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哲学入門57 ハーバーマス入門

2019-03-16 05:23:48 | 哲学の窓
白坂慎太郎先生の哲学入門

第57回、ハーバーマス入門 です。
 ここから https://www.youtube.com/watch?v=Uft6zrnJM84

ハーバーマス(1929年 - ) はドイツの哲学者,社会理論家です。ハイデルベルク、フランクフルト、マックス・プランク研究所教授を歴任した、フランクフルト学派第2世代を代表する学者です。

彼は、マルクス主義に拠りつつも、K.R.ポッパー、H.G.ガダマーらとの論争を通じて、合理性概念の再考による批判理論の鍛え直しを精力的に行っています。

20世紀、科学技術万能を批判する思想があらわれました。マルクスの発展型です。

アドルノの弟子、ハーバーマスもその一人で、科学技術のもつシステム合理性に、私たちの日常生活が批判されていくのを批判しました。

その立ち位置を確認してみましょう。


システム合理性とは、ある効果を効率的に達成するために系統化されていき、人間相互作用をも外部から操作するための手段としてしまうような技術的・戦略的な思考の特徴のことです。

現代の産業社会では、


ものを大量生産すると、価格が下がり、ますます効率化します。
指事命令型の組織になり、ますますシステム化します。

これを批判しているのです。

科学技術がもたらす知識や情報は、効率化のための単なる手段にすぎません。
しかしそれが人間関係をも規定するほど大きくなってしまったのです。

人間生活が、この合理性に規定されると、それまであった法や倫理といった社会生活の基盤ががどんどん切り崩されていくのです。
わかりますね。
AIの時代はますますそうなりかねません。

現代社会において


自由な討議の形成が、社会統合の基礎になると主張しました。

これは、今の中学校公民の教科書に出てくる「対立を越えた合意形成」と重なります。
EUの発想もここにあります。

時代が思想をつくるのか、思想が時代を導くのか・・・。




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