FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

「子連れ狼」劇場版/テレビ版 そして自我。

2017-04-22 21:15:51 | 日記
昭和42年生まれの俺は、アナログテレビの4チャンネルに釘付けだった。


小学1年生。

両親ともに仕事で留守がち。

そう、オレは鍵っ子。カギッコ。

でも、それが今の俺の人格形成を担っている。


鍵っ子で良かった。

そしてうちにテレビがあって良かった。両親に感謝。

午後3時か主婦向けのワイドショー。

そして4時からは、ゴールデンタイムに放送していた人気番組の再放送だ。

その再放送で初めて観たのが萬屋錦之介版「子連れ狼」。


はまったよ。


バイオレンス&エロ。

そしてなによりも、親と子の、シビアでリアルで荒唐無稽の絆の…悲しい、切ない、物語。

これを6~7歳のいち少年が見ちゃったのだ。

そしてキチガイ寸前の少年のオレを見て、たまりかねたのか自分が好きだからなのか

私の父親が少ない休みを利用して私を映画館へ連れて行ってくれたのだ。

全6部のうちの何作品かは分かりませんが、若山富三郎版「子連れ狼」をどこかの都心の映画館で見せてくれたのです。


それに対しては、父にものすごく感謝している。

もの凄く威圧的で、鉄壁の論理構成で、馬鹿な長男を押しつぶすような印象のあなたに、これだけは感謝します。

ありがとう。お父さん。劇場版「子連れ狼」に連れて行ってくれて。

だから、おれは小説家になりたかったし、映画監督になりたかったし、画家になりたかったんだよ。


それは、あなたには死ぬまで言いませんでしたけど。

僕はそういう夢を持っていたんでしたよ。

僕にも、些細で儚いゆめが、叶わぬ夢が、あったんでしたよ。



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