一所懸命
あなたの額の
汗の粒
真っ赤な
鮮やかな
表情に
また身振り手振りの
繰り返し
まるで溺れそうな少年
ウレシイの
もっと もっと 必死に
続けて
とび切りの その場しのぎの取り繕い
こんなに 私の為にしてくれた
切羽詰って 頑張ってる
また好きになれるかもしれないね
だから
もっと上手にウソついて
工夫に工夫を重ねるもの
まだ迷ってる
今は許してあげられない
それじゃ足りないの
底の抜けた、毛羽だらけの、
古い、
ワイン袋は、
捨てた。
新鮮な、
葡萄酒を、
出来るだけ、
空気に触れさせず、
新しい袋に、
注ぎ込む。
さよなら、
ありがとう、
おつかれさま、
手放さなかった、
袋へ。
月が好き。
太陽のように、
自分で光ることのできない、
月が好き。
太陽のように、
表も裏も輝いている、
嘘偽りのない存在より、
後ろは真っ暗、表は光り輝いている、
月が好き。
自分自身を見ている様だから、
やっぱり、
月が好き。
仕事の中に、ある。
孤独の中に、ある。
決別の中に、ある。
夜中の闇に、ある。
寒さの中に、ある。
データの中に、ある。
思い出の中に、ある。
家族の中に、ある。
凍てつく街中に、ある。
深夜の立ち食いソバ屋に、ある。
ブラウン管の中にも、ある。
掃除機の奥にも、ある。
枯れた庭にも、ある。
泣きぬれた私の( )にも、ある。
ある。
ある。