四国の2座、石鎚山と剣山は、ユディットさんと一緒に登る。彼女とは、昨年北アルプスの笠ヶ岳で初めて会い、その後登山情報のやり取りをしてる。彼女は10年ほど前に来日したドイツ人で、ドイツアライアンスミッションという宣教団体に所属する宣教師だ。彼女も日本百名山完登を目指していて、この2座で49座となる(はずだ)。

石鎚山は1,200mまでロープウェイで登る。始発便は、登山客と剣山スキー場に向かうスキーヤー、ボーダーで満員だ。

ロープウェイ終点から見る瓶ヶ森
今日の天気は快晴、最高の石鎚日和だ。今回の九州、四国ツアーではあまり冬山登山を意識しておらず、アイゼンは6本爪の簡易アイゼンしか用意してこなかった。九州はアイゼンを使う機会もなかったが、四国はそうは行かなかった。考えてみれば標高も2,000m近く、瀬戸内とはいえ、中国山地をやり過ごした寒気が直撃するため降雪量も多い。12本爪とピッケルは必携だった。

石鎚山は大まかに、ロープウェイ駅から鎖場手前までと、鎖場のある頂上までの核心部に分かれる。前半は山頂と瓶ヶ森(かめがもり1,897m)を眺めながら楽しく登る。

途中、冬は閉鎖されているが、避難小屋を二つ過ぎるといよいよ核心部に入る。

屋根と山の角度がすごい
その昔、この山を開山したという役行者が登ることができず、登頂を諦めて下山した場所だ。その後、今の成就社がある場所で石鎚大神に出会い、悟りを得て再び登頂に挑み、見事成し遂げ開山したそう。そのため、中宮成就社がおかれで、石鎚山信仰の中心になっているそうだ。

ロープウェイ駅から20分歩いた場所に石鎚神社中宮成就社がある。

遥拝所手前から山頂方面
急な岩壁が続き、夏であれば鎖を使う事も可能だが、冬は巻道の金属製の階段を登る。ここが凍りつき、6本爪ではまことに心許ない。久方ぶりのスリリングな雪山となった。

階段と急斜面のトラバースを何とかクリアするといよいよ石鎚山山頂(1,972m)だ。弥山とも呼ばれる。

石鎚山山頂からさらに200m南東の最高峰、天狗岳(1,982m)へ登り返すと、狭い山頂からは四国から瀬戸内海、九州まで一望だ。空は快晴、最高の眺望、ありがとう!

西条の街と瀬戸内海。先にはしまなみ海道が見える

右の弥山と左の二ノ森(1,930m)

今日はずっと眺めてきた瓶ヶ森

天狗岳から見た弥山

ユディットさんとツーショット
珍しく立ち去り難い山頂から後ろ髪をひかれつつ降り始めると、雪は緩み、もう春の雰囲気だ。四国での最高な登山の
余韻を楽しみつつ、愉快に下山した。
西条のひうちの湯(¥600)で汗を流したあと、明日の目的地、剣山登山口に向かう。ここから次のイベントが始まった。
僕は、ナビにGoogle Mapを使う。今回も勿論お世話になっている。それによれば、剣山登山口への国道は閉鎖中で、県道を使うガイドになっている。

当然、ナビもそちらに誘導するわけだが、酷い道だ。暗い、細い、落石だらけ、まるで廃道のようだ。

翌日の画像

こんな道が延々と1時間続く
そんな獣道を走る事、1時間、やっとトンネルを越えて剣山駐車場に着いた!と思ったら、トンネルの出口は除雪された雪の山。何事かと思ったら、むこうからトンネルに向かって全面通行止めの標識だ。そう、通行止めの道を1時間登って来たのだった。

わかりますか?通行止めの先から出てきたんです!
予約していた劔神社簡易宿泊所のご主人(神主さん)からは、あの道を無事に登って来れたことを喜んでいただいた。Google Mapで通行止めとなっている国道は夜間通行止め、僕らが登ってきた道は全面通行止め、本来は国道を使って登るべきだったのだ。距離、時間を大幅にロスし、精神的ダメージを受けたことはGoogle社に理解してほしい。
ああ、明日も、この道を帰るのかぁ!