自己と他者 

自己理解、そして他者理解のために
哲学・ビジネス・雑記・洒落物など等

サン=テグジュペリ『人間の土地』

2007-07-18 22:41:36 | 小説

(新潮文庫より)

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名言

「 努めなければならないのは、自分を完成することだ。試みなければならないのは、山野のあいだに、ぽつりぽつりと光っているあのともしびたちと、心を通じ合うことだ。」

「ぼくが、自分の思い出の中に、長い嬉しい後味を残していった人々を探すとき、生きがいを感じた時間の目録を作るとき、見いだすものはどれもみな千万金でも絶対に購いえなかったものばかりだ。何人も購うことはできない、一人のメルモスのような男の友情も、相携えて艱難を凌ぐことによって永久に結ばれたある僚友の友情も。

 あの飛行の夜とその千万の星々、あの清潔な気持、あのしばし絶対力は、いずれも金では購いえない。

 難航のあとの、世界のあの新しい姿、木々も、花々も、微笑も、すべて夜明け方ようやく僕らが取り戻した生命にみずみずしく色づいているではないか。この些細なものの合奏が僕らの労苦に報いてくれるのだが、しかもそれは黄金のよく購うところではない。

 そしてまた、いま思い出にのぼってくる、不帰順族の領域内で過ごした、あの一夜にしても」(p42)

「僕らの邂逅は全かったのだ。長い年月、人は肩を並べて同じ道を行くけれど、てんでに持ち前の沈黙の中に閉じこもったり、よしまた話はあっても、それがなんの感激もない言葉だったりする。ところが、いったん危険に直面する、するとたちまち、人はお互いにしっかりと肩を組み合う。人は発見する。お互いに発見する。おたがいにある一つの協同体の一員だと。他人の心を発見することによって、人は自らを豊富にする。人はなごやかに笑いながら、お互いに顔をみあう。そのとき、人は似ている、海の広大なのに驚く開放された囚人に。」(p44)


他者の人生

2007-07-18 00:16:23 | 日記・エッセイ・コラム・メモ

当たり前のことだけど、みんな過去を生き抜いてその延長線上にある今を必死で生きているんだな、と思うことが最近あった。

大好きな彼女、大好きな彼氏、大好きな親友、そして大好きな家族。いろいろな人とつながりながら自分の一度しかない人生を必死で歩んでいる。

それだけでも十分に尊敬できることなのではないか。そんな風に思えた。喜怒哀楽、いろいろな感情を人との交わりの中で育て、今の人格を形成し、生きている。

当たり前すぎるのだが、感じることができてよかった。今日感じた気持ちを忘れないようにしたい。