とうとう読んだ。
30年ぶり。実に。
何度も読み始めては途中で放り投げてはの繰り返し。遠ざかってた作家だった。
この作家がなんと直木賞をこの前受賞したと知って少し驚いた。
本屋さんでは佐藤正午コーナーが特設され始めたのでこの受賞作と「永遠の1/2」を購入。
まずは挫折していたこの本からとりかかる。
結果。
面白くて止められないくらいでした。
レイモンド・チャンドラー好きの作者らしく名セリフや文体も良く気持ちよく読めた…
のですが、この主人公がなんとも言えんダメ男っぷり。
これが大学時代何度も読み始めては放り出した理由なんだなと合点した。
大学進学せずに役所で働いたのがつかの間上司ともめてやめて失業手当をもらいながら
競輪やパチンコ、麻雀とギャンブルに明け暮れる日々を過ごすのだ。
そして一向に20勝挙げられるどころか結果の出せていない、ジャイアンツの江川に賭けつづけるダメな主人公・田村。
その間にサウナでナンパしたバツイチの出戻りの女・良子30歳とだらだら体だけの関係を続けていく。
そんなダメ男に瓜二つの男がどうも同じ町・西海市にいてその男に間違われて酷い目に遭うというはなし…(-_-;)。
体だけの相手されて仕事に就く気もない主人公・田村宏に散々泣かされて別れ話をもっていくと
無理やり押し倒されて…みたいな展開に読みながら「バカか!田村っ!」とついつい怒りながらもページが止まらない。
田村と瓜二つの男・野村修治がこれまた女をたぶらかして勤め先の店のお金を持ち逃げしてしまったりする。
主人公・田村は人違いされ男たちにボコボコにされたりと酷い目にあう。
高校生を妊娠させてしまったりとこの瓜二つの野村もロクなもんじゃない…。
どっちつかずのハッキリしない田村宏が悪いのに疲れてしまった良子に泣かれていったセリフが「ぼくだって布団かぶって
泣きたいよ」…だって(+_+)
とにかくこの田村宏と野村修治に関わってしまった人間は結構不幸な目にあっている。
そうか!これは厄病神の二人(陰と陽)とその周辺の不幸になった人間の物語なのか!…か?…?そうなのか?
このダメ田村が放つネガティブワードがまたイイ!?
「…その些細なことを大切に、おっくがらずに、こなしていくことが僕らの人生ではないのだろうか。」
そう言うお前は、仕事にもつかず競輪に通って、オレってついてる!なんて場合じゃなかろうよっ!
まだまだあるよ
「沈黙した女は秒刻みでずるくなる。」
…って、定職にも就こうとせず一生懸命職業安定所(ハローワーク)に通っている彼女に対して逆切れして
君だってずい分選んでいるじゃないか就職するつもりもなく通って安心してるだけだろう?みたいなことを
言う。サイテーな奴だ。
まだまだあるよ
気分悪くなるから抜き書きもやめます。
こんな感じ。全てが。
でも、
でも、
何ででしょう?最後まで一気読み。
そう。
そうです。最後にこの田村宏と野村修治の合いまみえるところがどうしても読みたいからなのです。
この厄病神の二人が最後出遭うとき。
何かが起こるのか?新たな展開が生まれるのか?
今まで田村のダメっぷりは伏線だったのか?
感想だけ申し上げます。
なんだよォ~!そんだけ?え?そんだけェ~!?
最良の小説とは。
独断と偏見だが。
やっぱり、主人公らを取り巻く「脇役たち」がどれだけ描きこまれているかなんだ、なと。
田村宏「知らないこということは多分幸福なことなんのだ。何も聞かず何も見ずに生きていけたら、どんなに気が楽だろう。」
…相も変わらず、一貫して(良く言えば)こんなセリフを吐きながら最後まで生きていくダメ男・田村宏を取り巻いている
脇役たちが生き生きと描かれているからなんだ、なと。
厄病神②の野村修治に店の売上金を持ち逃げされた藤田やたぶらかされてというか惚れて?同棲ていた女が一緒に逃避行して逃げられた久保。
これまた野村の子供をした事故で足の悪い女子高生。
そして良子。
まだその脇役たちを取り巻く脇役がいいのだ。
そうだ!絶対に間違いない!
「ツキ」のことをことさら言う主人公・田村宏は間違いなく厄病神。
努力せず、ツキと運だけで生きていこうとする男とそれに振り回されて泣かされて怒り狂って疲弊して生きていく周りの人間の物語。
やっぱこれは厄病神の独白小説なのだ。
30年ぶり。実に。
何度も読み始めては途中で放り投げてはの繰り返し。遠ざかってた作家だった。
この作家がなんと直木賞をこの前受賞したと知って少し驚いた。
本屋さんでは佐藤正午コーナーが特設され始めたのでこの受賞作と「永遠の1/2」を購入。
まずは挫折していたこの本からとりかかる。
結果。
面白くて止められないくらいでした。
レイモンド・チャンドラー好きの作者らしく名セリフや文体も良く気持ちよく読めた…
のですが、この主人公がなんとも言えんダメ男っぷり。
これが大学時代何度も読み始めては放り出した理由なんだなと合点した。
大学進学せずに役所で働いたのがつかの間上司ともめてやめて失業手当をもらいながら
競輪やパチンコ、麻雀とギャンブルに明け暮れる日々を過ごすのだ。
そして一向に20勝挙げられるどころか結果の出せていない、ジャイアンツの江川に賭けつづけるダメな主人公・田村。
その間にサウナでナンパしたバツイチの出戻りの女・良子30歳とだらだら体だけの関係を続けていく。
そんなダメ男に瓜二つの男がどうも同じ町・西海市にいてその男に間違われて酷い目に遭うというはなし…(-_-;)。
体だけの相手されて仕事に就く気もない主人公・田村宏に散々泣かされて別れ話をもっていくと
無理やり押し倒されて…みたいな展開に読みながら「バカか!田村っ!」とついつい怒りながらもページが止まらない。
田村と瓜二つの男・野村修治がこれまた女をたぶらかして勤め先の店のお金を持ち逃げしてしまったりする。
主人公・田村は人違いされ男たちにボコボコにされたりと酷い目にあう。
高校生を妊娠させてしまったりとこの瓜二つの野村もロクなもんじゃない…。
どっちつかずのハッキリしない田村宏が悪いのに疲れてしまった良子に泣かれていったセリフが「ぼくだって布団かぶって
泣きたいよ」…だって(+_+)
とにかくこの田村宏と野村修治に関わってしまった人間は結構不幸な目にあっている。
そうか!これは厄病神の二人(陰と陽)とその周辺の不幸になった人間の物語なのか!…か?…?そうなのか?
このダメ田村が放つネガティブワードがまたイイ!?
「…その些細なことを大切に、おっくがらずに、こなしていくことが僕らの人生ではないのだろうか。」
そう言うお前は、仕事にもつかず競輪に通って、オレってついてる!なんて場合じゃなかろうよっ!
まだまだあるよ
「沈黙した女は秒刻みでずるくなる。」
…って、定職にも就こうとせず一生懸命職業安定所(ハローワーク)に通っている彼女に対して逆切れして
君だってずい分選んでいるじゃないか就職するつもりもなく通って安心してるだけだろう?みたいなことを
言う。サイテーな奴だ。
まだまだあるよ
気分悪くなるから抜き書きもやめます。
こんな感じ。全てが。
でも、
でも、
何ででしょう?最後まで一気読み。
そう。
そうです。最後にこの田村宏と野村修治の合いまみえるところがどうしても読みたいからなのです。
この厄病神の二人が最後出遭うとき。
何かが起こるのか?新たな展開が生まれるのか?
今まで田村のダメっぷりは伏線だったのか?
感想だけ申し上げます。
なんだよォ~!そんだけ?え?そんだけェ~!?
最良の小説とは。
独断と偏見だが。
やっぱり、主人公らを取り巻く「脇役たち」がどれだけ描きこまれているかなんだ、なと。
田村宏「知らないこということは多分幸福なことなんのだ。何も聞かず何も見ずに生きていけたら、どんなに気が楽だろう。」
…相も変わらず、一貫して(良く言えば)こんなセリフを吐きながら最後まで生きていくダメ男・田村宏を取り巻いている
脇役たちが生き生きと描かれているからなんだ、なと。
厄病神②の野村修治に店の売上金を持ち逃げされた藤田やたぶらかされてというか惚れて?同棲ていた女が一緒に逃避行して逃げられた久保。
これまた野村の子供をした事故で足の悪い女子高生。
そして良子。
まだその脇役たちを取り巻く脇役がいいのだ。
そうだ!絶対に間違いない!
「ツキ」のことをことさら言う主人公・田村宏は間違いなく厄病神。
努力せず、ツキと運だけで生きていこうとする男とそれに振り回されて泣かされて怒り狂って疲弊して生きていく周りの人間の物語。
やっぱこれは厄病神の独白小説なのだ。