自己と他者 

自己理解、そして他者理解のために
哲学・ビジネス・雑記・洒落物など等

中東情勢

2006-07-22 01:33:07 | 日記・エッセイ・コラム・メモ

 現在(06・7・12日~)レバノン首都ベイルートでは、レバノン国民他、各国から来ている出稼ぎ労働者を含む外国人を巻き込んだイスラエル対ヒズボラの紛争が起きている。

各国=スリランカ、フィリピン、バングラデシュ、アメリカ、イギリス、フランス、日本、アラブ諸国などなど。

 今回の発端は、イスラム教シーア派武装組織ヒズボラ(イラン・シリアから武器・資金支援を受けているとされる)のゲリラが「確かな約束」作戦なるものをイスラエルにて展開、兵士2名を拘束し、そのままレバノンへ引き返すことに成功したことによるもので捕虜捕獲作戦とされる。

 イスラエルのオルメルト首相は、17日、兵士を解放するまで攻撃を継続するとエルサレムの国家で演説。兵士開放のほかにも、レバノン軍の南部展開(つまりイスラエル北部)およびヒズボラの南部からの追放を要求している。

 一方、イスラエル軍からの空爆を連日受けているレバノンのシニョーラ首相は、各国大使をまえに「国際社会はこの状況を傍観するのか?」と訴え、即時停戦、人道支援を求めている。

 両国の紛争の結果、レバノン国内避難民は数十万人の可能性があるとしている。また、アメリカ、フランス、イギリスの国民が避難(レバノン国外脱出)後にさらに空爆が激しくなるともうわさされている。

 イスラエルはガザ地区をも兵士救出目的に攻撃し、100人近くのパレスチナ人(半数が一般人)が死亡したそうだ。

 現在、ヒズボラ武装解除のため、国連国際部隊派遣が検討されている。ちなみに米国は国際部隊派遣に難色を示している。

ヒズボラ・・・1982年創設。特徴・・自爆テロ。イスラエルによるレバノン侵攻をきっかけに創設された過激派シーア派組織。イスラム共和国創設と全ての非イスラムの排除が目的とされる。政党としても議会に議席を持ち、福祉などの社会活動なども行い政治組織の顔も持っている。(世界情勢を読む会編著『面白いほどよく分かる世界の紛争地図』(日本文芸社2002年12月))

 レバノンには18の宗派が存在する。その人口にあわせて議席も配分され、最大派はキリスト教マロン派、イスラム教スンニ派、イスラム教シーア派、ギリシャ正教・・・と続く。人口調査をするとそれぞれの宗派人口の事実数が表面化してしまうからまともに人口統計調査もしていないそうだ。

 だからこの地には平和が訪れないんですよね。国連も何やってんだ?

 やはり先進各国が自国の利益を代弁するための代表を送り込み、国連を外交の場として利用している限り、この組織は機能しないようだ。

・・・・他方、同じ中東地域

 自衛隊が撤収したばかりのイラクでは宗派(シーア派、スンニ派)対立が激化し、避難民が10数万人にのぼり、5月6月で死者は約6000人、一日100人近く殺されている。

情報源:世界情勢を読む会編著『世界の紛争地図』(日本文芸社)。朝日新聞2006・7月18~21日朝・夕刊。落合信彦『グローバル・インテリジェンス・ファイル』(集英社インターナショナル)。JMM安武塔馬:ジャーナリスト、レバノン在住『レバノン:揺れるモザイク社会 第21回』。