オレもお前も、アウトサイダー。
社会不適合者。
それでいい。
そのままでいい。
気にするな。
女なんか、あっちで遊ばせておけ。
オレとお前の、刺しの勝負だぜ。
分かり合えるのは、お前とだけだぜ。
だから、真剣勝負で。
本気で。
チャラチャラすんなよ。
お前の、男を見せろよ。
来い。この野郎。
なぜ歌があるのか。
なぜ絵があるのか。
芸術とは。
なぜ、街を出て山へ行く。海出る。
暗闇の中で映画を観る。
なぜお前はそれを求める。
それは
人間と人間の間に埋めようのない深い深い溝があるからだ。
あがいてあがいて埋めようがなくなってやがて終わりが来る。
理解しようと思うな。
見つけようと思うな。
あると思うな。
ただ受け入れよ。
底の見えない真っ黒な溝を覗き込め。
新聞ニュースやらで大騒ぎになっている事故というか事件。
いろいろ想像を巡らせることができる
あずかり知らない数千万円の金が突然振り込まれたらどうするのか。
夜コンビニで乱暴者の輩に絡まれたらどうするのか。
誰にも話さずひとりでひそかに考える。想像をめぐらす。
そうチョロッと考えたじゃなくて、心臓がドキドキするくらいになるまで。
世の中には真っ黒の大きな穴が口を開けているのだ。
お前なら一体どうするのか。
こんな一人遊びをやってると本当の自分自身が久しぶりに現れてくるのだ。
対岸の火事だとみんな思っているから批判したくなるし馬鹿にするのだ。
呆然と立ち尽くす以外ないのでは。
これを機にふつうのありきたりの人生から大転換図るのか。
ここで会ったが百年目にできるか。果たして。
普段見て見ぬふりしている本当の自分の姿を見るのだ。
若さ万歳のこの国では失笑されることやぶさかではないが。
オジサンが100mダッシュも出来ず。40代に買ったTシャツも着れなくなり。
腕相撲も連敗して。視力も落ち続けて。失うだけ失い続けて。
夢実現も秒読み段階かもしれない。いや、もう遅いかもしれない。
が。
でも。
絵は見るもの。本は読むもの。バイクは乗るもの。年はとるもの。
そこらの若造には出せない、唯一のモノ。
何に勝てるか。
哀愁だろ。
そこで笑う人は、生きてきてなにも手放せなかった人。
なにも失わなかった人。
か。
すでに失って無いことを未だ気づいていない人だ。
だから、かつて落としたものを見つかりもせずに拾いに行く。街へ。
分かっているくせに行く。哀愁の街へ。
夜風が冷たくて気持ちがいいよ。
今の時期が一番。
ほろ酔いでゆらゆらふらふらと。
楽しくオメデタイ脳みそでにやにや笑いながら。
しかし、夜の酒場は暴力沙汰トラブルの背中合わせ。
どこかで緊張感もないと。
海にだってサメはいる。山にだって熊がいる。
繁華街だって同じだ。
大人になったから自由だ。でも責任も伴う、
そのバランスの中で人生を楽しむ。
