先日3月11日で金沢文庫で行われていた運慶展が終了しました。この運慶展は東京国立博物館 平成館で昨年の9月26日から11月26日まで開催されていたのに次ぐ催事です。多分もう暫らくは運慶展はないと思われ、金沢文庫まで観に行きました。金沢文庫は神奈川県立の博物館なので65歳以上のシニアは200円で入館できます。東京国立博物館の入場料が1600円と比べるとお得感があります。
さて今回のお目当ては大威徳明王坐像。国博にも展示されていたのですが、ほかの運慶仏が凄すぎてうっかり見落としそうになりました。というのもこの仏像は総高21.3cm、像高19.8cmしかありません。
この仏像は運慶の晩年の作で源頼家や源実朝の養育係を勤めた源氏大弐殿の発願で制作されたと言われています。本来なら六面六手六足で水牛の上に跨った姿で、中尊の大日如来像、脇侍の愛染明王像の三体あったはずですが、辛うじて今の姿で残されました。じっくり観るとまさに運慶作の逸品。小ぶりながら迫力があります。良いものを見せていただきました。