令和7年2月17日、18日の2日間にわたり、初等社会科教育法の試験(ふり返りレポート)を184名に対して行いました。
時間は90分で、一人平均、約3,800文字(最高6,442文字)をその場で入力しました。この半期で学んだものを、何も見ないで整理して論述するのは、本物の力が表れます。貴重なOutputの時間と位置づけています。
これまでもその一部を紹介し、共有してきましたが、今回は、最後の感想を共有します。
次の質問です。 4 最後に、「初等社会科教育法」を受けた感想を書いてください。
前回に続き、10数回に分けて、匿名で全員分を紹介します。
◆ 自分自身、社会科は暗記科目だと思っており、正直今までは「社会科はつまらない」と思っていました。しかし、本講義を受けて、特に模擬授業や15回目のアンネの日記の授業を通して、「社会科の授業ってこんなに自由に学べるんだ」「社会科ってこんなに面白いんだ、楽しいんだ」と思うことができました。将来教員になって、小学校で働くことになった場合、社会科を教える立場になるため、児童に向けて「社会科って面白いんだ」と思わせられるような授業を行えるようになりたいと思いました。
前半の講義で学習した授業のコツについては、社会科だけでなく、他の教科でも使えるものが多く、正直教育実習の前に知りたかった内容も多かったです。来年度の春に中学校での実習があるため、本講義で学んだ内容を活かしながら研究授業が行えるようにしていきたいと思います。
半期間を通して、非常に多くのことを学習することができました。本当にありがとうございました。
◆ 社会科にとどまらない、どの授業でも活かすことができるテクニックや知識を多く学ぶことができました。そして、土井教授の講義中の姿から、教師は常に学び続ける人であるのだと感じました。常に私たちの様子を伺いながら、楽しく授業に参加できるように講義を進めている姿から、自分も教師になったら常により良い授業を目指して、学び続ける教師でありたいなと思いました。私自身、社会科は暗記教科だと思ってしまっていましたが、この講義でそうではないのだと学び、社会科の楽しさを少しは理解できたと感じています。子どもに教える立場になるからには、自分が社会科を学ぶことを楽しもうと思えるようになりました。ありがとうございました。
◆ この授業を通して、前半では授業で使える様々なICT機器や具体的なテクニックについて、後半では前半で学んだことを活かした模擬授業を行い、多くのことを学んだ。前半においては、私はこれまで教育実習を通してもICT機器をあまり使っておらず、どのようなものがあるのか、どのように使ったらどのような効果があるのかなど全くわからなかった。しかし、パワーポイントのアニメーションの使い方やシンキングツールなどを学習し、とても簡単な作業で子どもたちの興味を引き出すことができて、将来積極的に使っていきたいと思った。後半においては、楽しい授業を目標に模擬授業を作り上げて、実際に盛り上がってほしいところで盛り上がっていたので授業をしていてとても楽しかった。子どもたちが毎回の授業で盛り上がれるよう楽しい授業づくりを心掛けていきたいと感じた。
◆ 初等社会科教育法を受けた率直な感想は「楽しかった」です。毎週新たな学びがあり、徐々に自分にも周りにも授業の個性が生まれてきていました。そして何よりも学ぶことが多くありまた。先生のお話、授業、周りの班の模擬授業などから、単に知識だけでなくたくさんのことを学べました。面白い授業が多くありました。上から目線のように聞こえてしまうかもしれませんが、本当にみんな授業がうまくなったと思います。自分も負けていられないなと思っています。3年後期にこの授業を受けることができてよかったとおもいます。今回の授業で成長できたなと思っているし、たくさんのことを教えてくださった土井先生には、感謝しかありません。ありがとうございました。
◆ 授業の前半では、授業で活用しやすいテクニックや授業の進め方を学ぶことが出来て良かった。特に全員参加の手法は社会以外の教科でも使いやすいため、いいことが知れたなと思った。授業の後半では、ほかの教科の教育法では、模擬授業でICTをあまり使わないため、ICTを活用する縛りがあって良かったと感じた。特に活動の内容をPDFで送るといった、ICTがあるからこその手法が見られたのは大きいと感じた。15回目の模擬授業では、学校では扱いにくい内容ではあったものの、少しづつ与えられた内容から考えながら進んでいく授業は面白いと思った。
◆ 自分が児童だった頃、社会科は嫌いな科目の一つでした。覚えることばかりで、授業もノートにただひたすら板書を写すだけで、面白みのない科目だと思っていました。なので、自分が教師になったときにはそんな思いをする子供がいてほしくないと思っています。今回の授業を受けて、どうやって子供に学習意欲を持たせるか、全員授業を受けさせる方法などを学ぶことがでて、とてもためになったと思います。これから自分が教師として授業を行う上で、その教科が苦手だったり嫌いだったりする子供にどう教えていくかを考えていきたいと思いました。
◆ この授業を受けてみて効果的な社会の授業法やいろいろなAI、授業の方法を知ることができてとてもためになった。また模擬授業では様々なアイデアの授業を見ることができ、今後の自分の授業のレパートリーが増えとても勉強になった。また自分が実際に授業をしてみてよかった点や悪かった点も見つかった。15回ではアンネの日記の面白い真実が分かってとても面白かった。半期ありがとうございました。
◆ 本講義では、授業で使えるテクニックから、教育に関する考え方まで様々なことについて広く学ぶことができた。私自身の教育や社会科、子どもたちに関する視野が大きく広がったことを確信している。今は知識を取り入れた段階であるから、これを今後実践し自分のものにしていきたい。
◆ 模擬授業における楽しみながら学ぶ大切さや生活と繋げる重要さは、教育全体にいえる教育の本質であると思うので、社会に限らず、教師としての軸として持っておきたい。
◆ この講義でたくさんの授業のテクニックや工夫を学べた。その中でも特に「全員参加型の授業」の工夫は、見たことのないものもあり、今後の教員人生で活用したいなと思うものばかりだった。第15回の授業を楽しみにしていたが、体調不良のため欠席してしまったのが残念だった。自分たちの班の授業では、歴史の参勤交代をテーマにすごろくの活動を行った。授業準備に時間がかかったが、本番では授業を受けた全員が活動にしっかり参加して、楽しそうにしていたのでとてもうれしかったし準備を頑張ってよかったと思えた。
◆ この講義を通して、これからの教育において重要となる「子どもが主体的に学び、深い理解や思考を促される授業」について多くのことを学ぶことができた。従来の教育では、教師が一方的に知識を伝え、それを児童が覚えるという形式が主流であった。しかし、現在の教育では、児童が自ら考え、学びを深められるような授業が求められている。そのためには、教師が工夫し、児童の興味・関心を引き出しながら学びへと導く必要があると感じた。
特に印象に残ったのは、授業の導入の工夫が学習意欲に大きく関わるという点である。授業の最初に、児童の興味を引きつけることができれば、その後の学習にも意欲的に取り組むことができる。例えば、クイズ形式で導入を行うことで、児童が楽しく学び始めることができるだけでなく、学習内容に対する期待感も高まると考えられる。ただ単にクイズを行うのではなく、筆談やジェスチャーなどを用いることで、静かに集中しながら活動する方法も学んだ。こうした導入の工夫によって、児童が受け身ではなく、主体的に学習へと取り組むことができるようになるのだと改めて感じた。
また、体を動かしたり、視覚的な情報を活用したりすることが、児童の集中力を高め、理解を深めるのに効果的であるということも学んだ。例えば、社会科の地理の授業では、日本地図を床に広げ、児童自身が移動しながら都道府県の場所を確認するような活動を取り入れることで、実際の位置関係を体感しながら学ぶことができる。同様に、歴史の授業では、重要な出来事をカードで並べ替えさせることで、児童が自ら歴史の流れを整理することができる。
加えて、比較する学習や議論を取り入れることで、児童が多角的に物事を捉えられるようになることも大きな学びとなった。社会科では、単に教科書の知識を覚えるのではなく、異なる視点から物事を考えさせることが重要である。例えば、歴史の授業では、戦争についての学習をするときに「A国の視点」と「B国の視点」を比較することができる。このように、単なる暗記ではなく、児童自身が「なぜだろう?」と疑問を持ち、それを解決するために考えるプロセスを大切にしたいと感じた。
さらに、授業の目標を明確にすることが、児童の学習の方向性を定める上で重要であることも学んだ。抽象的な指示では児童に意図が伝わりにくく、学びが曖昧になってしまうことがある。そのため、「今日の授業では、戦争が起こった理由を3つ説明できるようにしよう」といった具体的な目標を提示することで、児童が授業の中でどのようなことに注目すべきかを明確にすることができる。また、授業の最後には「ふりかえりシート」を活用し、児童自身が学んだことを振り返る時間を設けることで、学習内容が定着しやすくなると考えられる。こうした学習の流れを工夫することが、児童の主体的な学びにつながるのだと感じた。
最後に、ICTの活用がこれからの授業においてますます重要になってくることも実感した。特に「Kahoot」などのクイズツールは、授業の導入や復習において非常に効果的であり、児童の学習意欲を高めるのに役立つ。また、「Google Earth」を使えば、社会科の地理の学習において、実際の地形や建物を立体的に見ることができ、よりリアルな学びを提供できる。さらに、「ロイロノート」を活用すれば、児童が調べたことを簡単に整理し、発表することができる。こうしたツールを効果的に取り入れることで、児童の学習の幅が広がり、より深い理解につながると感じた。一方で、ICTの活用には教員側のスキルも必要であり、私自身も大学生活の中でこれらのツールを積極的に学び、活用できるようになりたいと強く思った。
この講義を通して、児童が主体的に学び、深い理解や思考を促される授業を行うためには、教師の工夫が欠かせないことを改めて実感した。授業の導入の工夫、視覚的な学習の取り入れ、比較や議論を通じた多角的な学び、明確な目標設定、そしてICTの活用など、さまざまなアプローチを組み合わせることで、児童がより主体的に学ぶことができるようになる。私自身、これから教育の現場に立つ際には、こうした工夫を意識しながら、児童が「学ぶことが楽しい」と感じられるような授業を展開していきたい。単に知識を伝えるだけでなく、児童自身が考え、意見を持ち、深く学ぶことができる授業を目指し、実践していきたいと強く感じた。
◆ この講義を通して、自分が教員になった時にぜひ使いたい授業のテクニックや教師としての立ち振る舞いをたくさん学ぶことができた。社会科に関わらず、いろんな教科で使える知識であったので、忘れず、あるいは時折見返しながら活用していきたい。また、模擬授業を通して、前に立って全員に向かって話すのが得意ではないことを痛感した。全員に伝わるような話し方、注目を集めるための見せ方、などまだまだ勉強していくべきことがたくさんある。本講義を通して、教師となっている自分を想像できるようになったなと感じる。お世話になりました。
明日に続きます。