10月2日金曜夜、山梨交通南アルプス登山者バスで南アルプスに向かう。このバスは、金曜夜10時に新宿発、12時過ぎに、南アルプスの麓、芦安に到着。ここにある、天笑閣という日帰り温浴施設で4時まで仮眠、路線バスに乗り換え広河原まで連れて行ってくれるすぐれものだ。しかし、これを利用しないと、朝一番からの行動ができない。あいかわらず南アルプスは面倒くさい。今回は、百名山「甲斐駒ケ岳(2,967m)」を日帰りでピストンするコースだ。甲斐駒へは、いくつかルートあるが、日帰りできるのは北沢峠までバスで上がり、そこからのピストンだけだ(一般的には)。この北沢峠は、北東に甲斐駒ケ岳、南西に千丈が岳という位置にある、いわばコルの様な場所だ。ここまでは、広河原からさらに、南アルプス市が運航するバスに乗り換えていく。東京からはバス3台乗り継ぐことになる。天笑閣からのバスは、まず、芦安の市営駐車場で車で来た他山客をひろう。今日はえらく混んでいて、満員状態、芦安からの乗客は1時間半の道のりを立って過ごすこととなった。途中、さらに夜叉神の駐車場でも乗客を詰め込んだため、早朝から相当疲れたことと思う。夜叉神からの南アルプス林道には、一般車は入れない。登山者は基本、お風呂があって、駐車場の広い芦安に車を置いて、バスで移動することになるが、この状態では、登る前に疲弊してしまいそうだ。
3日朝4:50、芦安の天笑閣を出発。
広河原でバスを乗り継ぎ(このバスは全員座れるが、人数が多い場合には先行車が戻ってくるのを待たなくてはならない)北沢峠に無事到着。途中、名ガイドの運転手さんから説明を受ける。なかなか楽しい運転手さんで、良い天気でもあり、バス中盛り上がる。途中、北岳、農鳥岳、千丈、そして甲斐駒ケ岳の山頂がくっきりと見え、全員で盛り上がる。北沢峠を7:10に出発。しばらく紅葉の始まった美しい樹林帯を歩く。
8:20双子山(2,649m)到着。ここから甲斐駒ケ岳が見えるようになる。手前の紅葉の山は、駒津峯(2,740m)で早川尾根、仙水峠からの合流地点。南を向くと、日本第二の高峰、北岳がそびえたつ。今日のコースは、北沢峠~双子山~駒津峯~山頂。
双子山から一旦下り、登り返すと30分ほどで駒津峯山頂到着。ここではより視界が開ける。東南東方向には、鳳凰三山(左から薬師岳2,780m、観音岳2,841m、地蔵岳2,764m)越しに富士山が見える。甲斐駒ケ岳が右手に従えるのは「魔利支天」と呼ばれる岩塊だ。この山域は花崗岩で形成されており、白い山肌が特徴的。
駒津峯から、痩せ尾根を下る。北から強風が吹き、時折飛ばされそうになり怖い。ここを降り切ると、六方石と言われる奇岩が登場。この辺りから岩と格闘するスリリングなコースとなる。六方石からコースが二手に分かれる。直登と魔利支天がわにまいて登るコースだが、今日は直登して下りに魔利支天を近くで拝むコースとした。直登コースはのっけから岩にしがみつき、少しでもコースを外れると何ともならないえらいコースだ。初めの難所を切り抜けると、一気に高度を上げる。
10:10山頂。晴天、紅葉ということもあり、高校山岳部、クラツーさんなど多くの登山客が押し寄せた。なぜか!スパイダーマンも。偶然にも、8月、聖岳を一緒に登ったエノモトさんとバッタリ。こんなこともあるんですねぇ~。
では、絶景をご覧ください。東に富士を従える鳳凰三山、南に北岳、そして南に連なる南アルプスの名山たち。北岳の右から間ノ岳、悪沢岳、塩見岳。
北沢峠をはさんで反対側には千丈が岳(3,032m)。大小のカールが特徴で、南アルプスの女王と呼ばれる。右に見える薮沢を登り、右の馬ノ背を辿って登るコースと、中央部の小千丈尾根を登るコースがある。本当は、ここも登りたかったのだが・・。
北東には八ヶ岳。八ヶ岳の方向から見る甲斐駒は、見事なピラミッドの形だ。北には北アルプス。槍・穂高から立山まで見通せる。西方向には中央アルプスと御嶽山。
10:45に山頂を後に下山開始。山頂から見る魔利支天と、下山途中、まき道から望む魔利支天。以降、次々に登ってくる皆さんを見送りながら北沢峠に13:10到着。再びバスに揺られて甲府駅まで戻り、「特急あずさ」に乗って帰路に就いた。山は晴れていれば100倍楽しい!の一日でした。
新宿22:00発:天笑閣00:10着:天笑閣4:50発:広河原06:15着 山梨交通登山者バス8,000円也
広河原-北沢峠 バス料金750円