病院の検査予約日だ。
と云っても今日は尿を調べるだけなのだが、院内感染が叫ばれているので行くのが怖い。
予約時間に関係なく早く行けばチョイチョイと先に診てくれるかも知れないと思い、始業前に行って自動受付機で予約番号を受取り受診科へ。
待合室に沢山座っていることが普通なのに患者がいつもの半分以下。
スカスカのガラガラで、接触を避けるために周りに人がいない場所を確保できた。
診察開始時間にはまだ間があるのに、まずいことにオチッコがしたくなってきた。
今出してしまうと、「お小水を取って下さい」と検尿カップを渡された時に出ないとヤバイので、ジッと耐える。
「半分だけ出して、検査用に途中で止めようか」とも考えたのだが、全部出してしまいそうなのでその考えを退けた。
我慢していると、少し離れた所に座っているオッチャンも同じ状態なのか足を小刻みに震わせていた。
診察開始時間のチャイムが鳴ると、事務員や看護師さんが全員待合室の廊下に出てきて整列し「おはようございます」の挨拶。
私も挨拶を返したものの、そんなことはどうでも良いから「早く番号を呼んでくれぇ」と思いながら服の上からジェームスをギュッと握った。