか
【世説】日本は永遠の小国になろうとするのか
日本は中世以前まで生活の技術も粗末で、地方政府に対する統制もまともにされない国だったで。朝鮮時代にわれわれが日本を倭と呼んで見下した理由は、朱子学を中心に高度な精神文化を成し遂げたわれわれの立場からは正しい衣服さえ着ておらず、ふんどしひとつで略奪を日常的に行う対馬の海賊がそのまま日本のイメージだったためだった。
しかし近代に入ると状況が変わった。海上輸送が発達し、欧州の文物がインド洋と太平洋を越え直接日本に流入し、新文物に渇望した日本は欧州の武器と制度を受け入れ急成長した。それまで文化は大陸から半島を経てわれわれが日本に伝授する立場だったが、逆に海を通って新しい文物が流入するとは想像できなかったため、これらの変化を眺める衝撃は大きかった。
現代になり日本は新しいインテリに華麗に変貌した。アジアで無視されていたのをひっくり返そうとするような彼らの成長はまぶしかった。しかし精神的基盤もなく刀と金を握ったインテリの力は言葉どおり災難だった。「大東亜戦争」という美名の下で行われた惨憺たる戦争はアジアの多くの人々にぬぐうことのできない痛みを抱かせた。精神文化が土台となっていない物質文明がどれだけ危険なことかをよく示している惨劇だった。
この結果に対して日本だけを恨むものではない。われわれは過去の一時期、遠慮なく日本を無視し蔑視した。その結果長い間の劣等感が醸し出した日本の大国指向的帝国主義はわれわれにブーメランとなって返ってきたのだ。だが、今回の東日本大震災に続くわれわれの態度は、長時間積み重ねられたわれわれの精神文化が光を放つ契機となった。隣国に広がった惨憺とした現実に旧怨を越えてわれわれが見せた患難相恤の精神は自分たちが見ても満足だった。
しかしわれわれの心とは別に日本の態度は相変らず残念なものだ。代表的なものが領土問題だ。心が痛くて凄然とするほどだ。この数世紀の間、東洋の精神文化に対する疎外が彼らにこんなにまで作用しているのかと思う。独島(トクト、日本名・竹島)がいくらほしくても、隣人の心を得ることほどの価値があるとは考えられない。「領土を得るのはその土地分だけの利益だが、隣人の心を得るのは無尽蔵な時間の利益」という点を忠告したい。
<福島原発>「安全です」…政府と専門家の発表にも不安な理由
韓国原子力安全技術院(KINS)は、「7日午前0時から午前3時まで済州道(チェジュド)に降った雨のヨウ素濃度は1リットル当たり2.02ベクレルだった。健康に無害な水準だ」と発表した。「同じ濃度の水を1日2リットルずつ1年間摂取しても年間放射線量は0.03ミリシーベルト、で年間許容量の1ミリシーベルトに達しないため」という説明だ。
漢陽(ハンヤン)大学原子力工学科の李在己(イ・ジェギ)教授は、「京畿道(キョンギド)教育庁が学校長裁量で休校できるようにしたのは行き過ぎた措置。(きょう降った雨は)最初から危険はなく子どもたちにも安全だ」と話した。
政府と専門家が「安全だ」と繰り返し発表しても雨に混ざった不安が韓国を侵食した理由は何か。専門家らは▽目に見えない危険なもの、突然現れた新しい危険に対する当然の恐怖と、▽日本と韓国政府が現在の状況をリアルタイムで透明に公開しないことに対する不信を挙げた。
高麗(コリョ)大学心理学科のホ・テギュン教授は、「0%から0.1%になった時に感じる不安感は0.1%から0.2%になった時よりはるかに大きい。普段は全く感じられなかった放射能への恐怖が生まれさらに不安に感じられるもの」と話した。リスクコミュニケーション専門家のアン・ジョンジュ博士は、「一般人は放射能のようによく知らず目に見えないものに対しては危険レベルを判断できないため実際より過度に恐怖を感じる」と説明した。
高麗大学社会学科の玄宅洙(ヒョン・テクス)教授は、「国民は政府が何か隠しているようだという感じを受けているので不安を感じている。最初は影響がないといいながら言葉を変え続けている」と指摘した。西江(ソガン)大学社会学科のチョン・サンジン教授は。「過去にはこうした不安な状況で専門家や政府が説明すればある程度信頼を得られたが、いまはそうではない。過剰反応と感じるのではなく、政府が社会的な信頼を形成することが不安を減らす核心だ」と話した。
「1滴たりとも当たりたくない」…放射性雨への不安広がる
7日に韓国に春の雨とともに“放射能への不安”が降ってきた。東日本大震災が発生して27日。「放射性雨」に対する不安と不信が国民の胸の中に雨水のようにしみ込んだ。
#登下校の心配…教室のあちこちに空席
この日午前10時。ソウル・江南(カンナム)幼稚園。119人のうち19人が欠席した。7歳クラスは34人のうち7人の席が空いていた。20%を超える。登下校路での放射性雨に対する心配のためだ。
大田市(テジョンシ)西区葛馬洞(カルマドン)に住むイム・ヒジンさん(40)はこの日出勤を遅らせた。息子を幼稚園バスに直接乗せるためだ。普段は下の階の友人に見送りを頼んでいた。しかしきょうだけは息子がレインコートを脱いでしまわないか、傘はしっかり使うか直接見なければ安心できなかった。
学校長の裁量で休校した京畿道(キョンギド)では、この日小学校と幼稚園など126カ所が休校・休園し、43カ所が授業を短縮した。休校しなかった水原市(スウォンシ)の霊通(ヨントン)小学校の前は子どもらを登校させに来た乗用車で混みあった。ソウル市教育庁ホームページには、「京畿道(キョンギド)のように休校してほしい」という要請が80件余り寄せられた。
#通勤時間帯のコンビニでは傘が品切れ
この日正午。京畿道安山(アンサン)の会社員イ・ヤンヒ(31)さんは傘を広げた。オフィスから50メートル離れた社員食堂に行くためだった。普段はこの程度の小雨には走っていったりした。イさんは、「きょうは放射能のため不安で…。同僚らも1滴も当たりたくないと話している」と話した。
セブンイレブン小公(ソゴン)店のパク・ジヨン店長は、「お客が今回の雨は絶対当たってはいけないと言いながら傘を買っていった」と話した。この日セブンイレブンは通常の雨の日より7倍の傘を準備したが、一部店舗では通勤時間帯に傘が品切れとなった。
室外で雨に降られて仕事をしなければならない人たちの不安はさらに大きい。仁寺洞(インサドン)で観光客向けの通訳をしているソウル市観光協会職員のペ・ジンア(26)さんは、大人2人がすっぽり入る大きさの傘を差していた。ペさんは、「1時間おきに手を洗っている」と話した。通信修理技士のパク・ジョンクンさん(46)はバイクに乗って移動中だった。レインコートひとつでからだを覆った。パクさんは「不安だが生計のためにやむを得ず出てきた」とした。
#田んぼの代わりにハウスで種まく農民ら
京畿道驪州郡金沙面(ヨジュグン・クムサミョン)でコメ作りをするイ・ギヒョンさん(49)は、「人々がコメに放射性物質が入っていると考えたらどうするのか」とため息をついた。よりによっていまは籾まきの時期だ。田植えのまえ前に種籾をまいて苗を育てる時期だ。イさんは普段のように田んぼに種籾をまく代わりにビニールハウスで籾まきをすることにした。町内の住民の70%がイさんのようにハウス苗代を選んだ。
京畿道利川市栢沙面(イチョンシ・ペクサミョン)でコメ作りをするイ・ジェヨンさん(52)は「籾まきを17日に遅らせたがその時も放射性雨が降ったらどうしようか」と心配した。
#インターネット騒がす“スーパーナマズ”の怪談
放射性雨に対し最も大きな不安を示しているのはインターネットワールドだった。1986年に原子力発電所の爆発が起きたチェルノブイリ近くに現れたという体長4メートルの“スーパーナマズ”と1メートルの巨大ミミズに対するユーチューブの動画が急速に広がった。普通のナマズやミミズの10倍程度の大きさにネットユーザーらは、「放射能で遺伝子が突然変異を起こしたようだ」「日本にもあんな突然変異種が現れることになるか」と騒いだ。
ツイッターなどソーシャルネットワークサービス(SNS)でも放射性雨が話題となった。ツイッターユーザーのapf****は、「傘をたたむ時に手でさわってもかまわないか」と心配した。lav*****は「雨を避けて家にいても水道水は使わなければならないのではないか」とし、「放射性雨を放射能水道水で洗うわけだ」と話した。ダウムなどポータルサイトには、「大統領と政府関係者が傘を持たず雨に降られてみてまた発表すべき」「首相が政府庁舎前の光化門(クァンファムン)広場で雨に当たれば国民が信じるだろう」という書き込みが上がってきた。
朝鮮日報http://www.chosunonline.com/
【萬物相】韓半島と津波 [2011/04/08 09:40:53]
東日本巨大地震:韓国スカウト連盟が水10万本支援
福島原発:「放射能雨」の恐怖あおる左派団体
韓国の一部左派団体による根拠のない主張が「放射能雨」の恐怖をあおっている。
市民団体「参与連帯」など49団体で結成された組織「日本大地震・核事故被害支援と核発電政策転換のための共同行動」が5日、小学校の休校を命じることを検討するよう要求すると、全国教職員労働組合なども相次ぎ声明を発表した。
6日には、教職員労組の慶尚北道・済州・蔚山支部などが「7日は全国的に大雨が予想され、『放射能雨』に対する懸念が高まっており、放射線濃度も高くなるという海外機関の観測まで出ている。放射線はDNAを損傷させ、遺伝的な欠陥を引き起こす。この日は臨時休校にすべきだ」と主張した。
「共同行動」に参加した49団体のうち、韓国進歩連帯、民主言論市民連合、全国民主労働組合総連盟など28団体は、3年前に米国産牛肉の輸入に反対した「狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)の危険のある米国産牛肉の全面輸入に反対する国民対策会議」に所属していた団体だ。これらの団体は先月30日にも記者会見を開き、微量の放射線への露出は人体に影響を与えないとする政府の発表に反し「ごくわずかの量でも健康に影響する可能性がある」と主張した。民主労働党は6日にスポークスマン名義の論評で「韓半島(朝鮮半島)に濃度の高い放射能雨が降ると予測されているが、それにもかかわらず李明博(イ・ミョンバク)政権は安全だという『うそ』しか対策を持たない」と指摘した。
また、専門家の見解を「うそ」と決め付け、恐怖をあおるオンラインメディアもある。
オーマイニュースは7日、大韓医師協会が発表した勧告文に対し「医師協会は専門家としての資格と社会的義務を忘れ、心配するなという言葉だけを繰り返している」と批判した。大韓医師協会は5日、これまでに検出された放射線量はごくわずかで、今のところ健康を心配するレベルではないとの見解を示していた。
狂牛病をめぐる一連の事態の「震源地」となったポータルサイト・ダウムの討論掲示板アゴラでも「放射能雨」に対する恐怖が広がっている。ID「狙撃手」は「放射能雨が降っても依然安全だという安全妄信論」と題する書き込みで「気象庁が政治的気象庁に変わった。教育科学技術部(省に相当)は全国の学校の校長に休校を命じるべきだった」と主張した。