夜中の10時ごろ静まった室内でYouTubeにハマって見ていたものが、
1987、88年ごろのCM。
その当時のコマーシャルを見ると、当時の記憶がハッキリと思い出されるのが何とも言えない気分にさせてくれる。
しかし、フッと怖い気持ちになった。
S・キングの「シャイニング」そのままだと。
主人公のジャックはまったく売れない小説家。
生活費の為コロラド州リゾート地で豪雪期間中閉鎖ホテルで建物が傷まないよう泊り込みでメンテナンスをするバイトにありつく。
まぁ、みんな知っての通り幽霊屋敷。
前回泊り込みバイトした家族はどうなったかというと、化け物らに憑りつかれてしまった親父が妻と双子の娘を惨殺したといういわくつきホテル。
大事故物件。
S・キューブリックは全削除したが、小説ではこのジャック親父が夜な夜な小説も書かずに(というか書けずに)ホテルの屋根裏倉庫に入り浸っていたとこが面白いし怖い。
ほとんど「開かずの間」の倉庫には1950年代全盛期のホテルの記録書式や写真がテンコ盛りに保管されていてそれにハマっていた。今で言う、沼っていた。
新作を仕上げるという、「苦しい現実」から逃避するために幽霊屋敷の化け物部屋に入り浸ると。
幻想の懐古趣味侵されて邪鬼に憑りつかれてしまう。
懐かしさは、危うい。
今というところに向き合えなくなってしまう病気になってしまう。
過去には戻りたくないけども、「いまそこにある現実」からも逃げ出したい気持ちも立ちふさがる。
逃げてばかりいても解決しない。
やはり内なる自分を観ないと、進められない。
過去の亡霊は甘い香り。
危険な香り。
年に何度かこういう夜がやってくる。