Takの山行記録とバイオリンとかAIとか

山行記録に加えて必死に練習中のバイオリン、必死に勉強中のAIについて

鳥海山

2013-08-16 14:51:45 | 日記

今年、母親が喜寿を迎え、お盆には兄弟家族がうちそろい、地元秋田でお祝いする運びと相成りました。そうなると、わが故郷、秋田の山に登らずにはいられないではないか!秋田の山、といえば、秋田県と山形県の県境に、「鳥海山(ちょうかいさん:2,236m)」があります。東北で2番目の高さで、日本百名山にも入っている秀峰ですが、自分はと言えば、子供のころからまるっきり縁がなく、その麓にさえも近寄ったことが無いのでした。今回は、迷わず、鳥海山!

ちなみに、鳥海山は、秋田、山形の県境に位置しますが、頂上部分は何故か、ざっくりと山形県側に切り取られています。かつて、庄内藩との抗争に破れた矢島藩が、召しあげられたのがそのまま尾を引いているそうです。余談ですが、秋田はどうもPRが下手なのか、県境にある名所は他県にとられる傾向が見られます。十和田湖と言えば、青森県にあるとおっしゃる方が多いですが、どっこい、半分は秋田県。そのうち、白神山地も青森県・・なんてことにならないようにお願いしますよ!

しょっぱなから話が脱線しましたが、猛暑の東京を後にして、8月13日夕刻、秋田空港から由利本荘市の湯の沢温泉に向かいます。ここで1泊して、明朝、山頂を目指します。天気は安定しており、明日の快晴が期待されます。

山麓から望む鳥海山北面。この山は、見る方角により山容を変える。

8月14日5時。今日も快晴だぁ~!

鳥海山は、山頂に大物忌神社があるように、古来より、山岳信仰の対象であり、修験者が引きも切らさぬほど押しかけた時期もあるだけに、登山道はいくつも切り開かれています。東西南北メジャーなもので5ルートありますが、今回は、秋田県側、北から登る矢島口コースとしました。標高1,180mの祓川駐車場から七ツ釜避難小屋経由、康新道を登り、下りは大雪渓を滑り降りる永ノ薬師経由のルートです。

5:00駐車場スタート。まずは竜が原湿原の木道を通って登山道へ。鳥海山には「七高山(しちこうさん:2,229m)」と、「新山(しんざん:2,236m)」の2つのピークがある。南北の方角からは、この2つのピークが見える。

6合目賽ノ河原、7合目御田には大きな雪渓が残る。雪渓下の渓流には、水芭蕉が。ここでは、春、夏が同居しているようだ。

御田を過ぎてしばらく登ると、康新道と、永ノ薬師経由の本道との分岐。登りは、最も西寄りで、「稲倉岳(いなくらだけ:1,554m)」との間に広がる大カールの縁を辿る、康新道を登る。西方向は言うまでもなく、日本海が広がる。登山道は、花畑の中を縫うように進む。

西側の大カールは、写真ではそのすごさが伝わらない。縁から眺めると、怖~いくらい急峻で、深くえぐれている。この辺りから、自分は実は高所恐怖症であることに、否応なく気づかされる。高いところが怖いわけではないが、切り立った崖の上や、はるか遠くに下が見える(?)ような状況が怖い、のだ。そんなんで、よう山登りますな~

8:15山頂(七高山)。もともとの山頂だが、1801年の噴火により、2つ目のピーク、新山が成立。2,236mと7m抜かれてしまった。七高山から見る新山は、雪渓の向こうに急峻で岩だらけの山容を見せる。当然、これから向かうわけだが、なんとなく、足がすくみそう・・。あまり行きたくないが、誰かさんに怒られそうなのでいく。

ごつごつと切り立っている新山は西方向、これとは対照的に、東から南にかけては、なだらなでおおらかな東北の山らしい景観がみられる。

新山山頂からのパノラマ画像。南から西方面。新山は、全体が溶岩がぱりぱりと四角く割れたような岩でびっしり覆われている。ジャングルジムの様な岩山をよじ登れば、8畳間程度のささやかな山頂。西側は、全くらいなほど、切り立っており、あまり長居はしたくないので、早々に退散。

下りは、大雪渓を滑り降りるコース。調子に乗るとトラバース箇所を見落として最下部まで行ってしまいます!それでも藪を漕いで隣の雪渓へ乗り継ぎさらに下へ。晴れていても、人のいない雪渓ではルートを見失いがちで、ガスっていたらどうするんですかね?はれているときに限り、双眼鏡があると、目標物を発見するのに便利かもしれない。今回は、かろうじて人が遠くに見えたので、方向が分かったものの、肉眼では赤いテープも白いペンキも見えませんでした。

七ツ釜の滝。ここで元の道に合流する。

雪渓下は、まさに雪国の春。一瞬ですが、子供のころの雪解けのにおいがした(これ本当)。

8月の鳥海山北面は、残雪のほか、たくさんの花が見られます。画像をどうぞ。

 

12:00祓川駐車場着。

合計7時間、標高差1,056m。素晴らしい天気と絶景でした。独立峰ゆえに、連なる山並はありませんでしたが、東北の山らしく、広大な山域に感動いたしました。写真で、それが伝わればうれしい限りです。

おまけ:

これは、秋田駒ケ岳の画像です。おばあちゃんのお祝いをこの山麓の旅館で開催したので、ご紹介します。Takは、子供のころ、何度かこの山に登りました。昔から怖がりだったので、硫黄が吹き出る地獄谷の上を登っていくルートがとても怖くて泣きだしたのを覚えています。後日、大人になってからその場所をわざわざ見に行ったものです。あまりの大したこと無さに唖然としたものでした。また、写真でも見えますが、山麓には田沢湖高原スキー場がびしっとございます。このスキー場も、毎年連れてこられて泣きながらスキーをさせられた場所です。思えばその昔のスキー靴は革製で、雪が入ってとても冷たく、手袋も、ゴアテックスどころか毛糸の手編みと来てますから、寒いは怖いは冷たいわ、で、大変な思いをしたものでした。それが今や、こんな大人になってしまいました。さて、この駒ケ岳、東には岩手山、北には乳頭山、八幡平と、素晴らしい縦走路がつながります。東北の山を実感できる良いコースです。(八幡平への縦走路は、恐らく消滅しているものと思いますが)機会があれば、また是非来よう、と思います。

秋田良いとこ、温泉三昧~。皆様、暑さ対策にはぬかりなく。

 

 

 


爺ケ岳~布引岳(北アルプス)

2013-08-10 21:06:20 | 日記

8月第一週は、会社関係者と年に一度の大登山会です。今回は、総勢28名で、北アルプスの鹿島槍ヶ岳を目指します。8月2日深夜、新宿西口から夜行バスを借り切り、一路信濃大町は扇沢を目指します。今回のコースは、扇沢から、柏原新道を登り、種池山荘経由、「爺ケ岳(じじがたけ:2,670m)」経由、冷水山荘(つべたいけさんそう)で一泊、翌日、「布引岳(ぬのびきだけ:2,683m)」経由、「鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ:2,889m)」を登り、冷池山荘まで戻り、赤岩尾根を下り、大谷原(おおたんばら)に出るコースです。このコースは、後立山連峰の盟主に登る大変人気のコースで、通常は、山小屋2泊コースとなっており、大勢の割には少し強行軍であったことが、あとからわかりました。Takが北アルプスに登るのは、実に30年振りのことです。30年前に、先輩と白馬岳から五竜岳に縦走したのが最後でした。久しぶりの北アルプスに、期待に胸が高鳴ります。

8月3日5:00AM。赤沢岳(?)がはっきり見通せ、バスでほとんど眠れていないにもかかわらず、気分が盛り上がります!

まだ全員が元気な出発前。

スタート地点がすでに1,300mですから、今日の単純標高差は、爺ケ岳の約1,300m。

2時間ほど登ると、視界が広がり、後立山連峰南部の赤沢岳、針ノ木岳が見えてきます。標高2,000mあたりまではガスがかかり、雲海の上に頭を出す山々がとても印象的でした。

種池山荘手前のお花畑。

柏原新道をのぼりつめれば、後立山連峰の縦走路に出、その合流地点に種池山荘があります。標高約2,500mの縦走路に出れば、立山連山と剣岳の威容が姿を現わします。

北の方角は雲に覆われて見通しが利きませんが、かろうじて、明日目指す、「鹿島槍ヶ岳」の山頂付近が遠望できました。実は、これが鹿島槍の見納めでした。

後は、立山と剣ですぞ!

こちらは、これから向かう「爺ケ岳」方面。

種池山荘で1時間の休憩後、「爺ケ岳」に向かう途中に後ろを振り返れば、「赤沢岳」、「針ノ木岳」の手前に種池山荘と、元気な若者たち。

「剣岳」東斜面遠望。この日は、最後まで、ガスがまとわりついて、クリーンな画像はとれませんでした。

立山連峰のその奥、南西方向には、あの「槍ヶ岳」の鋭い山頂が遠望できました。左には穂高もあると思われますが、ガスが邪魔。

「爺ケ岳」はもうすぐ。

剣岳に向かって「棒小屋沢」が流れ込んでいます。この先で、剣岳東斜面から流れ込む「剣沢」、黒部ダムから流れ込む黒部川が、一か所で合流し、「十字峡」という交差点を形成しています。ここは、いつか行ってみたい場所です。

今日お泊りの「冷池山荘」は、キレットの先。到着後、山荘の外で大宴会始まる。記憶はなくなるは、紫外線で肌は焦げるは、大変でした。

8月4日。冷池山荘からご来光。雲が多く、この一瞬でした。

「布引岳」経由、「鹿島槍ヶ岳」を目指しますが、2,500mから上は、ガスの中で、視界は全く効きません。布引山山頂で、引き返すことに決定。これは、あとから大正解の結果となりました。

下り、赤岩尾根から鹿島槍ヶ岳の鎌尾根を望む。山頂方面はガスの中。本来であれば、大迫力の急な岩盤が望めるそうです。

これも鎌尾根の、雪渓から雪渓へ流れ込む迫力の大滝。落差は150mくらいか?

午後1:30に全員無事、大谷原に到着。最後は、薬師の湯で、汗を流して乾杯!

 

今回は、男女合計28名、新入社員から最年長が55歳、登山はほとんどが初心者という構成でした。この、鹿島槍のコースは、初心者コースとはいえ、夜行バスの山小屋泊が一回と、結構な強行軍で、全員無事に帰還で来て本当に良かったです。実際には、故障者1名、ばてたのが1名出て、本人たちにはかなりの無理を強いました。また、悪天候で途中棄権しましたが、もし、強行していた場合、予定時間を3時間以上オーバーして、さらに故障者を出しかねない状況だったことも事実でした。前の週に、韓国人登山者が遭難したこともあり、無理をしなかったことが功奏しました。大勢の登山というのは、本当に大変です。今回、私はリーダーではありませんでしたが、大変勉強させてもらいました。

目的地にはいけませんでしたが、30年ぶりの北アルプスは、やっぱり良かったです!また行きます。