ヤマテンの予報が前日に好転。平ヶ岳を目指す日がやってきました。甲信越で最後の難関。
しずくふる
あおばのさきに
あおいそら
きょうもげんきに
はれおとこいく
昨夜遅く登山口駐車場に到着。小雨がぱらついていたが、予報を信じて寝て待つ。朝にはご覧の晴天!
平ヶ岳は尾瀬地区で最後に登山道が整備された山です。それまでは、冬に尾瀬から入るしかない、マニアックな場所でした。登山道を使っても往復で22km、コースタイム11時間ほど、もちろん避難小屋すらないほぼ自然のままのコース。1人でいくには、結構ビビりました。
コースは最初から2時間ほどの急登で標高を一気に上げます。途中、痩せ尾根とロープでの岩登りが連続します。
喘ぎながら登ると、おーっ、燧ヶ岳さんです。
急登を終えるとしばらく視界がひらけた尾根となり、尾瀬の山たちがよく見えます。
燧ヶ岳の左には対照的に会津駒ヶ岳の平たい山頂が見えます。
台倉山(1695m)のピークを超えしばらく進むと台倉清水という枯れた水場に出ます。ここでちょうど行程の半分になります。平ヶ岳の登山道にはこれは、という休憩ポイントがなくて、どこで休むか悩みますが、ここでぜひおやすみくださいね。
ひらがたけ
ころばぬさきの
くまのすず
ぶなささふかき
もりをわけいる
台倉清水からは深い森の平坦な道を1時間ほど進みます。これまでの急登から解放されてほっと一息です。
雪に押しつぶされた水場の標識。水は枯れています。
ぶっとい倒木。豪雪の威力をまざまざと見せつけられます。
森の道を抜けると次のピーク、池ノ岳(1976m)のピークが姿を見せます。ここから最後の急登、およそ1時間、が始まります。これまで4時間歩いてきたので、これは無茶苦茶効きます。
さかをこえ
とつじょあらわる
あおいいけ
ひらのいただき
すでにわがてに
(姫の池池塘群)
息も絶え絶えに登り切ると、ご覧の景色が待ってます。山頂はすぐそこです。
山頂までの湿原を歩くのはまさに極楽気分ですよ!
山頂までの湿原を歩くのはまさに極楽気分ですよ!
山頂の2等三角点は湿原から少し離れた茂みの中。
ついにきた
たいらなやまのいただきに
ふあんとつかれ
けしきがながす
(歓喜のオタケビ)
会津駒ヶ岳も、巻機山も、苗場山もこんな感じでした。この辺一帯がそのままで遺されたんですね!
山頂の様子はこの動画でみてください。↓
池ノ岳から少し西に行くと、たまご石、と言われる奇怪な?オブジェがあります。花崗岩が風雪で削られたらしいのですが、一見の価値あり。それは、
石の前方に広がる、誰も入れない湿原と尾瀬と上州の山並みがセットだから。なかなかいけない平ヶ岳に登ったら絶対行きましょう。
たまご石までのルートにはまだ雪渓が残っていました。滑ります。
この山では、人里の音を聞くこともなく、高圧線を見ることもありません。北海道のトムラウシを思い出しました。
登ってきた尾根をひたすら降りて下山します。
登山口近くには植林された杉の木で人里感が出ます。
天気が崩れることなく、最高の時期に最高の天気で平ヶ岳を終えました。風がまだ涼しく、お花畑も咲きそろい(写真がない!)、陽も長い。天気予報と睨めっこでピンポイントで登れる今の自分は幸せ者!
ゆをあびて
カレーとともに
ながしこむ
ちゅうなまびーる
ごくらくのあじ
今シーズン初めての大汗を駒の湯で洗い流し、道の駅の食堂でビールを流し込む。一眠りして帰宅します。
いつも山を登る時、喘ぎながら何を考えているか?大体、どちらかと言えば考えたくもない嫌なことが頭の中を巡ることが多い。そしてBGMはと言えば、車かiPhoneで最後に聴いた音楽がくるくる果てしなくプレイバックする。
今日はなぜだか短歌が浮かびました。なぜだかわかりません。車の中で見た夢のせいかもしれません。言えませんけど(笑)。気分を端的に表すのにはちょうどいいかと、ずっと5-7-5を繰り返しながら登ったら、結構楽しめました。日本語って、便利です♪で、今日も臆面もなく掲載させていただきました。結構な感動を歌にしましたが、伝わりますか?
YAMPデータが狂っていた為、ほぼ同時刻に同じペースで歩いていた方のデータを参考として貼り付けます。よく歩きましたー
。