3月18日。久しぶりに名古屋に行き、熱田蓬莱軒の「ひつまぶし」(3,600円)を食べました。東京の蒸してから焼くやわらかい鰻も悪くはないのですが、この名古屋風の直焼きのカリカリした触感がたまりません。この蒲焼、殆どの鰻屋さんはうな丼かうな重で出すのですが、この「ひつまぶし」を考案した蓬莱軒の革新性には感服します。はじめはそのまま、二膳目は薬味をのせて、三膳目はお茶漬けで、最後は好きなようと、丁寧に食べ方の解説まで添えられています。これを食べたいがために全国からお客を集めるのですから凄いの一言です。たまたまこの日は日曜で混んでいたのかもしれませんが、正午前に行って14時からの席を確保できました。その間は店の外で待つこともできず、どこかで時間を潰すことになります。幸い熱田神宮まで歩いて15分位。有難く参拝させていただき店に戻りました。
この「ひつまぶし」は名古屋育ちの者にとってはソウルフードの一つ。あとは味噌煮込みうどんときしめん。お茶うけに納屋橋饅頭、きよめ餅、ちょっと贅沢に美濃忠か両口屋の和菓子あれば大いに満たされるという庶民的な食文化です。今回は熱田神宮の境内にあるきよめ茶屋できよめ餅をいただきました。
蓬莱軒は電話での予約は不可。行って店前にいる店員に名前を言わないと登録できません。電話予約ならドタキャンのリスクがありますが、面前で入店可能な時間を告げ、来店意思を確認するのですから、安全ですし、注文の品もほとんど「ひつまぶし」で時間の計算もしやすい。これぞ名古屋人の商売だと感心した次第。2時間の待ち時間も苦になりませんでした。