初等社会科教育法 あなたが考えるよい社会科の授業とは(2)
令和5年度前期に初等社会科教育法を受けた学生の振り返りを毎日数人ずつ紹介します。
今回は、「あなたが考えるよい社会科の授業とはどのような授業でしょうか?あなたの経験と、今回の授業の内容を加味して答えてください。」(10行程度以内で)
社会科の授業について考えていく上で、相対する事象の提示「AはBなのになぜCなのか」という発問が一番オーソドックスである、というお話があった。「なんでだろう」「知りたい」と思わせる発問を提示し、それについて「説明しよう」など具体的なゴールを設定することは、社会科の授業において不可欠になってくる。そして、それを探求するために必要な資料をできる限りたくさんかき集め、子どもたちの気づきが得られるものを厳選し、子どもの思考に合わせて授業を展開していくのが理想的なのだとわかったが、これには教師の相当な準備が求められる。実際、土井先生の模擬授業において、本当にたくさんの資料が出てきたのを見て、中途半端な気持ちで社会科の授業はできないな、と思った。まずは教師が世の中の事象に関心を持ち、疑問を抱き、子どもたちと一緒に探究していこうという姿勢が大切なのではないかと考えている。
私は、授業が終わった後に、子どもたち全員が新たな発見や気づきができているような授業が良い社会科の授業だと考える。なぜなら、新たな発見や気づきは知識として記憶に残りやすいからだ。実際に、先生の授業やみんなの授業を受けて、初めて知ったことや、驚いたことは、今でも覚えている。だから、子どもたちに授業をやるときも、新たな発見や気づきを大切にし、楽しく、ためになる授業にしていくことが良い授業につながると考える。そのような授業にするために、まずはみんなが授業に参加することが大切である。そして、ICTや写真を取り入れ、子どもたちの興味を引き出し、みんなが楽しく授業を受けることができるような工夫も必要である。以上のことから、全員参加型の授業を目指し、楽しい授業を心掛けながら、子どもたちに新たな発見や気づきを与える授業が良い授業だと考える。
身近なところから学習が始まり、学年を経過するごとに学ぶ範囲が広くなっていく社会科において、興味を持って学ぶことができるようになることが理想的だと考えている。そのためにはやはり、授業が楽しいものであることと能動的に学びを広げていけるものであることが大切だ。自分が小中学生の頃は、社会の授業は自分と身近なものも少なく内容も難しいので、内容が細かくなってくるとつまらなく感じていた。身近な地域のことについてなど、興味を引くような導入を心がけるとよいのではないかと思う。今回の模擬授業のなかにも冒頭部分で身近な地域のことをクイズにしているグループが見られた。自分にとって身近な内容なので自然と引きつけられ、そのまま本題に移ることができた。
このように、興味を持って学ぶ姿勢、そして、上記でも述べたような、積極的な授業参加をさせる工夫、楽しい授業にする工夫を用いて子どもの学びを豊かにしていくことが私の考えるよい社会科の授業である。
私は、「児童たちが楽しく意欲をもって学ぶことができる、全員参加型の授業」がよい社会科の授業であると考える。今回の授業であった発問の仕方やチャット機能、クイズ、PowerPointを使用した調べ学習、挙手のさせ方などの様々な工夫が児童たちの楽しいや意欲につながっていくと思った。実際に、模擬授業などでこのような授業を受けてみて、クイズの中でも出題方法を工夫することによってわくわく感があった。また、調べ学習では、自ら調べることによって、理解がより深まると感じた。さらに、チャット機能では、今回の学びを改めて整理したり、他の人の意見をすぐに見られたりするため、学習の効率化や意欲につながると感じた。
これらの工夫が授業の「見える化」にも関係していくことも分かった。クイズを行う際に挙手させるのではなく、全員を立たせることによって理解度を見ることができたり、PowerPointやチャット機能を使用することによって児童の活動の様子や進行状況をリアルタイムで見ることができたりする。
このように、全ての工夫が「全員参加の授業の授業」や「授業の見える化」などにつながっていき、児童にとっても教師にとっても良い授業になると考える。
私が考えるよい社会科の授業とは「教員の一方通行で終わらない授業」だと思います。教員が教壇の前に立ち知識を与えて、子供たちはそれを深く考えず吸収し積極的に手を上げる子だけがどんどん伸びていくという授業ではなく、子供たちが思考ツールやICT活用などを利用して自ら知識をつけていき、全員が授業に何らかの形で参加し教員は補助に回るという形にしたいです。指示を「見える化」したりドーパミンやノルアドレナリンを出させて授業に活気と程よい緊張感をも持たせ全員参加型授業を目指したいです。板書や作業指示を常に少し工夫する授業をしたいです。教員の自己満足の授業にはならず生徒を尊重した態度と授業展開をしたいです。
私が考えるよい社会の授業は、子ども全員の意見でつくる授業です。私が受けてきた授業は、やる気のある一部の子どもの意見で進んでいくものでした。しかし、それでは授業が理解出来ていない人は置いてかれ、授業に対する積極性ややる気がどんどんなくなってしまいます。そして、授業を聞かない人が出てきてしまいます。授業が理解出来ていない人も参加出来るような工夫が必要です。全員がまんべんなく当たるようにして、理解出来ていない人が当たった場合、周りの子に助けてもらって意見を言えるようにするなどの工夫ができると学びました。どんな子に当たっても、周りで助け合ったり、他の子の意見を広げたりして、全員が自分の思ったことを素直に気負うことなく発言できる環境作りを行いたいと思います。すぐに全員の意見を取り入れた授業を行うことは難しいと思いますが、発言のハードルを下げ、発言の機会を増やし、子どもの意見を上手に回しながら授業に取り入れることができる先生になりたいです。
良い社会科の授業とは、子どもたちが主体的に学びを得ることのできる授業のことだと考える。今まで私は、「社会科は暗記教科である」と思っていたし、経験上、社会科を勉強するときは、授業中も板書や覚えることに必死だったり、テスト前に詰め込んだりしていた。しかし今回の授業を受けて考えが180度変わった。社会科はただ覚えるのではなく、歴史や地理、公民、工業産業、世の中の情勢から主体的に考える力を育む教科だと考えるようになった。
こどもたちがそのような学びを得るためには、今回の授業で学んできた全員参加型の授業を実現するための工夫や、子どもたちが興味関心を示すような授業づくり、それに応じたICTの活用など、教師が率先して様々な工夫、準備をすることが必要であると思う。教師が全員参加型の授業をするための工夫をすることで、勉強が得意ではない子どもも授業に参加したくなり、全員が主体的に学びを得られると思う。そうすることで、良い授業につながると考える。
私の思う良い社会科の授業は、多くの資料を使い、子どもたちが考えながら学ぶ授業であると考える。社会科の一番の特徴は多くの資料を用いることであり、この資料で現代の社会を認識し、これからの社会を考えていくことができるからである。例えば、教師が資料を提示し、発問する。子どもたちは資料を読み取り、課題について考える。考えたことを共有し、さらに考えを練り、答えを全員で作り上げる。このような授業を展開することで、資料を読み取る力や考える力、話し合う力が身につく。この3つの力は、複雑化していく現代社会の中で重要な力となる。そのため、資料を読み取り、考える授業が良い社会科の授業であると考える。
私は、子どもが自分が参加している!輪の中に入れている!と思える環境づくりができているのが、よい社会科の授業であると考える。
まず、私が中学生の時に受けた社会の授業で、授業教材として歴史資料を持ってきてくださったり、色んな地域で買ってきた特産物を実際に見せてくださったり触らせてくださったり、座学という受動的な学びだけでなく、“経験”という学びを授業内でさせていただいた。そのことで、誰一人として授業参加者から欠けることはなかった。
そして、今回の講義では、子どもたちがここが自分の居場所なんだと実感できるような、教師としてはもちろんのこと、一人の人間としての配慮の仕方を学んだ。
もしこの2つを融合させた授業をできた場合、子どもたちが自主的に楽しく学べる機会を提供できると考える。
自分が模擬授業をした際に、授業の初めにパワーポイントを使ったクイズをしたところ、その後の授業への導入がスムーズにいった。模擬授業では相手が大学生であることも多少関係するが、最初にくだけた内容のレクリエーションのようなことを行うことで、子供達は授業への興味がより一層湧いてくるのではないかと考える。自分が小学校の頃は、先生が挙手をさせて分かる人だけが意見を言うといった授業であった。しかしそれではクラスの一部分の人の意見しか浮き出てこない。初等社会の授業で、おでこの前にグーを置いたり話し合う機会を作ったりする工夫が必要であるなと考える。クラス全員の意見が出て、それからみんなで考え話し合っていくような授業が良いと思う。反対に、子供達に手を挙げさせずに先生がランダムで当てていくようにすることで、子供達は「次は自分が当たるかもしれない」と常に緊張感を持って授業に臨むことができる。授業において、分かる子の意見を聞いてそれを先生が「そうだね」という授業は避けたい。この授業で感じたのは、わからない子をおいていかない工夫が大切だということである。子供に考える時間や、話し合う時間、子供同士で教え合う時間を作ること。先生が子供の意見を尊重すること(たとえ間違っていたとしても)など様々な工夫によって「みんなが一緒に理解していく授業」が実現できるのではないかと思った。
私が考える良い社会科の授業とは、自分の生活とのつながりを発見し、理由を探し、自分の言葉で表現することができる授業である。これは私が中学生の時の話になるが、その先生の授業は教科書に書いてあることをただひたすら板書し、それを私たちがそのままノートに写す、というものだった。当然、テスト前になって振り返っても授業内容を何一つ覚えてはいなかった。ただ黒板に書いてあることを写すだけの授業だったのでいい言い方をすれば楽ではあったものの、悪い言い方をすればすごく退屈だった。しかしこれでは本当の学びにはならないと改めて今回の授業を受けて感じた。考え、構造化し、自分の言葉で表現することで初めて学びになるのである。そういう学び方をしないと、中学の頃のテスト前の私のように長期的な記憶にはならない。長期的な記憶になるということは、進学したり、もっと大きく言えば就職したりしてからも役に立つということである。そのため私は、自分の言葉で理由やつながりを表現できる社会科の授業が良い授業だと考える。
私が考える良い社会科の授業とは授業中学んだことと日常生活を結び付けることができる授業だと考える。社会科には地理・歴史・公民など様々な種類があるがすべての分野は必ず日常生活につながっている。例えば日本の熱い地域と寒い地域について学ぶとき、自分の住んでいる地域と比較してより過ごしやすくするにはどのような工夫をしたら良いかなどを考えたり、ある地域の歴史について学ぶとき、どのような背景で現在の地形になり、歴史的財産が残されており、そしてどのように地域の発展に繋がっているのかなどを考えたりして、学習知識を生かして自らの暮らしをよくしていくことが学ぶことの根本なのではないかと考える。
私の考える良い社会科の授業とは、まずは児童全員が楽しく授業に参加できることが一番重要であると考えます。私が小学生の時はすごく社会科の学習が苦手で、苦戦した思い出があります。当時社会科の内容に触れるのが初めてで、授業内容のほとんどが見たことを聞いたこともないものでした。当然そんな状態では授業内容もよくわからず困っていました。しかし、本講義で学んだように、困っている子を取り残さないような授業を作っていくことでそのような問題は解決できるのではないかと考えました。クイズを用いて理解度を確認したり、周りの児童が補助しても良いような環境を整え、全員が授業に参加することでより良い授業を作ることができると思います。さらに、ICTをうまく活用して、児童の内容理解を助けたり、授業の見える化を図る授業が良い授業であると考えます。
私が考える社会科の授業は、自分の意見を発表したり交換したりする機会が多く、体験的である授業であると考える。社会科は覚えなければいけない用語や情報が非常に多く、暗記科目であるというイメージがある。しかし、課題に対する自分の意見を考える機会をしっかりと設け、それを全体に発表したり周りの人に共有したり、実際に現場を訪れたりするようなアクティブで体験的な授業であることが必要だと考える。このような授業は、理論や単なる知識では得られないような実践的な学びを得ることができ、話したり書き込んだりすることによって深く記憶に残すことができると思う。例えば、クイズを行って自分の頭で考える機会を増やすこと、パワーポイントやチャットでの意見共有を積極的に行うこと、授業で学んだ対象である施設を実際に訪れることなどが挙げられる。このような実践的で体験的な活動を行う機会を多く設けることによって、児童が主体的に活動して学習内容に対する理解を深め、よりよい学びを得られるような授業が、私の考えるよい授業である。
私が考える良い社会科の授業とは、全員が授業に参加していることを実感でき学びを得られる授業である。今回の授業を通して、授業をすることの目的は子どもたちがただ教師による内容の説明を聞いて学んでもらうことではなく、子どもたち自身が興味をもって自主的に学ぶことだと改めて感じた。教師が一方的に教える授業だと子どもたちは考える機会がなく、あまり身につかない。一方、自分で考えを巡らせた内容は記憶にも残りやすく、身につきやすい。授業内で子どもたちの意見を「見える化」することは、子どもたちにとっても授業に参加していることを実感させ、自分の疑問や考えが授業を成り立たせていると感じられる授業は、参加したいと思えると私は考える。
わたしが考えるよい社会科の授業とは、見方・考え方を広げる全員参加の授業だと考える。見方・考え方を広げることで、見えているところから見えないことを読み取る力が養われる。例えば、先生が行ってくださった地形を生かした農作物の授業では、写真から読み取れることや、他の農業から読み取れることを用いて、新たな農業の工夫を見つけていた。このように、写真や知識といった見えているものから、新たな知識や情報、隠された思いといった見えていないところを読み取っていけるような授業がよい社会科の授業だと考える。また、全員参加の授業もよい社会科の授業には欠かせないものだと考える。社会科で教員が知識を児童に伝えるだけの授業では児童の考える力が育まれず、教員の一方的な授業になってしまう。 社会科では、子どもたちに多くの問いを立て、子どもたちが考えながら授業を進めていくことが大切だ。そして、その際に、意欲のある人や理解力が高い人だけで授業を進めてしまってはクラス内で差が広がってしまう。クラス全員で授業を行えるよう、工夫されている授業がよい社会科の授業だと考える。
私は、「児童が全員参加できる授業」が良い社会科の授業であると考える。「参加できる」というのは、「全員が発言する」というわけではない。私が考える「全員参加」とは、「全員が一回の授業の中で何かしらのアクションを起こせる授業」である。今回の講義で先生が言っていたように、「わからない人・自信がない人は手を挙げて」と「挙手をする対象を変えてみる」など、今までのは働きかけではなかなかアクションを起こせなかった児童に行動できるような声掛けをすることで、「授業に参加できている」という実感を持たせるだけでなく、 「話を聞いていないとどんなアクションをすればよいかわからない」といった緊張感を児童に持たせ、「ノルアドレナリン」などを刺激することによっても、授業はより活発になり、児童は参加しやすくなるのではないかと考えた。こうすることで、近年問題となっている授業や成績などの「二極化」を防ぐことができるのではないかと思う。こうした理由から、私は「児童が全員参加できる授業」が良い社会科の授業であると考える。
社会科の授業というと、受動的な授業が多かった印象がある。小学校第3学年で社会科と理科がスタートするが、理科の方が主体的な学びが多かったため、社会科と理科のどちらが好きかと問われたときに、理科と答えた同級生が多かったように覚えている。しかし、社会科も理科と同様に主体的な学びが可能な授業である。いかに主体的な授業構想にするかは、教師の技量次第である。よい社会科の授業とは、子どもが主体的に学びに向かい、自ら課題解決に向かって取り組んでいる姿が見られる授業である。現代社会には、様々な課題が存在している。授業では教科書の内容を中心に行っていくため、高度な社会問題は取り扱うことは少ない。しかしながら、教科書の中にある様々な課題の解決方法を自分で考えたり、友達と話し合ったりして解決方法を模索することで、いろんな視点からその課題について見る力や、解決す
る際の最適解を導き出すことができるようになると考える。社会には様々な課題が溢れている。したがって、その社会に子どもが出ていったときに自分の力で思考・判断し、課題解決に向かって取り組む姿が見られるような力を育成できる授業ができるとよいと考える。
私は、子どもが授業の終わりに学習課題に対する自分の答えをしっかりと持ち、自分で説明できるようになっている授業が良い社会科の授業だと考える。学習課題に対する自分なりの答えをもって終わるということは、その子が授業にしっかり参加できていたという証であり、それが説明できるということはきちんと自分の中に落とし込んで言語化できているということだからである。また、学習課題を自分事として捉えられていたということにもなると考える。
そして、子どもが自分の答えに自信を持つためには、教師が子どもの意見を肯定したり、友達間で班試合肯定し合ったり、調べて根拠のある答えを導かせることが大切だと考える。そのため、教師と子ども、子どもと子どものコミュニケーションが活発で、正しいかつ欲しい情報を精選させるような調べ学習を取り入れた授業も良い授業だと考える。加えて、子どもが安心して自分の意見を言うことができるような雰囲気づくりをしていくことも大切だと考える。