温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

ウェークアップで万博の話題を見た〜ネガティブな話題ばっかりだけど、ポジティブな話題も知りたい〜

2024-03-30 10:58:58 | 映画、TV、ミュージカル、エンタ
今日、土曜朝のワイドショー、ウェークアップで万博の話題に触れていたのを見た。
水素燃料電池船やリサイクル材料など紹介されていた。
この情報を見て、過去の大阪万博は、月の石、タカラビューティリオンの人間洗浄機など、色々目玉があったけど、今回はそのような派手な目玉がないとの話をよく聞くけど、よく考えたら、このようなリサイクルや環境負荷の少ないエネルギーなどの地味な技術こそが、2025年に着目すべき科学じゃないのかと思った。
もっと、色々宣伝すべき。メディアが悪いのか主催者が悪いのかそのような情報が少ない。
以下は番組の内容ではないが、他のサイトで紹介されている内容。
2025年大阪・関西万博で、「動く海上のパビリオン」として運航が計画される水素燃料電池船の全容が27日、分かった。
全長約30メートル、客席は2階建てで、エンジンを使わず音や振動の少ない利点を生かし、客席でのバーカウンター設置や音楽の生演奏などを検討している。
水素燃料電池船の旅客運航としては国内初。瀬戸内海に面した造船所で、今年半ばごろの完成に向けて着々と建造が進んでいる。
甲子化学工業株式会社

「ホタテの貝殻が防災ヘルメットに」 モノづくりの楽しさで課題解決に挑む Vol.1
行き場を失っていたホタテの貝殻を原料にした「ホタメット」が、大阪・関西万博の防災用公式ヘルメットの一種として採用される。製作に挑んだのは、大阪府大阪市に本社、東大阪市に生産拠点を構えるプラスチック加工会社「甲子化学工業」。
挑戦の背景には、町工場のモノづくりの底力を示し、社会の困りごとを解決したいと願う、一途な思いがあった。
「古着や古布からベンチをつくる」色が決め手 廃棄繊維をアップサイクル Vol.1
カラーループCEO 内丸 もと子さん
捨てられる運命だった古着や古布が色ごとに再生され、大阪・関西万博の会場でベンチとしてアップサイクルされる。
衣服など繊維製品の大量廃棄が問題となるなか、新しいリサイクル技術をつかった取り組みが、異業種3社のコラボレーションで実現する。どんな思いで3社はスクラムを組むことになったのだろうか。


小林製薬、紅麹菌問題、メディアの報道に疑問 〜知りたいことがわからない〜

2024-03-29 13:07:48 | ニュース
今小林製薬の紅麹菌で問題が起き、話題となっている。
しかし、私にとっては、知りたい肝心の情報がなくて、私のとって大きな揉んだかどうかがわからない。
知りたい情報は、以下のように問題のあるロットナンバーのの情報は報道されているが、私の知りたいのはそれぞれのロットの生産数量と死亡者数、体調不具合発生者数だ。
小林製薬が発表した当該の製造番号は以下の通り
<ドラッグストアなどの店舗やECサイトでの販売分> 計14種類
製造番号:J3017、X3037、X3027、X3017、H3057、H3047、H3037、H3027、H3017、F3037、F3027、E3037、E3027、D3079
<当社の通信販売を通じての販売分> 計4種類
製造番号:X304、H306、G301、E301
以下のサイトでもう少し詳しいデータがわかるようだが、有料なので、結局わからない。
メディアは、注意を喚起するために、被害を防げるように、危険だと警鐘を鳴らすことに使命を感じているようだが、最低、ロットごとの生産数量などの情報は、皆に伝えるべきだと思う。
例えばXxxxxというロットでの製造数が1万個で、症状を訴えている人が10人(1%)なのか、1000人(10%)なのかで大きな違いがある。また、ロットが1000個で症状を訴えている人が100人いたら1割の確率ということになる。
メディアは、他の問題では、「科学的根拠に基づき・・・・・」という姿勢と首尾一貫していない。



時間の正体を見た。〜時間は実在しない?量子力学が明かしてしまった『時間の正体』がヤバい.....〜

2024-03-25 19:37:36 | その他
昨日だったかな?あまりにTV見るものがないので、YouTubeで何かないかなと見ていたら、「時間は実在しない?量子力学が明かしてしまった『時間の正体』がヤバい」というタイトルを見つけてしまった。私は以前から、時間というのは無限に過去から無限に未来まで続くというのが、なんか騙されているというか、無限という言葉で説明するのは論理的でない気がしていたので、それに関する本やその他の情報は、どうしても興味を持ってしまう。
時間は実在しない?量子力学が明かしてしまった『時間の正体』がヤバい.....
そこで、この1時間もするYouTubeを見たのだが、なかなか面白かった。
内容は、まず時間の定義の説明で始まる。1秒はセシウム133原子のある周期から決まっているのだそうだ。
その後、宇宙論的な時間の矢、熱力学的な時間の矢、心理的な時間の矢という「3つの時間の矢」の説明がある。
宇宙論的な時間の矢の説明で、宇宙は収縮しているのではなく、どんどん広がっている、それがなぜ逆転しないのかはいまのところ、まだわからないのだそうだ。(残念)
手書きの板書説明であるが、なかなかわかりやすい。
後半ではタイムマシーンは成立するのか?という議論位浮いての説明がある。ある理論によれば、タイムマシンで過去にもどれる(正確には違うが。。。理屈的にはある過去に戻れる)というような説明もある。

最近YouTubeは充実していますね。
下のリンクでこの作者のLINEに行けるようです

この方、その他にも量子論分野の動画をアップしているようです。ご興味のある方はどうぞ。

超弦理論とパラレルワールド|この宇宙は仮想現実か?

二重スリット実験|量子力学による仮想現実の証明?

量子の過去が書き換えられた?量子遅延選択実験

マルクス解体 斉藤幸平著 読了 〜農業革命以前の古代文明は興味深い、見直すべきだ〜

2024-03-23 14:31:59 | 
この本は、いつも通り、朝日新聞の書評を見て図書館に予約したと思う。
 本書は派手に広告されているが、その内容は晩期マルクスの環境思想を発掘しようとする実直な研究書である。しかも、もとは英語で刊行された。<br>人文・社会科学の分野で、日本人が外国語で理論的著作を発表し、それが好評を得ることはめったにない。この快挙は、著者が普遍的な地平で思考してきたことを物語る。
 マルクスの『資本論』は未完に終わったが、その代わり晩年にかけて大量の研究ノートと草稿が遺(のこ)された。著者はこのノートの核心に、エコロジカルな経済学批判を認める。マルクスは自然科学に熱中し、特にリービッヒによる掠奪(りゃくだつ)農業批判に触発された。
掠奪的な資本主義は、自然と人間のあいだの「物質代謝」の循環に亀裂を入れ、土壌を荒廃させ、そこから来るトラブルを他に「転嫁」することで拡大する。彼はこの資本の飽くなき成長が、世界規模の裂け目を生じさせることを予想していた。  ゆえに、晩年のマルクスが前資本主義的な「最古」の協同生活を評価したのも不思議ではない。
自然の支配に駆り立てられた近代のプロメテウス主義、自然と社会の区別をあいまいにするB・ラトゥール流の現代の一元論、そのいずれも批判する著者は、ルカーチ流の「方法論的二元論」に立つ。そして、具体的な実践の手がかりを、古い社会にあった「協同的富」の回復が「ラディカルな潤沢さ」につながるというマルクスの考えに求める。それが「物質代謝の亀裂」を修復する道なのである。
内容に関しては、まず、私としては、以下のAmazonのどなたかの書評に近い感想だ。
まずは、「膨大な予備知識が必要だ」ということだ。
まず、この本は「大変な本」である。何が大変か、と言えば、まず、総てを読みこなすには、膨大な予備知識が必要だということだ。
ルカッチの「再検討」から、エンゲルス批判、ローザ、ハーヴィー、シジェク等々の批判的検討についていくのが大変だ。
「100分で名著」の番組を見たり、「人新世の資本論」読んで、マルクスや斎藤氏の主張に共感を覚えたばかりの方や、私のような「理系の人間」にとって、すべてを追いかけるのはとても難しい。 つまりは、斎藤氏がマルクス同様、先行研究を丁寧にしているということなのだが。
さらに、どのように難しいかを説明すると、下に引用したAmazonの他の方の評にあるように、下に出てくる人の名前や「物質代謝」、「一元論か二元論か」、「脱成長派」、「 加速主義 」、「環境社会主義 」、「プロメテウスの夢」などの言葉の意味を知っている必要があるということだ。私はこれら言葉の意味は想像はつくが、一応辞書で確認すると、哲学でよく使うような言葉のようで、簡単な説明を読んで、「ああ、そういう意味ね」と一部は確認しながら読まざるを得なかった。
yasuji
マルクスを参照すれば、名案が浮かぶことを期待して
原題は、「Marx in the Anthropocene: Towards the Idea of Degrowth Communism」である。Anthropocene(人新世)は、アメリカ合衆国の生態学者ユージン・F・ストーマーが1980年代に造った用語とされていることが多く、オゾンホールの研究でノーベル化学賞を受賞したオランダの大気化学者パウル・クルッツェンがそれを独自に再発見して普及したとされている(ウィキペディア 2023.10.26)。
人新世の研究は、環境問題や地質学ばかりでなく、生物学、人類史などに拡大している。
そのうねりの中にマルクスを登場させる意味はあるのだろうか。それぞれの科学はマルクスの時代より圧倒的に知識を蓄えている。マルクス研究者として、マルクスが資本主義の弊害の一つとして環境問題を扱ったことを知らしめるのは意味あることかもしれないが、それだけでは本書に価値はないだろう。
それともマルクスが嘗(かつ)て近代社会の未来に希望(共産主義社会)を提示したように、人新世の時代に新たな希望が提示できるのだろうか。
1.物質代謝  本書は資本の論理ではなく、物質代謝の論理から始まる。物質代謝は、絶えざる人間と自然の相互作用の循環である。従って、労働は人間と自然の物質代謝の媒介活動として定義される(p.33)。
ーーーーーーー略ーーーーーーー
2.一元論か二元論か  アクター・ネットワーク理論で有名なブルーノ・ラトゥールは、晩年にはエコロジストとして有名だったそうだ。なぜ彼はエコロジストになったのか、その答えを提供してくれるのが、福島直人氏の論文である。カトリック信者のラトゥールが書いた博士論文は、ドイツのプロテスタント神学者ブルマンであった(福島p.25)。
ーーーーーーー略ーーーーーーー
3.諸派  著者に限らず、「人新世」や「エコロジー」などの言葉を使って人類の危機を訴える学者は数えきれないほど存在する。そこで僭越ながら、脱成長派、加速主義、環境社会主義の3派に分けてみた。 ①脱成長派 ②加速主義 ③環境社会主義 ④プロメテウスの夢
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4.脱成長コミュニズム  著者の提言は、「脱成長コミュニズム(Degrowth Communism)」である。
つまり、経済成長なきポスト希少性社会という理念である(p.374)。ポスト希少性社会がコミュニズムということになるのだが、少し説明が必要であろう。
色々な言い訳が先になってしまったが、いろいろ予備知識がない中で不消化ではあるが、先日読んだ「万物の黎明」にもつながるが、古代文明というのは、狩猟採取民族で、定住していなかった、組織的な農耕はなく国家を形成する必要はまだなかったあるいは敢えて国家を作らなかったなどの考えがあったのでは?と述べられていることが古代民族はすごいなという感想を持つ。現代は資本主義で、皆、欲望のおもむくまま破滅に向かっているというのは、私も破滅に向かっているかはともかく、起きている現象として実感できる。私には、十分理解できる知識のない、難しい内容の本であったが、いつものように印象に残ったキーワードを挙げておく。
ー…………古代の考え方は、生産が人間の目的として現れ、富が生産の目的として現れている近代世界に対比すれば、はるかに高尚なものであるように思われるのである。
ーリービッヒは、農作物が遠方の大都市で販売されると水洗トイレを通じて、土壌養分は失われ、堆肥として元の土壌に還らないことを問題視した。
ー(土壌回復に使われるアンモニアの生産は)大量の二酸化炭素を排出する。こうして工業的農業は水だけでなく大量の化石燃料も消費するため、気象変動の推進力となっている。
ー「大洪水よ、我が亡き後に来たれ!」という資本家のスローガンは「大洪水よ、我が隣人に来れ!」となっている。
ーディストピアを恐れて科学技術の進歩を遅らせる代わりに、ポスト資本主義における人間解放に向けて、その進歩をさらに加速させることを主張する左派がいるのだ。
ー資本の生産力は労働者を従属させ支配するために生み出されるため、それを使って自由で平等な社会に移行することはできない。
ー資本主義の危機は「資本主義制度の消滅によって終結し、また、近代社会が集団的な所有及び生産の「原古的な」型のより高次な形態へと復帰することによって終結するであろう。
斉藤幸平氏の他の書籍を読んでから、この本を読んだ方が良かったかもしれない。しかし、大変示唆に富んだ本でした。


日本史を暴く 礒田道史著 読了 〜この本で概要を知り、詳しい内容はYouTubeや新たな本で読むべきかな?〜

2024-03-13 10:12:41 | 
この本は、有名だけど、やはり朝日新聞の書評がきっかけだと思った。大変人気のある本のようで図書館予約人数は100人くらいだったかな。
内容は、基本的に磯田氏が手に入れた古文書から、歴史の裏側的な話を以下のような目次で簡単に紹介している。
目次
第1章 戦国の怪物たち(大仏を焼いたのは松永久秀か;久秀が大悪人にされた理由 ほか)
第2章 江戸の殿様・庶民・猫(三代・徳川家光の「女装」;甲賀忍者も勤め人 ほか)
第3章 幕末維新の光と闇(西郷隆盛、闇も抱えた男;幕末、公家の花見行 ほか)
第4章 疫病と災害の歴史に学ぶ(ねやごとにも自粛要請;感染楽観で繰り返した悲劇 ほか)
好書好日で紹介されている、織田信長の遺骸の話、秀頼の実父は祈禱師、儒学者の貝原益軒がカブトムシを嫌っていたなど、私にとっては興味深い話がいろいろある。本書によれば江戸時代は、一部の一般庶民の日記まで古文書として残っているとのことだ。ちょっと、古文書を探してみたくなる。しかし、くずし字が読めなければいけないし、歴史のある程度の知識が必要だ。(私にはないな)

大河ドラマなどの歴史時代劇で描かれる時代と言えば、戦国時代か幕末維新と、最近は、おおよそ相場が決まっている。
 理由は歴史小説などの題材として盛んにとりあげられてきたため、登場人物になじみのある名前が多く、視聴者が入り込みやすいこと。もう一つは同じ理由から、コアな歴史ファンがすでについていることだ。
 本書は歴史番組などのコメンテーター・モデレーターとして、すっかりおなじみになった歴史学者、磯田道史(みちふみ)・国際日本文化研究センター教授が2017年から22年にかけて新聞に連載したコラムをまとめたもの。
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  1582年に起きた本能寺の変で討たれたまま行方不明となった戦国武将・織田信長の遺骸が、実は本能寺近くの阿弥陀寺の僧侶によって収容され、同寺に葬られていたという史料があるとの話は、その真偽は別として、どきっとさせられた。
   さらに「豊臣秀吉の子とされる秀頼の実父は祈禱師(きとうし)だった可能性が高い」とした服部英雄・九州大学名誉教授の説を踏まえながら、父親の名を史料で追いかけ、当時の公家の日記に出てくる、ある人物に注目するくだりには思わず引き込まれた。
   このほか、本草学者で儒学者の貝原益軒がカブトムシを嫌っていた話や、初代首相・伊藤博文と安芸の宮島をめぐるエピソードまで、全4章のうち2章を戦国と幕末維新に割きつつ、自らの専門の近世史や最近関心が高まっている感染症史などについても、幅広く目配りしている。
また、磯田氏は忍者について興味があり、他のことも詳しいが忍者に関しては以下のように特に詳しいようだ。肩書きも「国際日本文化研究センター教授」、「甲賀市ニンジャファインダーズ団長」とのことである。
【前編】「忍者を追う歴史学」磯田道史教授/シリーズ「日本研究のトビラをひらく」
YouTube上には礒田氏の解説動画がいろいろあるようで、この本で触れた内容が詳しく説明されている。時間のある方、興味のある方はYouTubeの方がいいかもしれない。
そうそう、江戸時代の感染症の話やスペイン風流行の話なども本書では触れている。YouTubeでも述べられているので参考までリンクを紹介しておく。
【磯田道史解説】恐怖の感染症で人口3割減とも 幕末のワクチン接種とは(2023年2月19日)

万物の黎明 読了 〜常識を覆す、興味深い本。〜

2024-02-28 15:46:37 | 
この本は、いろいろメディアで取り上げられているのだが、やはり朝日新聞の書評で興味を持ったのだろう。
「万物の黎明」 [著]デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ  数年に一度、人類史の全体像を提示する本が現れ、国際的なベストセラーとなることがある。
原書が2年前に英語で刊行された本書も、その一冊だ。
副題を見て『サピエンス全史』のような本を思い浮かべるかもしれないが、その印象は裏切られるだろう。人類学者と考古学者の手で書かれた本書は、このジャンルの前提に正面から挑戦する。
 その前提とは、人間社会が一定のパターンに沿って進化するということだ。典型的には、小規模で平等な狩猟採集社会が、定住農耕による生産力の向上を経て、階級格差を伴う大規模な国家へと発展する。
 本書によれば、こうした思考は西洋人の偏見にすぎない。近年の考古学は、農耕が始まる前に巨大な都市が築かれたことを示す遺跡など、従来の先史時代のイメージに反する事例を数多く発掘してきた。
また、人類学は、一般的には「未開」だと見なされる人々の暮らす社会が、実は極めて豊かな多様性を持つことを明らかにしてきた。
中身は、下に見開きページを撮った写真を紹介するが、2段、全約640ページというヴォリューム、かつ下の写真の左側にあるように、随所に脚注が小さな文字である。借りて手に取った途端、これは2週間では読了できないなと諦めていたが、毎日50~100ページというペースでなんとか読了できた。しかし、脚注は無視したし、随所に出てくる人物名や地名、遺跡、歴史的人物のなんたるかは追求しないことでやっと読了できた。本来は購入して、手元におき、じっくりと史実や説明を熟読して読むべきだろう。
さて内容だが、以下のAmazonのある方の書評が簡潔に集約したものだろう。古代についての現在の常識がくつがえる内容だ。
ゲームチェンジャー
私たちが頭までどっぷりと浸かっている西欧中心的な歴史観、社会観が、ガラガラと崩れ落ちる体験をした。
今2度目の精読をしている。一番の強みは考古学や文化史の事実の見直しに基づいていることだ。社会科学のゲームチェンジャーといえる。既存の学説に依存している権威者には是非論争を起こしてほしい。
内容が膨大なので、本書の内容を詳しく紹介したり、要約することは大変難しい。よって、いかにいくつか私がポストイットをつけた内容について紹介する。
すなわち、古代の人類は原始的な未開の民だという常識がいくつかの例でそうとは限らないことが述べられている。
古代は、戦闘にあけくれ平等主義とは遠い世界と考えられていたが、そうではないようだ。古代に対して、なぜヨーロッパ人は競争心がかくも強いのか、なぜヨーロッパ人は食べ物を分かち合わないのか?なぜヨーロッパ人は競争心がかくも強いのか?なぜヨーロッパ人は他人の命令に服従するのか?という形で色々な例示が示されている。
そのなかで、我々は現代社会の常識で古代の生活や社会様式を説明してしまいがちであるが、一つの例を挙げると、シェイクスピアの時代の事柄を恐竜に例えてしまったりするが、シェイクスピアの時代にはだれも恐竜の存在を知らなかったはずなので、あたかもそれが当時の人たちの考えと叙述してしまうのは危険だろう。
アメリカインディアンについても、西部劇で描かれ、そこから我々はある既成概念を持ってしまうが、下のポヴァティポイントの例をみても、もしかしたら、彼らは我々より進んだ社会形態を実現していたかもしれないのだ。
ポヴァティ・ポイントの記念碑的土塁群
ポヴァティ・ポイントの記念碑的土塁群は、ルイジアナ州ウェスト・キャロル・パリッシュにあるアメリカ先住民族の遺跡です。
2014年に世界遺産に登録されました。ポヴァティ・ポイントの名は、遺跡の近くにある19世紀のプランテーションか名付けられました。
ミシシッピ渓谷の中の小高く狭いところにあります。
ここは紀元前1500年から紀元前700年の間、狩猟採集民が居住や祭礼の場として数百年間使っていたと考えられています。
周囲は森林と湿地で、これらを利用して都市が造られたと考えられています。中心部は6つの同心八角形から成り、最も外側の直径は約1.3km。1つずつ土を盛った畝で出来ています。
農耕の発達がブレークスルーとなって世界は大きく変わったという考えが主流だが、いいかえると、世界は、コムギ、コメ、キビ、トウモロコシによって養われているのであって、これらのない現代生活を想像することは難しい世界となって、それによる制約に縛られる世界となっている。
日本でも弥生時代に農耕文化が成立して、進化した弥生時代の農耕民と進化前の縄文時代の狩猟採集民という考えが主流となっているが三内丸山遺跡の発見で、その考えの修正が必要ではないかとなっている。
三内丸山遺跡とは
 三内丸山遺跡では、平成4年(1992年)から始まった発掘調査で、縄文時代前期~中期(紀元前約3,900~2,200年 現在から約5,900~4,200年前)の大規模な集落跡が見つかりました。
たくさんの竪穴建物跡や掘立柱建物跡、盛土、大人や子供の墓などのほか、多量の土器や石器、貴重な木製品、骨角製品などが出土しました。
 青森県は遺跡の重要性から、平成6年(1994年)に遺跡の保存を決定しました。
平成7年(1995年)から遺跡の整備と公開を行い、平成9年(1997年)3月には史跡に指定され、さらに平成12年(2000年)11月には特別史跡に、平成15年(2003年)5月には出土品1958点が重要文化財に指定されました。
また、令和3年(2021年)7月には三内丸山遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されました。
 青森県では、縄文時代の「ムラ」を体験できる場所として、三内丸山遺跡の保存・整備・活用をこれからも進めていきます。
その他、現代選挙に金がかかるので政治には裏金が必要だという話題がメディアを賑わしているが、古代には真に民主的である役職の選出方法はくじ引きであると考えられていた時代もあったようだ。私も、公平な選挙あるいは金のかからない選挙のためには抽選も一つの選択肢になりうると思う。古代にこのような考えがあったというのは大変驚きであった。
その他、不消化だが気になったキーワードを挙げておく。
ー 三つの原理(暴力の統制、情報の統制、個人のカリスマ性)が社会的権力の三つの可能な基盤である
ー 南北アメリカのいくつかの地域では、競技スポーツが戦争の代理として機能していた。e sportsなどでゲーマーが職業となっているが、人間は本来戦うのが好きだ。戦争をなくすには、それをゲームに置き換えることができれば戦争で犠牲者が発生するのをなくすことができるのではと思う。
ー 「バンド」、「部族」、「首長性」、「国家」という進化の過程は?
ー 古代は農耕を離脱する動きが選択の自由としてあった。フレキシブルな社会であった。
ー 女性のリーダーは古代にもあった。新石器時代の社会における革新は、ある天才的な男性が孤高のヴィジョンを実現するというものではなく、主に女性たちによって、何世紀にもわたって蓄積されてきた知識の集合にもとづいており、そこには一見すると地味であるものの実際にはきわめて重要な発見が延々と繰り返されていた。例:酵母という微生物を加えることでパンを膨らませることを最初に考えたのはだれだったのだろう?それは女性であることはほぼ間違いない。
ー 社会が複雑化すれば国家が形成されるし、国家が形成されているところは社会が複雑であるという常識。
膨大な内容で、原書は英語特有の関係代名詞が使われているのか、単語の説明的な部分が多いので、非常に読みにくいが、じっくり読むべき本だと思う。現状の打破にむかうヒントがいろいろあると思う。

師匠はつらいよ 杉本昌隆著 読了 〜将棋の師匠や棋士の生活や悩みが新鮮〜

2024-02-15 15:19:08 | 
この本は、やはり下の朝日新聞を読んで予約したと思う。
現代の若者のことを、Z世代、と呼ぶことがある。
案外この言葉が世間で定着し、広く使われているのは、「Z世代の若者とどう接していいかわからない」という悩みが普遍的なものだからではないだろうか。
そんな悩みをもった大人たちに手渡したいのが、本書である。
本書はZ世代の筆頭である将棋棋士・藤井聡太さんを弟子に持った、通称「杉本師匠」の日常エッセイである。
私の感想は、以下のAmazonの書評を書かれた方と同様で、藤井聡太・八冠とのやりとりが微笑ましい。また、とても想像できない将棋の棋士・師匠の日常が語られているのが、興味深い。ほっこりする本です。
引用した方のコメントでも取り上げている以下の6つが私的には面白かったというか、印象に残りました。各エピソードが1〜2ページなので、細切れで読めて楽しめました。
★ 第23回 「 A I 」との付き合い方
★ 第43回 棋士とバレンタインデー
👑第54回 パソコンショップでの攻防
★ 第67回 家族サービス
★ 第76回 「人間将棋」の妙味
★ 第78回 「おやつ」のルール
〝観る将〟の父ともども、心楽しく、さくさく読めたエッセイ集。ほっこりとしたおかしみに、癒やされました。
『週刊文春』をよく読んでいる父から、「この連載、毎回楽しみにしてるんだ。
一冊にまとまったのを読んでみたいから、買ってくれないか」頼まれて購入した一冊。将棋好きの父がさくさくっと読み終えたみたいなので、「〝観る将〟の僕も読んでみたいんやけど、貸してもろても良いですか?」言うて、借りて読んでみました。
藤井聡太・八冠(2023年12月の現時点で。本書の初めでは二冠だったが、最後のほうでは〈棋王〉を獲得して六冠に)とのやり取りのなんとも言えないおかしみ、微笑(ほほえ)ましさを始め、師匠の日常のあれやこれやがのびのびと綴られていて、心が随分癒(い)やされました。なんというか、〝おやつ〟もろたみたいな、嬉(うれ)し懐(なつ)かしほっこりした心持ちになりましてん。
師匠の人柄を端々(はしばし)に感じる、温かみのあるユーモラスなエッセイの数々。ほんま、あちこちでくすり、にやり、させてもらいましたわ。
師匠が十代の頃から大好きだという星 新一のショートショート(第23回の文章に記載あり)。あの妙味に通じる、とぼけているようでハッとさせられるおかしみがあるようにも感じました。
本書に収められた 100のエッセイ + 先崎 学 九段との対談の中、以下に挙げる24のエッセイが良かったですね。(👑印の回の文章には、特に心惹かれました。)
★ 第4回 スギモト一族
★ 第9回 対局前夜症候群
👑第12回 縁台将棋愛好家たちの挽歌(ばんか)
👑特別編 先崎 学 × 杉本昌隆 「藤井聡太と羽生善治」
★ 第18回 棋士に向いている五輪競技?
👑第22回 二人のスーパースター
★ 第23回 「 A I 」との付き合い方
★ 第32回 最高の誕生日
★ 第43回 棋士とバレンタインデー
★ 第45回 将棋との出会い
👑第49回 一人暮らしのススメ
👑第54回 パソコンショップでの攻防
👑第57回 棋士の涙
★ 第66回 愛(いと)しき動物たち
★ 第67回 家族サービス
★ 第72回 「詰め将棋」の天才
★ 第75回 将棋を愛する人たち
★ 第76回 「人間将棋」の妙味
★ 第77回 「将棋は体力」
★ 第78回 「おやつ」のルール
👑第84回 最高のプレゼント
👑第91回 修羅(しゅら)の道
★ 第92回 ぎっくり腰はつらいよ
★ 第100回 連載百回の〝感想戦〟

WIFI不具合騒動〜WiFi接続を失った時の不便さを味わいました〜

2024-02-10 17:58:03 | コンピュータ、ハイテク
今回、2月1日から東京に来ている。その際、まずカミさんのiPhoneがスムーズにwifiに繋がらなかった。過去にも何回かそのようなことはあったので、またかということで再接続して過ぎていた。
その後、カミさんのiPhoneにはデータ接続オーバーなので、接続制限となり遅くなりますとのメールがDocomoより届いたりした。WiFi接続していない状態でネット検索、ブラウジングをしまくっていたせいだ。
その後2月5日くらいから、時々1〜3時間くらいしか繋がらなくなってきたので、ルータのElecomやプロバイダーのアサヒネットにメールや問い合わせをした。そして、2月7日には時々繋がっていたのが全然繋がらなくなった。そこで、8日に、NTTの終端機RT-S300NEかVDSL VH-50ⅡEに問題がありそうとのことで、NTTから紹介されたトーメイという会社の方と2時間ほど電話で、色な設定を試して、NTTの機器が悪いということで交換が必要ということだったが、とりあえずの接続を確保できこれで、機器交換までなんとか大丈夫と思ったが、1時間もすると、やはり突然切断の現象が再発。そこで、9日にNTTへ連絡して、本日10日やっとNTTの方が来て機器交換をしてもらい復活しました。
この間、毎日10回くらい、Elecomのルーターの設定を初期化したり、再設定したりを繰り返して、疲れました。
WiFi の接続が失われると、パソコンもダメ、かろうじてiPhoneの電話接続によるネット接続しかダメで、非常に不便でした。今の世の中、インターネット接続を失った際の不便さを思い知りました。

弁護側の証人 小泉喜美子著 読了 〜被告は誰か? なかなか面白かった〜

2024-01-19 16:46:41 | 
この本は、以下の方と同様に「王様のブランチ」で湊かなえさんがミステリの傑作というような言い方をしていたので、それは読まなくてはと、図書館で検索して、読みました。
松田悠士郎
「王様のブランチ」BOOKコーナーで、湊かなえさんと呉勝浩さんが激賞していたので俄に興味を持ち、書店を3軒回って漸く手に入れた。
で、地味に読み進めていたら終盤で「え? え?」とマジに声が出た。ネタバレは嫌なので詳しく書かないが、正に「書き方」の妙(描き方、ではなく)。参りました。
sawa
テレビで紹介されて気になったのだけど、本屋にもない、図書館にもない、古本屋にもない、どこにもない。
諦めてたところで発見した時は小躍りしたい気分でした。
今までの経験からいうと、こんなに期待してから読む本はイマイチだということが多いのですが。昔に書かれた本なので、表現の仕方が独特というか、まどろっこしいというか。面白くないことはないのです。
だけど、めちゃくちゃ面白い!ってわけでもなく。それとも私の読解力がないのか。道尾秀介さんがあとがきを書かれているのですが、小泉氏の亡くなった理由の方がびっくりでした
RN
ネタバレ文体が古いと思ったら、1963年の小説。
最初の刑務所の面会、どっちが内側とるか、がカギだね。
タイトルの弁護側の証人が誰か、最後までわからなかったけど、この人なんだ、という驚きがあった。
ネタバレになってしまうかもしれないけど、私は後半で、「えっ、被告って???」という感じで、歳のせいかなんで勘違いしたのかと思い、再度最初の方を読み直しました。しかし、それが綿密なトリックのようなので、歳のせいではないようでした。そのような意外性が面白かったです。
このトリックに騙されないと、全く面白くない可能性大です。また、アガサクリスティとかエラリークイーンなどのミステリーを楽しんだ人でないと、情景描写などが、楽しめずにうっとおしく感じるかもしれません。白鯨は情景描写が長すぎて途中で諦めた私でも楽しめましたというか情景描写を味わえました。作中に、アガサクリスティの「アクロイド殺人事件」などのタイトルが出てくるけど、著者はアクロイド殺人事件も参考にしているんでしょうね。禁じ手だそうですが、「アクロイド殺人事件」のトリックには驚かされました。
名作ということのようですが、昭和38年(1963年)の作品と知って驚きでした。著者は昭和60年(1985年)に亡くなっている。昭和の人向けのミステリってことになるのかな?私は湊かなえさんのいうとおり、確かに名作だと思いました。しかし、色々な方の書評を見ると、賛否両論のようですね。最後にAmazonのある方の感想も載せておきます。
JJ
5つ星のうち5.0
前知識なしで読んでください
何でこんなつまらない女の独り言みたいな小説が名作なんだろうな。
薄幸で頭の緩い馬鹿女の身の上話で退屈です。
でも昭和の古臭い言い回しが新鮮で、文章は読みやすかった。
(未読の方は、ここから先読まないでね)
で、見事騙されましたね。
まさに、逆さ富士。
叙述トリックっていうのは、トリックの核心が面白い、に加えて 逆さ富士に気づいたときに、人物像やいくつもの印象的な台詞が まったく異なってみえてくる、そこに妙味があると感じました。
素晴らしい、に尽きます。

ダイハツ不正その後〜今後に注目したい〜

2024-01-18 14:01:52 | ニュース
2024年が明けましたね。
地震と航空機事故で「無事に」とは言えない新年でした。私も今年は年賀状も辞めたので、年末年始とのんびりしすぎたので、2024年初めての投稿が本日ということで非常に遅くなってしまいました。
さて昨年末に投稿したダイハツの不正事件、具体的に記述のある投稿がありましたので引用します。
■「鉛筆を舐める」は、どの現場でも少なからず行われている…が… 上記のような事情があって、実験部員が実験データに手を加える…というほどではないにしろ、車両性能や安全に支障が出ない範囲で、「データを選別する」ということは、他のメーカーでも大なり小なりはやっているだろう(繰り返しになるが、今回明らかになったダイハツほど酷い不正ではないにしろ)。
たとえば、衝突試験などの実験データは、担当エンジニアがダミー人形を用いて身体や頭部にかかる加速度を測定して行われるが、生のデータはノイズだらけ。
その生データを見やすくするため、担当エンジニアがトリミング(不要な波形を切り取る)したり、ノイズフィルター(評価に不要な周波数成分を取り除く)をかけるなどをして、障害値という代表値を求める。
そのうえで、実験結果には必ずばらつきがある。少なくとも5回実施して上限下限の2例を除いて平均をとる等が必要だが、それをやるかやらないかは、その時の判断にゆだねられることもある。
また、たとえば目標値が「100未満」の実験において、実験結果が99ならばOKだが、101の場合をNGとするかも、担当エンジニアのセンスに託されることがある。
今回のダイハツの事例のように、最終工程へ開発遅れのしわ寄せが継承されてきた場合、しかも実験のチャンスが一度きりの場合ならば、数パーセントの外れは「見なしOK(※目標値未達だが実験誤差を加味して±10%の範囲なのでOK)」とする判断はあり得る。
この事件は、その後、2024年になって、国交相が認証試験のやり直しをしたり、認証取り消しをしたりしている。また、トヨタも現場に人を送ったりしているようだ。
体制や組織そのものが、これらを是としてきた組織なので、本当に変わるのは大変難しいだろうが、今後も注目していきたい。