ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 作品88 B 163 (スコア付き)
アントニン・ドヴォルザーク: 交響曲第8番ト長調 作品88 B 163 (スコア付き) 作曲年代:1889年8月26日~11月8日
指揮:ヴァーツラフ・ノイマン 管弦楽:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 00:00 第1楽章 Allegro con brio (ト長調) 09:46 第2楽章 Adagio (ハ短調 — ハ長調) 20:16 第3楽章 Allegretto grazioso — Molto vivace (ト短調 — ト長調) 26:53 第4楽章 Allegro ma non troppo (ト長調)
《交響曲第8番ト長調 作品88 B 163》は、1889年の夏から秋のはじめにかけて、スロバキアの別荘のヴィソカで作曲されました。当時精神的に安定していなかったドヴォルザークにとってこの地は安心して作曲活動に勤しめる地で、そのことが故郷チェコ・スロバキア民謡に対する愛に満ち溢れたこの交響曲にも表れています。 初演は1890年2月2日プラハにて作曲家自身の指揮で行われ、大成功をおさめました。イギリスのマスコミに「交響曲ジャンルで生けるベートーヴェンの唯一の後継者」とまで言わせたほどでした。ドヴォルザークは、初演について「過去のどのコンサートよりもうまくいきました。第1楽章も、第2楽章も終わった後に大きな拍手が沸き、第3楽章では雷のように、第4楽章に至っては耐えられないほどの拍手でした。」と述べています。 一方、出版に際してはいざこざがありました。それまでほとんどのドヴォルザークの作品を出版してきたドイツ・ジムロック社は、彼の野心的な作品は収益性が低いとし、短編作品を望んでいました。交響曲の出版を望んでいたドヴォルザークはジムロック社と対立し、3年間取引を停止しました。そのため,この交響曲はロンドンのノヴェロ社という出版社から出版されました。このことが、たまに『イギリス』という副題で呼ばれる理由です。