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船舶のトンって?

2009-09-14 05:37:48 | 社会科こぼれ話
 世間の誤解といえば…、すぐに思いつくのが船の大きさを表す単位です。

 たとえばあのタイタニック(写真左)は総トン数46,328トンですが、この「トン」は何を表すの?

 これは、10トントラックの「トン」とは違います。重量ではないのです。

 船の大きさを表している「トン」という単位は、酒樽を叩いたときの“トン”という音に由来するのです。

 基本的に、単位というのは、身近なものが基準になります。
 船は、ワインの輸送手段として使われた時に、酒樽が何個積めるかが船の大きさを表しました。
 当時の酒樽1個の容積は約40立方フィート(およそ1,100リットル)で、これが1トン。その酒樽を叩いて数えていたので、「トン!」と音がして、その音の数で○トンと表していました。

 もっとも、酒樽1個を単位としていたかつての基準も、現在は100立方フィート(約2.8立方メートル)が1総トンとなりましたが、重量ではなく、容積であることには変わりません。

 しかし、船の大きさを示すトンには2種類あり、「容積トン」以外に「重量トン」もあるのです。

 容積トンは「樽を何個積めるか」なので、樽を積めないところを除きます。あくまでも積み荷が対象です。

 しかし、重量トンは「排水量」と「載貨重量トン(DWT)」を表します。

 軍艦の大きさは排水量です。船の重量と一致します。戦艦大和(写真右)は排水量65,000トンでした。

 また、「20万トンタンカー」とは、最大積載油の重量のことです。貨物(自己の燃料等も含む)の最大積載量の重量を表します。10トントラックと同じです。

 いずれにしろ、これらは種々の手数料や船にかかる税金の基準となり、大切な数字です。

 詳しくは「船舶のトン数の測度に関する法律」というのがあるので、検索してご覧ください。

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