5年前に行った色丹島の報告を再掲しています。
直接見聞きしたことをご覧ください。
少しでも北方四島についての理解につながれば幸いです。
※ この色で書いたものは、平成28年、平成30年に書き足したものです。
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平成25年度 北方四島交流訪問事業(教育関係者・青少年)の報告11回目です。
個人的な見解や誤解も含まれるかもしれませんので、引用にはご注意ください。
今日は、意見交換会 その1 です。
8月3日(土)13時から15時の2時間、穴澗初等中等学校において、穴澗初等中等学校の先生方とわれわれ訪問団員とが意見交換を行いました。
2グループに分かれた、その第2グループの様子を紹介します。今回はその1回目。
〈参加者〉
島 側
オレイニコワ教頭、ダネリアさん、ノリチェバさん(途中まで)、マルチェンコさん(途中から)
訪問団側
高橋由紀子通訳、岩佐貴美子副団長、団員13人(第2グループ)
〈 内 容 〉
副団長:今回訪問させていただくことになった私たち教育関係者が、ロシアの教育に携わっておられる方々といろいろ情報をいただく機会を取っていただき、ありがたく思っている。それぞれの国の間では教育の事情も違うと思うが、私たちに教えていただき、相互の理解を図っていきたい。それでは事前に考えてきたのでお尋ねしたい。
教頭:時期が悪く休み中で残っている人は4人しかいないが、可能な限りお答えしたい。
副団長:私たちはほとんどが社会科教師で小、中、高校の教師がいる。参加された先生はどうか。
ダネリア:5年生から11年生の社会科を教えているが、基本は英語。2年生から11年生の生活安全も教えている。
教頭:生物と化学を教えるが、現在は8年生から11年生の化学だけ教えている。
ノリチェバ:体育を週3時間、全ての学年を教えている。バスケとバレーの部活動もやっている。
※ 部活動があるというのは驚きでした。確かに、この人口ではスポーツクラブは難しいでしょう。その機能を学校の先生が担っているとしたら、日本と同じです。親しみがわいてきました。
団員:それでは、はじめに本田圭佑選手(ロシア・プレミアリーグ・CSKAモスクワ所属)を知っているか。
ノリチェバ:知っている。子ども達はサッカーをやっているが、専門の先生もおり、本田選手のことはよく知っている。
団員:スーパーリーグの話には関心があるか。
ノリチェバ:スポーツチャンネルがあり、子どもは好き。カザンではユニバーシアードもあった。テレビを見ては、チームの勝利を喜んでいた。ユニバーシアードカザン大会では、ロシアがメダルの第1位だった。
【ノリチェバ先生】
ダネリア:日本では、カザンでユニバーシアードであったことは知っているか。日本も出ていたが。
団員:知らなかった。今回は世界水泳ばかり見ていた。シンクロはロシアが強い。日本の選手がモスクワで活躍しているのをどう感じるか。
ノリチェバ:悪くない。
団員:色丹の子ども達が日本に来てやることはないか。
ノリチェバ:今のところはない。ロシアにもよい大学があるので。
団員:朝、船から下りたとき、京都に来たことがあると聞いた。また来てほしい。
ダネリア:その招待をぜひお受けしたい
団員:修学旅行で京都に来ることはあるか。
ダネリア:島であり、文化的な都市からは離れているので、修学旅行に行くことは難しい。
実際には、子ども達は、夏休みを利用して両親と一緒に本土やヨーロッパ、極東へ親戚を訪ねるので、夏の修学旅行の実施は難しい。
夏休みには姪が帰ってきたが、この休みを利用して筏に乗ることなどを体験してきた。本土の子は、サンクトペテルブルグなどの大都市を見ることはある。
ここの子ども達は、年に2回、本州のどこかの町と、1回は北海道に行く機会がある。だから修学旅行と同じだ。
【ダネリア先生】
団員:1回につきどれくらいの生徒が行くのか。また、学生の時代に、1回は日本に来るのか。
ダネリア:9人行く。国後島や択捉島は、人口に比例して多くの生徒を出す。また、一人1回に限らず、2回、3回と行くこともある。成績のよい子、日本語を勉強している子、芸術などの成績のよい子が行ける。
団員:京都で気に入った所はどこか。
ダネリア:個人的には神社仏閣の参拝が好き。子ども達も気に入ったのは金閣寺。京都にいるときは自由時間があったので、レンタサイクルで子ども達と回った。好きなように散策できてよかった。
本物の芸者(舞妓?)も見ることができた。芸者という文化があることは知っていたが、生で見ることができてラッキーだった。
団員:金閣寺の近くに住んでいるので、近くに来られたら声をかけてほしい。
副団長:ビザなし交流が、子ども達の世界を広げることに役に立っているか。
ダネリア:非常に大きな役目を果たしている。1990年代は、財政が苦しく、島から出られない子どもも多かった。近い国である日本に行けることは、日本に馴染むことができ、大学に行って日本語を勉強している子も出ている。そのうち一人は日本に住んで、ロシア語を教えている。子どもの時代に日本を見ると、日本を近い存在と見るようになる。
現在は島の経済状況がよくなり、本土に行く資金を持つことができるが、それでも、日本に対する興味は減っていない。喜んでビザなし交流を行っている。
続きます。
このブログでのシリーズ記事は・・・
平成25年度北方四島交流訪問事業 -古釜布湾-
-古釜布湾2-
-穴澗湾 船中研修 -
-穴澗桟橋上陸 -
-歓迎式 -
- 穴澗初等中等学校視察 その1-
- 穴澗初等中等学校視察 その2-
- 穴澗初等中等学校視察 その3-
- インペリアルでの昼食 -
- 交流行事アトラクション -
- 意見交換会 その1 -
- 意見交換会 その2 -
- 意見交換会 その3 -
- 図書館見学 -
- 色丹島穴澗発電所見学 -
- 8月3日の夕食 -
- 稲茂尻視察 -
- 稲茂尻墓地墓参 -
- 斜古丹墓地墓参 -
- ホームビジット -
- サッカー大会 -
- 穴澗商店視察 -
- 夕食交流会 -
- 別れ ~ 出航 -
- 根室へ -
- 根室市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター -
- 日本地図 -
- 出 発 前 -
このブログでの他のシリーズは・・・
さわやか中欧 見てある記 -1-
ベトナム・ホーチミン みてある記 -1-
タイ・バンコク 見てある記-1-
シェムリアップみてある記 -1-
香港に来ています
台湾レポート-1-
直接見聞きしたことをご覧ください。
少しでも北方四島についての理解につながれば幸いです。
※ この色で書いたものは、平成28年、平成30年に書き足したものです。
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平成25年度 北方四島交流訪問事業(教育関係者・青少年)の報告11回目です。
個人的な見解や誤解も含まれるかもしれませんので、引用にはご注意ください。
今日は、意見交換会 その1 です。
8月3日(土)13時から15時の2時間、穴澗初等中等学校において、穴澗初等中等学校の先生方とわれわれ訪問団員とが意見交換を行いました。
2グループに分かれた、その第2グループの様子を紹介します。今回はその1回目。
〈参加者〉
島 側
オレイニコワ教頭、ダネリアさん、ノリチェバさん(途中まで)、マルチェンコさん(途中から)
訪問団側
高橋由紀子通訳、岩佐貴美子副団長、団員13人(第2グループ)
〈 内 容 〉
副団長:今回訪問させていただくことになった私たち教育関係者が、ロシアの教育に携わっておられる方々といろいろ情報をいただく機会を取っていただき、ありがたく思っている。それぞれの国の間では教育の事情も違うと思うが、私たちに教えていただき、相互の理解を図っていきたい。それでは事前に考えてきたのでお尋ねしたい。
教頭:時期が悪く休み中で残っている人は4人しかいないが、可能な限りお答えしたい。
副団長:私たちはほとんどが社会科教師で小、中、高校の教師がいる。参加された先生はどうか。
ダネリア:5年生から11年生の社会科を教えているが、基本は英語。2年生から11年生の生活安全も教えている。
教頭:生物と化学を教えるが、現在は8年生から11年生の化学だけ教えている。
ノリチェバ:体育を週3時間、全ての学年を教えている。バスケとバレーの部活動もやっている。
※ 部活動があるというのは驚きでした。確かに、この人口ではスポーツクラブは難しいでしょう。その機能を学校の先生が担っているとしたら、日本と同じです。親しみがわいてきました。
団員:それでは、はじめに本田圭佑選手(ロシア・プレミアリーグ・CSKAモスクワ所属)を知っているか。
ノリチェバ:知っている。子ども達はサッカーをやっているが、専門の先生もおり、本田選手のことはよく知っている。
団員:スーパーリーグの話には関心があるか。
ノリチェバ:スポーツチャンネルがあり、子どもは好き。カザンではユニバーシアードもあった。テレビを見ては、チームの勝利を喜んでいた。ユニバーシアードカザン大会では、ロシアがメダルの第1位だった。
【ノリチェバ先生】
ダネリア:日本では、カザンでユニバーシアードであったことは知っているか。日本も出ていたが。
団員:知らなかった。今回は世界水泳ばかり見ていた。シンクロはロシアが強い。日本の選手がモスクワで活躍しているのをどう感じるか。
ノリチェバ:悪くない。
団員:色丹の子ども達が日本に来てやることはないか。
ノリチェバ:今のところはない。ロシアにもよい大学があるので。
団員:朝、船から下りたとき、京都に来たことがあると聞いた。また来てほしい。
ダネリア:その招待をぜひお受けしたい
団員:修学旅行で京都に来ることはあるか。
ダネリア:島であり、文化的な都市からは離れているので、修学旅行に行くことは難しい。
実際には、子ども達は、夏休みを利用して両親と一緒に本土やヨーロッパ、極東へ親戚を訪ねるので、夏の修学旅行の実施は難しい。
夏休みには姪が帰ってきたが、この休みを利用して筏に乗ることなどを体験してきた。本土の子は、サンクトペテルブルグなどの大都市を見ることはある。
ここの子ども達は、年に2回、本州のどこかの町と、1回は北海道に行く機会がある。だから修学旅行と同じだ。
【ダネリア先生】
団員:1回につきどれくらいの生徒が行くのか。また、学生の時代に、1回は日本に来るのか。
ダネリア:9人行く。国後島や択捉島は、人口に比例して多くの生徒を出す。また、一人1回に限らず、2回、3回と行くこともある。成績のよい子、日本語を勉強している子、芸術などの成績のよい子が行ける。
団員:京都で気に入った所はどこか。
ダネリア:個人的には神社仏閣の参拝が好き。子ども達も気に入ったのは金閣寺。京都にいるときは自由時間があったので、レンタサイクルで子ども達と回った。好きなように散策できてよかった。
本物の芸者(舞妓?)も見ることができた。芸者という文化があることは知っていたが、生で見ることができてラッキーだった。
団員:金閣寺の近くに住んでいるので、近くに来られたら声をかけてほしい。
副団長:ビザなし交流が、子ども達の世界を広げることに役に立っているか。
ダネリア:非常に大きな役目を果たしている。1990年代は、財政が苦しく、島から出られない子どもも多かった。近い国である日本に行けることは、日本に馴染むことができ、大学に行って日本語を勉強している子も出ている。そのうち一人は日本に住んで、ロシア語を教えている。子どもの時代に日本を見ると、日本を近い存在と見るようになる。
現在は島の経済状況がよくなり、本土に行く資金を持つことができるが、それでも、日本に対する興味は減っていない。喜んでビザなし交流を行っている。
続きます。
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-古釜布湾2-
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- 穴澗初等中等学校視察 その2-
- 穴澗初等中等学校視察 その3-
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- 交流行事アトラクション -
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- 意見交換会 その2 -
- 意見交換会 その3 -
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- 色丹島穴澗発電所見学 -
- 8月3日の夕食 -
- 稲茂尻視察 -
- 稲茂尻墓地墓参 -
- 斜古丹墓地墓参 -
- ホームビジット -
- サッカー大会 -
- 穴澗商店視察 -
- 夕食交流会 -
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