映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』予告編1
このところ、ジャニーズの性加害問題の話題に巻き込まれているが、気分が落ち込むので、昨日は久しぶりにBSで映画を見た。タイトルは「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」、変わったタイトルだ。9.11テロの物語。ストーリーは以下に書いてある通り。トムハンクス、サンドラブロック共に好きな俳優なので、楽しみに見たが、彼らは脇役。
2005年に発表され、「9・11文学の金字塔」と評されたジョナサン・サフラン・フォアによるベストセラー小説を、「リトル・ダンサー」「めぐりあう時間たち」のスティーブン・ダルドリー監督が映画化。
9・11テロで最愛の父を亡くした少年オスカーは、クローゼットで1本の鍵を見つけ、父親が残したメッセージを探すためニューヨークの街へ飛び出していく。
第2次世界大戦で運命の変わった祖父母、9・11で命を落とした父、そしてオスカーへと歴史の悲劇に見舞われた3世代の物語がつむがれ、最愛の者を失った人々の再生と希望を描き出していく。
脚本は「フォレスト・ガンプ 一期一会」のエリック・ロス。オスカーの父親役にトム・ハンクス、母親役にサンドラ・ブロックらアカデミー賞俳優がそろう。
以下にあるように、主演の少年役はThomas Hornという人。素人らしい。素晴らしい演技。
Red beans
Thomas Hornが全力でリアル過ぎて、たかが映画だから・と突き放して観れません、ちょっと鳥肌が立つ映画です。
しかも、このThomas Horn。
役者だったわけではなく、クイズ番組に出演していた少年をたまたま観ていたプロデューサーが誘ったというズブの素人。
監督や演出、共演者が良かった部分もあったのだと思いますが、それでここまで出来るって凄まじい。
感想は、9.11の捉え方が、ヒーローではなく、一般の人で、劇的な内容ではなく、普通の人が経験しそうなエピソードで、これが本当だろうなと思った。
どうも小説の方が素晴らしく、映画は大事なところが省かれたりしているようだ。私としては映画で十分感動した。結末も、何かすごいことが起きるわけではなく淡々としている。それがいい。
大きな事件や戦争は、住んでいる人にとっては日常で、映画になるようなことは起きないが、その中に人を感動させる日常があると思う、そのようなことが表現されたこの作品は、私も傑作だと思う。しかし、この映画は日本で劇場公開されていないんだろうな。映画配給会社の忖度が気になってしまう。アマゾンプライムの作品を見ても、感じるが、そう、世の中には、日本では公開されていない良い作品がいっぱいあるようだ。
以下に、他の人の感想の一つを紹介する。
本を贈ってくれた友人に、読み終えた報告と謝意を表すると、「これこそが最高の911小説で、こういう実生活の中での葛藤を描いたものがあるべきだった」とメールで熱く語ってくれた。
普通の人達が、もしかしたら2度と癒えないかもしれないような心の傷にどう対処していくのか、それこそが今のアメリカに必要なものなのだ、と。原作はベストセラーになった。
だが、映像化された本作は、本国では不評だった。友人は憤懣やる方ないといった体で、メールで評論家たちがいかに愚かであるかとぶちまけた。
開明獣も映画を観て、これは911をテーマとした作品の中では最高傑作だと思った。
映画にしか出来ないことを、忠実にしてくれている、観るものの心に寄り添う作品だ。
これに不評な人たちは、映画はファンタジーだということを忘れてひまってるようだ。
開明獣は、こんなにも哀しくて切なくて、でも優しくて暖かい作品は、他にそうはないと思う。
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