温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

祖母姫ロンドンへ行く! 椹野道流著 読了 〜あまり経験のないお年寄りと一緒の豪華旅行とバッドガールの行動が新鮮〜

2024-12-10 20:05:10 | 
この本は、おそらく以下の朝日新聞紹介記事を読んで、面白そうだと思って図書館に予約したと思った。
興味は、自分が70歳を超えて、色々今までとは違う自分を知ることが多く、こんな人間でなかったのに!と思うことが多くなったことと、女性独特の見識というか、視点というか、目のツケ泥が面白そうと思ったからだ。
 「祖母姫」とは何か? 我が儘(まま)で「姫」同然の「祖母」のこと。
八十過ぎの「祖母姫」のたっての願いでロンドンに連れていくことになった。
だが、介助の経験はない。長いフライト、食事の気遣い、移動の面倒、トイレ問題……と想像しただけでめまいがしそうな著者の若き日の旅の回想記である。

「祖母姫」は派手好きで、豪華で優雅で美しいものしか許さない。大英博物館では建物の重厚さは気に入ったものの、ミイラやロゼッタストーンについては「干物や石ばっかり見せられてもね……」とパス!

 独特の審美眼と価値観でぴしゃりとコメントするさまが堂にいり、「偉そうで我が儘で厄介な婆(ばあ)さん」であった祖母が徐々に「頭の中に莫大な記憶と経験と知識を詰め込んだ、偉大な人生の先輩」へと変わっていく。
祖母の半端でない自己肯定感が、「自分を信じて努力した結果」であるのを学ぶのだ。
なにしろ楽しく読んだ。自分も海外は、いっぱい行ったし、イギリスも何度か仕事で行った。しかし、私の経験は、時々ビジネスクラスで行ったことがあるけど、ほとんどエコノミークラスで、ツアーなどでも一番安いホテルか、ノボテル、メルキュールなどのビジネスホテル中心。だから、下のジュディさんの感想にもあるように、ちょっと違った経験を疑似体験する感じだ。そして、お年寄りあるあるのエピソードが面白い。
大半面白く、1日2日で読んでしまった。いつも良く読む本とは違った、肩の凝らない本で存分に楽しみました。やはりこういう本が楽しいですね。サスペンス、政治、科学的な理論やビジネス本など難しい本と交互に読みたいですね。
Amazonの紹介文は以下の通り
正月の親戚の集まりで英国留学の思い出話を披露した孫娘(著者)に、祖母が「一度でいいからロンドンに行きたい、
お姫様のような旅をしたい」と告げたことから、一族総出で支援する5泊7日の豪華イギリス旅行が決定!
だが、そもそも著者が留学で培ったのは「行き当たりばったり体力勝負の低コスト海外滞在」ノウハウで、高齢の祖母をお姫様のようにもてなす旅とは真逆のスキルだ。
資金面こそ親族の全面フォローがあるが、慣れないツアコン(秘書)役を任命された孫娘の心には不安しかない。
下はAmazonのジュデイさんの感想
ジュディ
Solidarity Forever!
ファーストクラスで最高級(リッツとおぼしき)ホテルに5泊のロンドン旅ってなんてブルジョワ。
まばゆいフレームだがコンテンツにはさしてそそられなかった。特にオリエントエクスプレスで田園地帯を走り抜けるディナーは窓外が真っ暗で、配膳係が犇めくなんて、モンティパイソンのフィルムを見てるみたいな可笑しさ。
例外はハロッズでの買い物。あのように納得して自分のものを手に入れられるのが底力。杖はお祖母さまの頂点と感じいる。
 この祖母と孫娘の、血縁にもとづく関係性ではなく、バッドガール性を早々に披瀝したことで周囲のサーヴする側の人々にかきたてた関心と共感のあらわれが稀有な傑作ドキュメンタリーを産んだと思う。
ダウントンアビーもあそこまで人気だから読者の素地は十分整ってるし。
 母方の祖母だから苗字もおそらく違い、著者の説明では面立ちも父系でということで、年配老婦人と世話係に見られつづけたのが幸い、面白い物語が最後まで続いたと思う。
 サーヴァント=サーヴする・仕えるクラスと仕えられるクラスの差は決定的。著者を連帯感で助けた面々のエピソードが実に面白い。
Dr.であることも明かさず、ソウルメートも働く人であるので、連帯感が最後まで崩れずにいてよかった。特に夜間ドライヴの顛末は圧巻!

地雷グリコ 青崎有吾著 読了 〜単純なゲームにちょっとルールを加えるだけで多くの推理が必要な楽しいゲームとなるんだ〜

2024-11-01 17:15:07 | 
感想は、面白かった!につきます。食事をしたりするのがもどかしいほど。
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。
罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。
次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。
内容は、目次は以下の通り4つのゲームの話。読み出した初めは、すべて別の話かと思ったけど、主人公は同じ。
1.地雷グリコ
2.坊主衰弱
3.自由律ジャンケン
4.だるまさんがかぞえた
5.フォールーム・ポーカー
地雷グリコは、普通のじゃんけんして進む「グ・リ・コ」。坊主衰弱はトランプの「神経衰弱」、自由律ジャンケンは、普通の「ジャンケン」、だるまさんがかぞえたは、「だるまさんがころんだ」、フォールーム・ポーカーはトランプの「ポーカー」、しかし、新たなルールが追加される。それだけなのだが、追加されたルールのおかげで、相手の手を読む必要が出て、非常に複雑な読みが必要になる。このあたりの設定が絶妙で面白い。単純なゲームに複雑な読みが必要となるという設定が絶妙に面白くしていると思う。この小説はまさに推理小説かな?主人公はゲームの天才で、最初から相手の行動を読み先手を打つ。その辺の醍醐味が面白い。
ネタバレになるかもしれないけど、下のサイトにもっと詳しく、それぞれのゲームにどのようなルールを追加しているかが書かれているので、興味があり、ネタバレを恐れない人は参考にしてください。
読書好きの間で話題になっている「地雷グリコ」がめちゃくちゃおもしろかったので、これはもっといろんな人に読んでもらいたい!という気持ちで感想文を書いていこうと思います。
作中には、誰もが知るゲームに少しアレンジを加え1対1の頭脳戦に仕上げたゲームが5つ登場します。
これらのゲームに挑むのは変わり者の女子高生。様々な対戦相手を前に、徹底的に思考を読み切る過程が気持ちいい騙し合いのゲームです。
この本はいつものように朝日新聞の書評から興味を持ったんでしょう。書評も載せておきます。
まさに破竹の勢いだ。
先月、わずか一週間の間に本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞、そして山本周五郎賞を受賞。十一月の刊行のため、昨年の各種ランキングは対象外となったが、今年、冠はまだまだ増えるに違いない。
主に描かれていくのは、五つのゲームだ。主人公となる高校一年生の射守矢真兎(いもりやまと)がまず挑むのは、「地雷グリコ」。
文化祭で一番人気の屋上に出店できるわずか一団体の座を摑(つか)むため、クラス代表として、常勝チーム生徒会と対戦する。
白状すると、年齢のせいか、私には、すべての話のトリックというかゲームに勝っていく詳細な内容は100%追いきれませんでした。特に最後のポーカーはついていくのが難しかった。でも、その辺りは読み飛ばしても楽しめた。
最近ちょっとも白くない本ばっかりだったので、今回は大リーグのドジャース、ワールドシリーズ優勝のTVを楽しむ合間でも、非常に楽しく読めた。
Amazonの書評も一つ載せておきます。
フィットル
5つ星のうち5.0 最高
嘘食い、カイジ、ライアーゲーム、ACMA GAME、…
頭脳バトルものってめちゃめちゃ面白いですよね。
この本でたっぷり楽しめます。
このジャンルで大事なのは、
・シンプルなルール(読者がルールの理解を諦めてしまうレベルでは全く面白くない)
・納得感のある勝利(ルール違反がなかったことを読者が完全に理解でき、読者もその発想さえあれば真似ができる方法)
・ゲーム情報の適切な開示(実はこんなことしてました、は最小限であってほしい)
・ロジックのストーリーテリング(プレイヤー視点、観客視点の情報開示・解説が読者の興味を持続させる)
・派手などんでん返し
あたりだと思っていますが、この本は完璧です。
さらには全体をつなぐサイドストーリーもちゃんとオチがついて、読後感が爽やかでした。
いやーー最高です。
もっと続きを、何卒ぜひお願いします!!

大掴み源氏物語 読了〜源氏物語大掴みできました〜

2024-10-22 11:30:32 | 
実は私は、図書館から借りた本を読む以外にも、ハマっているものがある。それはまずは朝日新聞の新聞小説「C線上のアリア」湊かなえ著を読むことと、NHK大河ドラマ「光る君へ」を見ることだ。どちらも10年、いや30~40年くらいしたことがないことをやっている。その中で、「光る君へ」は源氏物語ということで、手っ取り早く、それこそ源氏物語を大掴みしたくてこの本を借りた。約250ページだが、3日ほどで読めた。漫画はこれが良い。だけど、いつも漫画は買うと(酢本の数冊しか買ったことはないが)すぐ読み終えてしまって損した気になる。

大掴源氏物語 まろ、ん? 単行本 – 2002/1/30 小泉 吉宏 (著)
これ1冊で『源氏物語』全部を読んだ気になれる!著者曰く、『源氏物語』の世界をより知るにつれ、のめり込んで面白くなり、たくさんの方々に是が非でも伝えたくなってしまったい、
衣装など時代設定もおろそかにはできなくなり、気がついたら構想から6年、制作の実作業に3年もかかってしまいました。それだけにこの書は必読です。一帖8コマ、全54帖。

The Bamboo Cutter
5つ星のうち5.0 実に好い!
肩が凝らず、簡潔で分かりやすく「源氏物語」の全体主旨が理解できるのでとても好い。
この種の装丁・内容は、とりわけ生真面目な学校の先生にとって優等生的な「教科書」的でない ゆえに、批判・敵視されがちだが、所与の目的のために実に合理的で好い。
著者も述べて居られように、本書で全体を知った暁に、現代語訳であれ、注釈を頼りつつ原文に 触れるなどして、次の一歩を進められれば、所期の目的は正確に達成できる。
とりわけ、著者6年の年月を費やして、頭に汗をかきつつ、現にある後世の資料にある「誤り」 をも正しつつ(→つまり厳密な校正への注意を怠らず完成させた著者の熱意と努力に脱帽である。
「漫画」で「軽妙に・愉しく」とは言えども、源氏物語の複雑な人間関係(→とくに同一人物で も出世して肩書が変わったり、親子になったり、天皇として即位したり、退位・譲位したりして、 余計わかりにくい関係)を追うのは”楽”ではない。
上の方が、述べているように複雑な人間関係は、このような漫画でその都度一部を紹介してくれないと、もうとてもついていけに年齢だ。並行して読んでる新聞小説「C線上のアリア」もおばやら、元カレ、その姑、友達などがいろいろ出てきて、この人誰だっけとなって、メモを作ったくらいだ。
話がそれましたが、大掴みという目的は短時間で達成できました。今後は、何か現代語訳の源氏物語を読んでみるかな?すでに持っていたような気がする。

なぜ鏡は左右だけ反転させるのか―空間と時間から考える哲学 加地 大介著 読了〜科学ではなく哲学として考察した本、やはり私には哲学は難しい〜

2024-10-18 22:03:27 | 
この本は、以下の朝日新聞を記事を見て『なぜ私たちは過去へ行けないのか』という命題や時間の概念について、以前から興味を持っていたので予約。4日ほどで読了しました。でも、飛ばし読みです。
科学的内容かと思ったのですが、哲学入門という感じの本です。
哲学的論理説明のあたりは半分以上理解できなくて読み飛ばしました。
「なぜ鏡は左右だけ反転させるのか」 [著]加地大介
 加地さん、ごぶさたしています。2003年に『なぜ私たちは過去へ行けないのか』という著書をいただいたのですが、そのとき私は、だって過去なんだもの行けるわけないじゃんと、読まないままにしていました。
すいません。愚かでした。今回、かつて後半にあった鏡の謎を前半にもってきて、過去の謎を後半へと入れ替え、増補・改訂版として出されたので、ようやく読ませてもらいました。
 まず、なぜ鏡は左右だけ反転させるのかという問題に、マーティン・ガードナーの説明が紹介され、私は加地さんとともになるほどーと思い、
でも、と加地さんが考え直してまだこれじゃだめでしょと論じるところでそうだよなーと思い、続いてネッド・ブロックの議論が紹介され、
私は加地さんとともになるほどーと思い、でも、と加地さんが考え直してまだだめでしょと論じるところでそうだよなーと思い直すという、
いわば脳みそがマッサージされているような感じになりました。
以下がAmazonの一つの書評。この方は「著者なりの回答」に対して理解した上で納得云々と言及していますが、残念ながら、私は一部理解できたところもあるという程度の理解でした。
無気力
2003年に刊行された『なぜ私たちは過去へ行けないのか』に加筆修正を行ったものである。
第1章は新たにタイトルに採用された鏡に左右反転を扱う。第2章は旧版のタイトルにあったタイムトラベルを扱う。
この二つの章のみによって構成されているが、この章の順が旧版から入れ替わっていることが大きな変更点である。
その他、エピローグが追加されるなどの手が加えられているので、旧版を読んでいる人であっても、あらためて読み直す意味があるものとなっている。
いずれの問いについても著者なりの解答が与えられている。その解答に至る思考の過程が丁寧に記述されているのが本書の特徴である。何より、哲学者の手の内を見るようで興味深い。
ただ、いずれの問いに対しての著者なりの回答については、それが納得出来るものかどうか判断が分かれるところだと思う。
教科書用として書かれたものであり、著者の講義では、そのあたりの理解しにくい点は解説がなされているのだと思うが、本書だけではどうしても理解が難しいところが残る
わからないなりにも、一部興味を引いたキーワードがありましたのでいつものように以下に紹介します。
ーリンクに紹介したサイトで述べているように鏡像反転のプラカードで縦読みの「山本」は「山本」のままなのに、横読みの「山本」は「本山」に変わっています。そう左右は反転しているのに、上下は反転していません。よく考えると不思議ですね。
プラカードの図は下のリンクで確認してください。
鏡像反転という現象をしっかり理解するために、たとえば図1のようなプラカードについて考えてみましょう。
 このプラカードは、縦の方向にも横の方向にも「山本」と読めるようになっています。では、これを鏡に映してみましょう。すると図2のようになります。
図1 プラカード
図2 プラカードの鏡像1
 そう、縦読みの「山本」は「山本」のままなのに、横読みの「山本」は「本山」に変わっていますね。つまり、上下は反転しないで左右だけが反転しています。
ーウエシタトヒダリミギ。ここでは上と似たような事象を図で説明している。曰く、両者の前を重ね合わせるために、ウエとウエ、シタとシタを一致させて回転させる見方と、両者のヒダリとヒダリ、ミギとミギを一致させて回転させる見方である。これは本の図を見て確認しないとわからないかもしれません。
ー鏡像反転という現象には2つの見方がある
(a)回転軸を基準とした反転関係にあるものとして、物体とその鏡像を捉える見方
(b)平面を基準とした面対象の関係にあるものとして、物体とその鏡像を捉える見方
ー左右に関するカントの洞察は、「知性」や「概念」のみによる理解に抗して何らかの意味での「感性的な」理解を必要とする空間的性質の存在を合意しているように思われます。
ー私たちが重力の中で生きているという、あまりにも当たり前すぎて意識もしない事実が、鏡を見るというごく些細な日常的認識までも強く支配していることを示すことによって、むしろ意識されないものの中にこそ大きな力があることを、鏡は教えてくれたとも言えるでしょう。
ーしかし、タイムトラベルは理論的に可能であると主張する物理学者や数学者がたくさんいます。回転宇宙、ワームホール、タキオシ、陽電子などという現代宇宙論や量子論の道具立てを用いてタイムトラバルが可能であることを主張する論文が、権威のある科学雑誌に掲載されたりしているのです。
ー「過去と未来の最も根本的な相違は何か?」
ーさもなければ、おそらく過去への旅の出発時点に存在する個体と到着時点に存在する個体とが何の関係も持っていないような過去への旅のみが可能だということになるでしょう。
すいません、今回のキーワードは、私自身も、ここで書いた意味が100%わかっていると言えないものが多いので、皆さんもさぞかしわかりにくいと思います。
哲学に興味のある方、あるいはこのブログを見て少しでも興味を持たれた方は、ぜひこの本を一読されることをお勧めします。

以下のサイトにこの本の内容の一部が紹介されているので、リンクを貼っておきます。
本記事では、本書の第一章の前半部分を公開します。
ぜひ、ご一読ください!
1.鏡像反転の謎
私には、鏡を見ると独り言を言ってしまう妙な癖があります。目の前に映っている自分の像に対して知らずと「馬鹿だねえ」とか「情けないなあ」などと語りかけてしまうのです。
鏡に映った自分を攻撃する鳥や昆虫の類と頭の作りが大して変わらないのでしょう。
妻は、そんな私を見ては「ああ、またやってる」という感じの冷たい視線を浴びせるのですが、ほとんど条件反射のようなものなので、どうしようもありません。

自衛隊の闇組織 読了〜期待はずれでした〜

2024-10-14 11:07:55 | 
このところ、図書館に予約した本がなかなか順番が回ってこなかったので、しばらく本を読んでいなかった。また、結構家でやることがあって、やっと順番が回ってきたこの本を久しぶりに読了。
下のAmazonの書評にも何人か同じ木っけ家の人がいるが、私もVIVANTをみて、「別班」という言葉を、過去に聞いたことがあるなと思い興味を持って予約を入れた。
しかし、下の人の評価と同じく、「別班」の新しい情報が得られることはなく、期待はずれ。途中でやめようと思うくらいの本でした。
しかし、評価の高い人もいるようですね。
虎熊豹象
国際情報収集に対して考える端緒にはなった
国際外交関係を構築していく以上、情報蒐集は不可欠事項で有り、本文で詠われている様な事実は予想の範囲内で別段驚かない。
これらを粘り強く記事として上梓し、追及の嚆矢とされた事には敬意を表するが、何処も曖昧で決定打とはいいがたく限り無く灰色の感。
こういった組織は必要にも思うが尻尾をつかめないのも現状であろう。推測の域を出きれないまま。
 インタビューして決定打にならないけれど類推すれば…。繰り返し。これらを総合的に見て読者の判断を待つ。かな。
こういう私にとって、ハズレの本もありますね。
もう一つ、Amazonの感想を載せておきます。
kuninori ito
星1つの方のレビューを読んでから購入すればよかったと後悔した書籍。
隠された真実は簡単に書籍になどなるものではないと再確認できました。内容が冗長で偏っており、時間を無駄にした読後感が残りました。
半分ほど読んだところで感じたことは、取材相手や取材内容が変われど同じパターンの繰り返しで読むのが面倒になり、かなりの速読になりました。
とにかく、☆1つの評価の方々が書いておられる通り、別班及びその事実を知っているであろう方々に会いに行く、お酒を飲んで真実を聞きだす取材の繰り返しで、今度こそ新たな事実を読ませてもらえるのかと思いきや、奥の奥の真実にまでたどり着くことはなく肩透かしを食らって終わってしまう内容で辟易とします。
中略
読み終えた収穫は、このような表面しか追わない真面目だけど理屈先行のサラリーマン記者に対しては、
すでに自衛隊出身者が出版済みの書籍の内容にほんの少し色を付けて話しておけばいいだろうと手玉に取られていたんだろうということで、
ということは別班というものはおいそれと表に出せない存在として現在も活動しているのだと思わせてくれたことです。

列 中村文則 読了 〜人生を列に例えるのは興味深いかも〜

2024-08-15 15:02:53 | 
この本は、1〜2週間ほど前の確か王様のブランチで紹介されたものを予約したと思う。
男はいつの間にか、奇妙な列に並んでいた。
先が見えず、最後尾も見えない。そして誰もが、自分がなぜ並んでいるのかわからない。
男は、ある動物の研究者のはずだった。
現代に生きる人間の姿を、深く、深く見通す――。
競い合い、比べ合う社会の中で、私達はどう生きればいいのか。
この奇妙な列から、出ることはできるのだろうか。
ページをめくる手が徐々に止まらなくなる、最高傑作の呼び声も高い、著者渾身の一作。
私は列に並ぶのは嫌いだ、唯一並ぶのは大晦日の淡路町で老舗の蕎麦屋で、20〜30人の列に並ぶのと、初詣で初参りの愛宕神社の列に2,3時間並ぶことぐらいしかしたことがない。ラーメン屋などは10人くらいが限度かな。

この本の内容は、列に並ぶ人たちの悲喜交々なのだが、下のAmazonの書評を書いた人の通り、白昼夢、幻覚や、回想、列を人生と見做したりで、結構私には難解だった。傑作と評する人も多いようだが、私には、そこまでとは思えなかった。
単なる列に並ぶ人の話と思って読むと、全く違う。感想としては、いろいろ深い内容だと思うが、私には、すごく面白いとは言えないものであった。
恒例のの気になった一説は
ー欲望を、個が耐えられる範囲を超えた状態にまで、感じさせられていく。人を苦しくさせるものは、これもあるのだろうと思った。:私も、人間は欲望を追求することで、ここまで科学技術などを発展させてきたが、限界が近いかもしれないと思う。

Amazonの書評を紹介しよう。長いので途中まで。
三好常雄
仕掛けに凝った傑作作品と読んだ。丁寧に読むと全体が主人公の白昼夢だと判る。
第一部は列に並んでいる草間が、猿を見たような幻覚から意識が混乱するなかで「思い出したくない昔」を思い出す場面で終わり、第二部はその幻想シーン。
第三部で再び列にいる自分を発見するが、夢はまだ第二部の続きであり、最終頁で再び眩暈を覚えて意識が途絶えかかる。従ってこの本全体が、想像力が豊か過ぎる主人公;草間の見た「悪夢」とも言える想像劇なのである。
このような構成になる必然は、作者はこの世界のあり様を、リアリズムに依らず、かと言ってデストピアにも依らないで形で切り拓く「表彰様式」にしたかったからだ。

構成は奇抜でも、中村文則氏の癖である「過剰過ぎる説明」のお陰で意味は明解である。「列」は人間社会を構成している「序列」を示していることは直ぐ判る。
人々はそれぞれの活動分野で意識的、無意識的に、自分の立位置を見極めながら生活しているのを、著者は「列」という具体的な並びに変えて例示してみせる。
列を詰めるときの進捗感、隣の列が前進するのを見るときの焦燥感、列を離れるときの開放感や不安感など、一つ一つの具体例は身につまされる。

第二部ではそういった人間の「序列」意識を猿との比較で例示して見せる。

ハンチバック 市川紗央 著 読了 〜紙の本を読むというのは健常者のみに許される特権?〜

2024-08-08 15:44:39 | 
この本は、以下のAmazonの紹介記事を見て分かるように、昨年の第169回芥川受賞の作品です。著者が障がいをもつ人であることや、その言動が気になって、読みたいと思って図書館に予約を入れていたが、200人とかの予約数で所蔵書が20冊もあるにも関わらず、数ヶ月待ちの状態で、一度は順番が来たにも関わらず、東京へ行く用事と重なって、キャンセルせざるを得ず、再度予約し直したりしてやっと順番が回ってきた。今日確認したら、予約数は16となっており落ち着いたようだ。
第169回芥川賞受賞。
選考会沸騰の大問題作!
「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」
井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。
さて、内容だが、下の方の感想と同様、すごい小説という言葉が出てしまう。ハンチバックという言葉はしらなかったけど、「ノートルダムのせむし男」の原題に使われていたのですね。
障害を持つ人の気持ちは健常者には絶対わからないと思うので、私はわかったふりをするのも嫌いだし、わかったふりをして「よりそう」だとか発言する人は嫌いだ。
下の方のブログにもあるように、この小説の主人公は、筋疾患先天性ミオパチーによる症候性側彎症という病気で、背骨がS字に湾曲している、とのことだ。人工呼吸器を使い、電動車椅子を使い、自分の親がお金持ちらしく、親が所有するグループホームで暮らす。よって、お金にはまったく困っていない。両親が遺した財産で暮らし、グループホームも自らの所有で、現金資産も億単位であるという。という設定だ。
そして、風俗記事を書くバイトをしている。こたつ記事(こたつ記事の意味はこの本を読むまで知らなかった)を書いている。また、著者はネットやSNSは詳しいらしく、こたつ記事、ハプバなど、私の知らない言葉がいっぱい出てくる。
また、裏アカで<妊娠と中絶がしてみたい><私の曲がった身体の中で胎児は上手く育たないだろう><普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢です>などと呟いている。

これらの状況というか設定は、私が今までに読んだ本ではなかったものだ。
その他、日常化した人工呼吸器での痰吸引の様子は、健常者が知り得ない障害者が過ごす日常をリアルに淡々と描いていて、彼らの苦労の一部がわかったということではなく、健常者にはわからないことだらけなのだろうという感想を持った。
もうひとつ、著者は主人公に以下のように語らせる。
「目が見えること、本が持てること、ページが捲れること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に書いに行けることーーーという5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズムを憎んでいた。」
そう、本を読むことは健常者の特権?健常者には気が付かないことだ。
紙の本、なんとかしてくれということだと思う、彼女のような障害のある人には電子図書の方が紙の本より扱いやすいあるいは電子図書でなければ読めないってことなんだ。
その他、以下のような記述もある。
ーこちらは紙の本を1冊読むたび少しずつ背骨が潰れていく気がするというのに、紙の匂いが好き、とかページをめくる感触が好き、などと宣い電子書籍を貶める健常者は呑気でいい。
ー完成された姿でそこにずっとある古いものが嫌いだ。壊れずに残って古びていくことに価値のあるものたちが嫌いなのだ。生きれば生きるど私の身体はいびつに壊れていく。

また、我々はSNSの弊害を事件のたびに話題にするが、障害のある人にとっては、SNSが人並みの体験や日常から離れる貴重なツールだということを知った。SNSについて語るときは、その事実を踏まえることが必要だと思った。
難解だけど、すごい小説でした。

一筋縄ではいかない、すごい小説を読んでしまった。

タイトルのハンチバック。
読み進めるまでその意味が分からなかった。知らなかった。
途中出てくる「せむし」という単語にルビとして添えられていたのが「ハンチバック」という単語。
なるほど、せむし、を意味するんだ。

「ノートルダムのせむし男」という映画の原題を調べてみたら、
The Hunchback of Notre Dameとあった。

最後に、Mr.サンデーのYouTube動画を貼っておきます。本人も登場して、彼女の執筆する様子も見れる。なかなかよくできた内容だと思う。ぜひどうぞ。


おとな六法 読了 〜「ウルトラマンが怪獣と戦う中で街を壊すのは犯罪ですか?」答えられますか?答えはこの本で〜

2024-08-06 10:34:47 | 
この本も多分朝日新聞の書評を読んで、借りたと思った。
内容は、法律に関する簡単な疑問「ウルトラマンが怪獣と戦う中で街を壊すのは犯罪ですか?」、「日本一多い犯罪ってなんですか?」、「刑務所の中って、娯楽はありますか?」「一番時間がかかった裁判ってなんですか?」、、、、などに答える内容。私にとっては、知っているものが多かったけど、中には知らないものがあって面白かった。
それぞれに質問に2、3ページで簡潔に答えてあって、400ページ強だけど、毎日1時間ちょっとかけて4、5日で読めた。なかなか複雑なことを2、3ページで表しているのは、著者は相当実力があると思いました。

この著者はアトム法律事務所の人なので、ある意味でその宣伝みたいに感じる。しかし、この事務所は下にあるようにネットでいろいろ発信しているようで、そのユニークな取り組みは良いと思う。

いつものように、心に残ったものを以下に紹介します。
ー「デスノートに名前を書いたら殺人罪ですか?」:結論は本で読んでほしいですが、このような質問に真面目に答えてくれるのは嬉しい。
ー「ツーブロック禁止って、ブラック校則になりますか?」:個人的ということわりがあるけど、そうみたい。
ー「南極で犯罪が起こったら、どこの国の法律で捌かれますか?」:南極には保立がないとのこと、これは知らなかった。じゃあ、どこの国の法律かは本で。。。。。
ー一番高い罰金って、所得税法違反になった時とのこと、これも思っていたのとは違う内容だった。
ー死刑の時、刑務官が押すボタンは3つあって、誰が押したかわからないようになっているとのこと。これは、聞いたことがあるようなないような。
ー「裁判官にまつわるヤバい話ってありますか?」:これは、知らなかったけど、結構すごい話だなと思った。

面白い本でした。今話題の本のようです。確かに納得の内容でした。
新聞 ・朝日新聞朝刊(24/01/27)「売れてる本」コーナーで書評掲載
・東京新聞(24/01/13)書評掲載
・中日新聞(24/01/14)書評掲載
・読売新聞(23/11/13)書評掲載
・週刊実話(23/11/30)著者インタビュー掲載
・週刊ダイヤモンド(23/10/28)書評掲載
・文化通信(23/11/02)
・新文化(23/11/06)
・福島民報(23/10/07)書評掲載
・千葉日報(23/10/13)書評掲載
・山陽新聞(23/10/03)書評掲載
・中国新聞(23/10/05)書評掲載

Webメディアなど
・女子SPA!(23/11/06)
・ダ・ヴィンチWEB(23/11/02)
・アスキーデジタル(23/11/16)
・ITmediaビジネスオンライン_全8回(23/11/23、25、27、29、12/1、3、5、7、8、30)
・有隣堂書店YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」で紹介!(23/10/17)
・トーハンYouTubeチャンネル「出版区」で紹介!(23/10/06)(23/10/09)

YouTube登録165万人超。
大人気動画100万再生以上を中心に厳選!!
一家に1冊備えておきたい六法。

POINT1 YouTubeショート動画で人気だった動画を丁寧に解説
POINT2 アニメ・ゲームの世界から学校・職場までの法律問題を網羅
POINT3 法律に全く興味がない人が読んでも、楽しめてためになる

あきらめる 山崎ナオコーラ 著 読了 〜新しい未知の土地に移住する際にはエリートだけでなく「弱者」が不可欠だそうだ。そうだろう!〜

2024-07-24 20:21:50 | 
この本は、おそらく朝日新聞の批評欄かなんかで読んで、「あきらめる」の語源と火星移住というキーワードに反応したと思った。
「あきらめる」 [著]山崎ナオコーラ
 たしかに現実世界だけれども、ちょっと違う。「すこしふしぎ」な方のSF小説だ。
 早乙女雄大は川沿いを散歩中に、子供を連れた同じマンションの住人・輝(あきら)に出くわす。
輝は「親と見える人」だ。ジェンダー(社会的性差)は薄まり、性別を表す言葉は避けられている世界。ゆえに、母も父もない。
態度や言葉選びを細かく配慮する雄大は、アップデート済みの価値観を持つ〝成熟者〟である。
 成熟者とは、老人・高齢者・シニアと呼ばれることを好まない人々が増え、新しく生まれた流行(はや)り言葉。
かように言葉は時代と人の心を映す。
タイトルの「あきらめる」も然(しか)り。語源は「明らかにする」だから、古語の「あきらむ」は物事を明晰(めいせき)にする、よい意味合いだったという。

火星移住についてはイーロンマスクもご執心なので、興味を持っていた。だから、実際火星移住って小説で書くとどうなのかという興味がいっぱいだった。それを裏切らない内容だった。私は、火星移住のまじめな技術的難易度などの情報より、本当に火星移住したら、普通の日常生活はどんなのようになり、何が不便で、何が便利なのかという日常生活を想像することに興味がある。
上の書評にも書いてあるけど、火星に移住することが可能になる未来では、老人・高齢者・シニアと呼ばれることを好まない人々は、成熟者という言葉を使うようになるというのは、面白い。高齢者、elder peopleでなくてポジティブな成熟者という言葉を提示した著者は大したもんです。

この著書のストーリーとは関係ないが、著者の想いが溢れていると私が思った気になったキーワードを、いつものように紹介する。
ー大学などの機関から地位が与えられたアーティストだけが堂々と意見を言い、在野の人間には発言権がない。世間の人々は、肩書きのある人だけをアーティストと捉えている。”著者は、色々な場面でこのような経験をしているのだろう”
ー過去も未来も見えなくなり、社会に居場所がないと感じられるとき、悪口はいくらでも思いつく。”SNSでの誹謗中傷などが話題だが、そうか、みない場所がないと感じてるんだ”
ー「社会批判を論理性を持って行う」。国や社会の批判をしなければ生き残れない。つまり、国を批判しながら国に与する、という複雑怪奇なことをしなければならない。”ああ、ありそう。コメンテーターもそうかな?”
ー(火星への移動中の生活)ただ、いつもふわふわと浮いて移動しているわけで、天井でも床でも、手で触りに行くのは同じ行動だ。収納は、天井、左右の壁、床、すべてが利用されている。言葉では「天井」「床」などと呼びつつ、使い方はどの壁も同じ。”御意。著者は経験者にヒアリングしたのかな”
ー・・・、と強靭な精神を体力を持ち、IQが高く、リーダーシップが取れる働き盛りの人たちが集まり、火星基地を築いていった。だが、街ができ、社会が生まれ始めると、どうにもうまくいかないことが増えた。”まあ、未知の世界に人を住まわせようとするとき、優秀な人を優先的に活かせようと思うだろうね。でも、それでは、うかむいかないんだろう”
ー人間社会の維持には「弱者」の活躍とそのケアが不可欠であること、そして、その「弱者」が誰であるかの事前の規定には意味がないということが新しい常識になっていった。”今の政治家やどっかの首長に聞かせたいし、この本を読んで自らのアクションを振り返って改善して欲しい”
ーためし行動とは、自分が愛されているかどうか不安な子供が、親にどこまで受け止めてもらえるかを試すために反抗的な態度や暴力的な行為を繰り返すことだ。”私は教育に関しては素人なのだが、教育のプロには常識なんでしょうね。”
ー火星の人口は地球に比べてぐっと少ない、それでいて設備やスタッフは充実している。そのため、病院などでの待ち時間は地球の公的機関では考えられないくらい短かった。”このような火星での日常生活の記述が、私には興味深い、このことをわざわざ記述している著者は、わたしと同じ興味の視点を持っているようだ。”
ーファザー・コンプレックスという古い言葉を聞いたことがある。その言葉の、本来の意味はよく知らない。とにかく、その略語がファザコンだ。今では親の性別を表す言葉は滅多に使われなくなっているから、ファザーもファザー・コンプレックスもファザコンも、新聞でもインターネットでもほとんど見ないし、聞かない。死語というものになっている。”なるほど、なるほど”
ー地球の山だったらさ、登山開始直後は、民家があって、木や花があって、登るにつれて、だんだん低い木ばかりになって、花も素朴なものになって、やがては植物が全然なくなって、岩だらけになって、空気が薄くなって、・・・・・って、その変化が、なんていうか登山の一歩一歩を応援してくれるんだよな。”火星では、酸化鉄の赤い砂や赤い岩ばかりで、登山の際の景色の変化がないことを記述している、これも、なるほど!。”


女らしさは誰のため? ジェーン・スー 中野伸子著 読了〜正解や最適解を得られずに悩むことが我々の繁栄に寄与したのかも〜

2024-07-13 17:56:42 | 
この本は、カミさんの希望で借りた。ジェーン・スーのTBSラジオ「生活は踊る」は私の愛聴番組である。東京へ行く車の中でラジオクラウドでいつも聴いている。
カミさんの読みたいという要望で借りたのだが、ラジオで興味があったので私も読んでみたら、なかなか興味深いキーワードがいっぱいあった。以下に列記する。

ー中野:「若さ」や「美人」のように、一般的に「得」と世間にみなされているものは、ほとんど長期的には使えない価値なんだよね。
ースー:おっしゃる通り、すべての人類は今日が一番若い。そして明日になると1日分、年を取る。
ー中野:損得というのは必ずしも一元的ではない、金銭的報酬・物理的報酬だけが報酬ではないんです。人間としてどう扱われるか、という社会的報酬、もっとシンプルな感覚的報酬、知的好奇心がみたされる知的報酬もある。
ー「おごられる」ことは相手の支配を受け入れること、中野:私自身は、おごられることはそう好きな方じゃない。ちょっと気が重い・・・・「自己決定権を手放すことことにつながりかねないから」なんだよね。
ー「男ウケ」と「女ウケ」。中野:「加齢による劣化を少しでも感じさせない」ということにいつも心的リソース割かなきゃいけない。・・・・でも女ウケを考えた場合は、価値が目減りしないんですよ。
ースー:保守系の女性政治家って保守的な男性にウケが良いスタイリング、メイク、髪形をしているよね。あの界隈では「男ウケする女」のほうが都合がいいのかな。
ー東大のサークル。中野:飲み会の支払いは「東大男子5000円、女子は1000円、東大女子は3000円」みたいな価値設定になるんです。
ー中野:仕事ができない男の課長はいても、仕事ができない女の課長はいないからね。
ースー:今後は「仕事ができない女性管理職」が爆誕していいんですよ。
ー中野:IQが高いからといって生きやすいわけでも何でもないしね。スー:説得力ある。中野:すごくあるでしょう?(笑)生きづらいですよ、むしろ、でもIQが高いと「ずるい」とか妬まれるのに、コミュニケーション能力がある人は「コミュ力高くてずるい」とは言われないんだよね。
ースー:死ぬまでの間は環境の変化に伴って「私の幸せ」を相対化させていけばいい。「これさえあれば絶対に幸せ」ではなく、幸せな状態を導く手段を変化させていくのです。
(ベティ・L・ハラガンによれば、男性は、子供の頃から個人の利益より集団の利益を重んじるゲーム(野球やサッカーなど)に親しんでいるから)相手に自分を理解させるよりも、互いの利益を減じない方法を採用するのは、彼らの方が得意なのです。
ー中野:「誰かのために生きる」って、恐ろしいことに、実に心地よいことなんだよね。
ー中野:「地球にやさしい生活を」という言葉をよく聞くけど、あれは人類の生存にとって都合の良い「完新世の地球をそのまま保つ」という意味しかないとも言える。だって、地球は別にどんな変化が起きようが何とも思わないでしょうからね。
ー中野:(正解をもとめない)バカロレアはそういう意味で、すごくいいトレーニングになるんじゃないかな、日本人は正解を選ぶ力は世界的に見ても高いはずよ、でも失敗を修正する力は低いかもね。
ー中野:あなたは選んだ答えを正解にできる人だから、と、以前、ある人に言われたことがあった。
ー中野:個性は悪目立ちしてしまうために足を引っ張る特性にもなりかねない、個性を伸ばそう、というお題目は、まあ、まずきれいごとの域を出ないといっていいだろう。
ー中野:ある確率で最適解を選ばないことが、私たちの繁栄のカギであったのなら、今もその性質が私たちの中に残っている理由が明確になる。いわば、私たちは、よく迷い、よく間違えるように仕組まれているということになる。

死ぬまでの間は環境の変化に伴って「私の幸せ」を相対化させていけばいい。「これさえあれば絶対に幸せ」ではなく、幸せな状態を導く手段を変化させていくのです。ーーー絶対的な幸せなんてない。幸せに思うことが大事。
「誰かのために生きる」って、恐ろしいことに、実に心地よいことなんだよね。ーーー安易に誰かのために生きるなんて言わないし、そうしないほうがいい。
「地球にやさしい生活を」という言葉をよく聞くけど、あれは人類の生存にとって都合の良い「完新世の地球をそのまま保つ」という意味しかない。ーーー賛成!!!

私は正解を求めたり、最適解を選ぶ会社生活は心地よくなかった。むしろ、正解や最適解をもとめられず、悩んだおかげで我々は繁栄してきたのかもしれない。!

面白く、興味深い内容の本でした。