それが普通だから。
ひとり、震えて夜をやりすごす。
温かい言葉もいらない。
毛布も要らない。
五月の冷たい風に打たれて。
それがあまりにも相応しすぎて。
華やかだけが人生じゃない。
喜びだけが幸福じゃない。
生みの苦しみの喜びがそこに。
苦しみよこんにちは。
悲しみよよろしくね。
自分に似合う言葉探しをあきらめないで。
いつか、お別れが来ると。
そんな予感を孕ませ。
誰でもない、私とあなただけが分かっていた。
でも、一人だけなんてズルいよ。
私はこれからも続く。最終章ではないのに。
でも受け入れるよ。それしかないから。
涙は要らない。
ここでは見せない。
誰からもらったの。
優しさは、鮮明にいまでも。
それは、他の人らには分からない。
今は泣かない。
涙は見せない。
あなたはわたしを置いて行ってしまった。
だから私は歌うよ。今日も酒と涙を誤魔化して。
さよならはまだ。
まだだよ。