FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

「新宿鮫・無間人形」から見ル今の芸能界

2009-08-08 18:36:08 | 日記
直木賞受賞の大沢在昌のこの作品は薬物にハマッていく

人間の姿を克明に描いている。

はじめは興味本位から・・・これぐらいの量なら自分のコントロール

範囲内だという微量から入っていき・・自分の気持ちをいい方へと納得させて

いき少しずつその量と回数が増えてく・・・気が付いた時には無しでは

いられない状態になっている。中毒だ。

入り込みやすさ、手を出しやすくしている核心の一つが、「ネーミング」だ。

アイスキャンディー。違法な臭いがしない名前が決定的だ。

あと見た目だろう。その名のとおり綺麗なキャンディーのようなカラフルでおしゃ

れな錠剤だ。罪悪感のかけらも見えない精巧さ。

でも、その実態は「覚醒剤」だ。

「使う」ことがファッションのように感じられ、明るいイメージを出しつつその肉

体に及ぼす悪影響をオブラートにしっかり包んで浸透させる。

そして莫大な金や利権が動く。

金の臭いのするところに暴力団が動く。やがて新宿鮫が深淵から泳ぎだす。

小説は鮫島が解決してくれるが、現実の世界はそうはいかない・・。

MDMA。やっぱりその名前がオブラートになっていることを感じる。

人間の欲望・欲求は無限だ。

征服欲や快楽追求etc・・・・。欲は尽きることをしらない。

自制心は人一倍強い、チョットだけなら大丈夫。

オレって、色んな世界を知ってるんだぜ。子どもっぽい虚栄心から深みへ。

芸能界。売れない鳴かず飛ばず状態の苦しさからの気持ちの紛らわし。

忘れてしまいたい現実。逃げたい現実。

「それ」が効いている時は、気持ち良く規格外のハイな気分。幻想。

効き目が切れたら、なにも状況は変わっていないことの空虚感。

そして「それ」がないと、どうにもならない依存体質に直面。

もう蟻地獄から抜けることはできない。

それでも応援してくれた周りの人々を裏切り、家族崩壊、復帰不可能。

巻き込むもの、失うものの大きさは限りない。

どんなにその入口が、気軽なものや華やかなものでも

その行き着く先には、「人間やめますか?」が待っている。

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