令和5年8月9日水曜日「荒木和博のショートメッセージ」第1212号。
田中実さんと金田龍光さんのこと、そして石川正一郎内閣官房参与のヤジであらためてストックホルム合意のときの政府の決断に注目が集まっています。
私はあのとき2人を取り返すべきだったと思っていますが、これは簡単に割り切れる問題ではありません。
田中実さんと金田龍光さんについて
ストックホルム合意の時かその後なのかは分かりませんが、日本側に2人の生存情報と一時帰国の打診があったと、何年も経ってから報道され、斎木アジア太平洋州局長や古屋拉致担当大臣もそれを否定しませんでした。
この事について荒木和博さんは批判されています。
なぜ北朝鮮側からの帰国をさせてもいいとの打診を断ったのか。
断ったのは田中さんも金田さんも身寄りがないからだったのではないのか。
もしも横田めぐみさんなら断らなかったのではないか。
もしそうであれば田中さん達への差別なのではと。
そうです。
横田さんなら拉致問題の象徴的な存在ですし、ご両親も弟さん達も拉致問題解決に積極的に活動され、マスコミもそして世論もめぐみさんの帰国を待ちわびています。
もしも横田さんを返すと言ったなら日本政府は北朝鮮の打診を断っただろうか。。
そう私も思いました。
横田さんの帰国なら世論は盛り上がり、もしも北朝鮮に帰る約束だと本人が言っても家族も同級生もそして世論も北朝鮮に返さないでしょう。
しかし田中さんと金田さんなら待ち侘びる家族もいません。
だから世論もあまり盛り上がらず、盛り上がっても一時的なものになったと思うのです。
蓮池さん達5人が帰国した当時世論は盛り上がり、テレビのワイドショーは連日取り上げていました。
その事を北朝鮮は知っています。
田中さん達を返した場合と横田さんを返した場合。
どちらが北朝鮮に好都合なのか。。。
北朝鮮は日本の世論を恐れています。
蓮池さん達5人の帰国は一時帰国のつもりだった北朝鮮。
しかし世論の反発で日本に約束を破られた形の北朝鮮です。
それだけ北朝鮮は日本の世論を恐れているでしょう。
では日本政府は横田さんが帰国した場合
、他の被害者達を見捨てたでしょうか。
色々考えます。
田中さんと金田さんの帰国を断ったのはなぜなのか。
そしてそれは身寄りのない2人を差別したからなのか。。。
なぜなのか。。。。
その事を、断った理由を安倍さんに問いたいです。
そしてその判断は今でも正しかったのかと。
また横田めぐみさんなら帰国を断ったのかどうか。
断ったとして、その事が何年後かに報道されたなら?
きっと多くの国民は政府を猛批判したでしょう。
そう考えると田中さん達は身寄りがない故に一時帰国も出来なかったのかと思ったりします。
しかしその判断は良かったのか悪かったのかは難しいところです。
そしてそれは「たられば」の世界であり、批判するものでもないと思います。
批判する相手は北朝鮮であり、金正日であり金正恩です。
なんとか拉致被害者全員を助け出して欲しい。
そして北朝鮮の一般の人達には、飢えや厳しい締め付けや監視から逃れ自由な生活を送って欲しい。
その日が1日も早く訪れる事を願うばかりです。
参考:
石川参与のヤジについての質問状と回答⬇️