よっぽど居心地が良いのか、風邪が去ってくれない。
鼻水が泉のように湧き出ているので、歩きまわる時はテイッシュを置いてある場所への飛び石的な移動だ。
不思議なことにハグもチュッもしていないのに、ルンバへ感染したようで夫婦の会話はどちらも鼻声で内容がイマイチ伝わらない。
時々ゾクゾク、時々頭痛を感じるのだが元気なフリはできる。
風邪は誰かにうつしたら、自分は治ると云うことを聞いたことがある。
ルンバにうつったのだから、もしかしたら私は治るのかも知れないとT代さんに電話で伝えたら「そんなことはない」と軽く怒られた。
T代さんは、他人の旦那を借りるのでルンバに気を遣っているのだ。
話の中で「他人のモノは要らない」と頑なに拒むが、「モノ」と云うのはジェームスのことだろう。
「モノ」扱いされたジェームスに対し、失礼で可哀相だと云うことにT代さんは気が付いていない。
私にとってジェームスは一心同体で、親友であり仲間でもあるのにだ。
それに「要らない」と云われたからといって、取り外しはできない。
私が行く所へはジェームスも付いてくるのだ。
でも考えてみたら運転で疲れる上にジェームスにまで働けと云われなくてヨカッタとは思うのだ。
それが少し物足りない気はするが、彼女の優しさでもある。