ワンス・アポン・ア・タイム・イン多摩丘陵の山奥の寒村で…
一見ありきたりなド田舎の風景で少年のオレは爺ィに言った。
山々に囲まれた坊主の田園は大地の死を連想させると。
そしたら爺ィが静かに答えた。
ただ土をむき出している畑はお前には死んでいるように
見えるだろうが実は違う。作物を沢山実らせる為に散々使い尽くした大地の
エネルギーを再生させるための欠かせないリハビリをしているんだと。
つまり死ではなく生の回帰。
見た目と内実は真逆なこともある。
人間だって同じだ。
体はもとより心が疲れたらエネルギー再生に専念する。
土だって疲弊するんだ。
ましてや人間なんて。言わずもがなだ。