せっかくイオンの近くを通るので「銀だこ」のたこ焼きを買っていこうと思った。
ルンバも買物をするそうだ。
いつもとは逆側から駐車場へ入ったので、慎重に車を進めて駐車場所を決めた。
ルンバとは入口で別れ、先に用事を済ませた方が車の中で待つ約束をした。
私が目指すのは「銀だこ」のみ。ポイントカードを握りしめて店内を一直線に進むのだが、鮮やかな色の「何か」に視線を奪われた。
テナントで入っている女性用の鮮やかな下着が並ぶ店の前で、一瞬だが「銀だこ」のことを忘れた。
思うのは、何故あんなに艶やかで透け透けなのだろうかと云う事だ。
堂々と買う人がいるのだろうか。
婆パンツしか見たことの無い私は、気になって仕方がないが、そこはしっかり耐えてエロを封印し無関心を装って「銀だこ」を目指す。
いつもとは違う入口から入ったので方向感覚が狂っているようだ。
色々な店が違う方向にある。
脳みその中で地図を90度回転させ何とか「たこ焼き」を手に入れ無事にポイントも押してもらい店内を戻る。
透け透け下着の横を通れば出口が近いはずだが、通路を一本間違ったのか下着店が無い。
何とか出口を見つけて外へ出たのだけれど景色が違う。自分の車の場所が分からない。
脳の中で90度方向を変えたのを忘れたのだ。
決断は早い。
もう一度透け透け下着の売り場を探せば良いのだ。
でも「透け透け下着の店は何処?」とは訊けないので自分で探す。
道に迷ってはいるけれど、少し楽しい。
その店を無事に探し当てて90度方向転換。
車に戻って「透け透け下着の店で方向を間違えた」とルンバに云ったら
「嫌らしい顔して眺めているからだ」と怒られた。
既に書いたけれど、私は嫌らしい顔して眺めてはいない。
見ないように無関心を装って最大限の努力をして見事に戻ったのだ。
その証拠に手には「銀だこ」の袋がしっかり握られている。
透けパンは1枚も買っていないし被ってもいない。