FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

朝一番、田舎の図書館

2020-02-17 11:44:12 | 雑感等々
二十数年前。
担当エリアへ営業車で出掛けて朝一番その町の図書館へ直行していた。
新卒で入社したブラック&グレー会社では先輩と顧客の取り合いで喧嘩するやら上司ににも
目をつけられるやらでいつ辞表を叩きつけてやろうと燻った毎日だった。
取引先の訪問もやる気なくし朝から図書館へ行って時間を潰していた。
田舎の公共施設って本当に立派なものが多くて図書館も例外じゃなかった。
築浅で綺麗な本も沢山揃っていた。
ただ…利用している人たちが数人のお年寄りばかりでとても静かな空間だ。
新聞開きながら寝ているお爺ちゃんをよく見たかけた。時間と空気が止まっていた。
もう既に過疎化が進んでいるのか子供たちの姿もゼロ。
多目的ルームというか自習している人ゼロの自習室で辞表を書いた。
営業所にはでたらめな日報を書いていつも図書館通い。どうでもイイと思った。気持ちはとっくに辞めていた。
辞表を提出した日から引き継ぎも含めて顧客挨拶回りの時にとても残念がってくれた人が幾人かいてくれ申し訳なさと有り難さの入り混じった気持にさせられた。
三十歳手前で無職になるのは気楽だった。
甘ちゃんでも若さゆえ根拠なき自信にも溢れていた。
この会社以外の仕事ならなんだってやってやると開き直っていた。
独立して会社を起こしたいとも思わない。結婚し家庭を作りたいとも思わない。
もう人間関係にウンザリし全てをリセットしたいと熱望していた。
前向きな辞め方じゃなかった。
こういう時人間は落ちるところまで落ちるのと次の展開を掴んでいくのとに分かれるのではないだろうか。
一応無事にこうやって生きてるのも誰かのお陰なのだ。
その誰かを忘れないでいること。
なにかに助けられて生かされていること。

わきまえているつもりだが時々こうやって思い起こしたい。



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