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温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

猫の耳に甘い唄を 倉知淳 読了 〜冒頭でわかったと思わないで読み続けてほしい〜

2025-04-06 09:59:51 | 
この本を借りた動機は覚えていないけど、多分以下のTV(王様のブランチ)を見て面白そうと思ったのだろう。
a href="https://matome.readingkbird.com/entry/2024/12/21/115324">【王様のブランチ】倉知淳さんインタビュー<猫の耳に甘い唄を>(2024年12月21日 ) - えとせとら本棚
怪文書は、実は前の作品でも使ったことがありまして、得意技の一つなんですね。
今回はごく日常にいる人が出てきて、そこに怪文書が放り込まれたらどうなるかな?
警察から殺人の疑いがかけられたらどうなるのかな?
などを考えて、わりと地に足が付いた感じでやっています。

―――本作の4分の3読み進めたところで、ギョッとしました。本当に怖かったです。

―――(この本のキャッチコピーは「その企みに3度驚く」)私、3度どころか、何度も何度も驚きました。驚き、恐怖、いろんな感情にさせられた。ラストは笑えちゃいました。
いつものようにAmazonのサイトも貼っておきます。
売れないミステリー作家の冷泉彰成は、弟子の久高享に創作テクニックを仕込みながら、執筆を続ける日々を送っていた。そんな折、冷泉の元に二通の手紙が届く。
一通は女性からのファンレター、もう一通はファンレターのようではあるものの、「殺人と云う名の粛清を献上する」と書かれた怪文書だった。
不気味ながらも悪趣味な悪戯だろうと捨て置くが数日後、今度は殺人事件捜査中の刑事が訪ねてきた。被害者の女性は半年前に冷泉にファンレターを送っており、殺害当日は冷泉と会う予定だと周囲に語っていたという。
まったく身に覚えのない冷泉は潔白を訴え、一旦は事なきを得た。だが、再び殺人事件が発生。被害者はまたもや冷泉のファンだった。そして冷泉宛てにまたしても不気味なファンレターが――。
さて感想ですが、Amazonの読者の感想にもあるように、このトリックはアガサクリスティなどで有名で、そのあたりが、巻頭で書かれており、「おや、おや、トリックわかったな、借りて失敗かな?」と思ったけど、2重、3重にトリックがあり、一気に読んだ。細かいひとひねりがユニークで面白かったです。やはり主人公がミステリー作家というプロットが魅力かな?
内容について一部紹介したいけど、何を書いてもネタバレになりそうなので、残念ながらAmazonの紹介記事だけにとどめておきます。有名なトリックなので、面白くないと思っても読み続けることをおすすめします。

NHKアナザーストーリーズで「侍タイムスリッパー」を紹介していた〜「侍タイムスリッパー」は見どころ満載の映画だということがわかった〜

2025-03-29 09:52:36 | 
先日投稿した「侍タイムトリッパー」をNHKアナザーストーリーズで紹介していた。
「侍タイムスリッパー」超低予算時代劇はこうして誕生した
初回放送日:2025年3月24日
映画「侍タイムスリッパー」幕末の侍が現代の撮影所にタイムスリップ。
斬られ役として活躍する痛快時代劇だ。監督は時代劇の素人、しかも自主制作の超低予算映画があれよあれよという間に大ヒット。
日本アカデミー賞でも賞を総ナメに。
この映画が完成した裏には1人で撮影・照明・編集までこなす監督の悪戦苦闘と、時代劇の職人たちの熱い思いがあった!そして映画に込められた伝説の斬られ役・大部屋俳優へのオマージュとは!?
私が投稿した記事は以下の通り
俳優陣が、知名度の低い俳優なんだけど、皆上手い、かつ味がある。
舞台などで活躍している大ベテランらしい。確かに立ち回りもすごい迫力だ。
お金がかかっていないのもよくわかるけど、それがハンデになっていない。
アナザーストーリーでなぜ面白いのかを詳しく紹介していた。NHKプラスのアカウントがあれば、まだ数日はNHKプラスで無料で見ることができると思う。
以下に、アナザーストーリーの内容を一部紹介しておく。
監督の安田さんは、米農家である。農家の仕事をしながらこの映画を自主制作で制作したとのこと。監督やその他の色々な仕事をいっぱい兼務したとのこと。山本優子役の紗倉ゆうのさんも助監督兼任とのこと。
話としてはタイムスリップした侍が斬られ役を京都太秦で演ずるという話。
監督が、この映画を夏撮影あすると話したら、「時代劇は夏取らない方がいいよ」といわれた、実際やってみたら汗が大変だった。
予算は2500万。時代劇のブロ(床山、衣装)が集まった。(最近は時代劇が少なく仕事がないそうだ)
インディーズの良いところは納期がないこと!!
この映画の最後の方で、本身(真剣)で演技をする場面がある。これがなかなか迫力があって見どころだ。その場面は殺陣師が色々指導、この番組では、本身の刀の重みを出す演技を指導するシーンが紹介されていた。本身(真剣)のシーンの間の長さなども紹介されていた。
伝説の斬られ役 福本清三さんという方が、本来この映画に殺陣師役で出演予定だったのだが、数ヶ月前?1年前?に亡くなられたということで、残念だったとの話も紹介されていた。斬られ役の福本さんは斬られた時の海老反りが有名だったそうだ。その福本さんの衣裳を今回の殺陣師役の方が来て演技したという話も紹介されていた。
ということで、「侍タイムスリッパー」は見どころ満載の映画です。



神田伯山対談集 訊く! 神田伯山著 読了〜色々刺激的なことばがありました〜

2025-03-26 12:48:30 | 
この本は、たぶんTVの番組で紹介しているのを見て、対談相手が興味を引いたので予約したと思った。また、神田伯山の講談は、ちょっとだけ聴いたことがあり、今までの講談のイメージとは少し違った印象だったので、いつか聴いてみたいとは思っていたし、伯山という人物にも興味があった。
対談相手は以下にあるように多彩である。

“日本一チケットが取れない講談師”として、講談普及の先頭に立つ活躍を続ける六代目神田伯山の初となる対談集。
二ツ目・神田松之丞時代の2019年から真打昇進と襲名を経た2022年にかけて、『週刊プレイボーイ』誌に不定期で掲載された対談連載をベースに、今の視点から振り返る語り下ろしも収録。
激動の日々に出会った各界のトップランナー11人と交わした言葉の数々が、伯山自身の立場と心の変化を色濃く映した“タイムカプセル”と呼ぶべき一冊に仕上がりました。
カバーは“時の移ろい”をテーマに画家/イラストレーターの金子ナンペイが描き下ろし。
珠玉のエピソードの宝庫として、また、稀代の講談師・神田伯山の一時代の記録として。タイムカプセルを共に掘り起こしてもうら心持ちで、皆さまに読み継いでもらえると幸いです。

【対談相手一覧】
◆又吉直樹(芸人/小説家)
◆弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)
◆宮藤官九郎(脚本家/監督/役者/ミュージシャン)
◆アントニオ猪木(プロレスラー/実業家)
◆真島昌利(ザ・クロマニヨンズ/ミュージシャン)
◆北方謙三(小説家)
◆高田文夫(放送作家)&矢野誠一(芸能評論家)
◆中村勘九郎(歌舞伎役者)
◆中井貴一(役者)
◆寺島しのぶ(役者)
なかでも弘中綾香が伯山の「なにをしたいのか?」という問い対して「ムーブメントを起こしたいですね」と答えていたことに興味というか共感を覚えた。現役時代、自分は何をモチベーションに車の開発やエンジンの開発をしているかについて、自問したときに、「プロダクトで文化を変えたい」ということだと感じたことを思い出し、現役から離れて、言い換えれば「ムーブメントを起こしたい」かなと思った。

いかにいつものように、印象に残った対談の部分を紹介する。

弘中綾香さんとの対談で、
(神田)松之丞(真打になって白山を襲名)
大衆を扇動?(笑)。言ってることが、ほとんどナベツネですよ。
弘中
言い方を間違えました(笑)。ムーブメントを起こしたいですね
松之丞
それはどんな?
弘中
令和の・・・・生き方?女性だからどう、とかじゃなくて、その人がその人らしくあるべき生き方をしていこうよ!日本も!みたいな。だから『オールナイトニッポン』も、それを訴える1時間半にしたかったんですけど。
”これいいですね、現役で働いていた頃、世界一とか、世界初のプロダクトを作りたかった。そして、プロダクトで文化を変えたいというのがモチベーションだったので、まさにムーブメントを起こしたかったんですね。そうだ、高齢となった今、私もやりたいことはムーブメント起こしたいな!かな?”

中井貴一さんとの対談で、
中井
僕が思うのは、時代劇は大きな嘘をついてもいいけど、小さなところで嘘はつかない、というのが鉄則なんです。・・・
伯山
それ、講談も似ています。話として大きな嘘はつくんですけど、例えば日付であるとか、小さなディテールでは史実を大切にするんですよ。
”先日見た侍タイムスリッパーをみたばかりなので、時代劇でディテールにこだわっているのは感じていたばかりなので印象的でした。”

寺島しのぶさんとの対談で、
寺島
ですよね。原作の荒野さんの描写もまた、淡々としてすごみがありますよ。
伯山
・・・オビにも、「作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、作者は五歳だった」という寂聴さんの言葉があって、・・・
”瀬戸内寂聴さんもすごい作家ですね。何か作品読んでみるかな?

面白い対談でした。

「侍タイムスリッパー」を見た。〜知名度は低いようだけど、出演者の演技が上手い、味がある〜

2025-03-23 22:37:57 | 映画、TV、ミュージカル、エンタ
数日前、TVが面白いのがなくてAmazonプライムを検索してみたら、侍タイムスリッパーが見つかった。このごろ、Amazonプライムは新作が早く公開されますね。
「侍タイムスリッパー」予告編

さて、見た内容とか感想だけど、下のアマゾンの感想でも書かれているけど、俳優陣が、知名度の低い俳優なんだけど、皆上手い、かつ味がある。舞台などで活躍している大ベテランらしい。確かに立ち回りもすごい迫力だ。
お金がかかっていないのもよくわかるけど、それがハンデになっていない。
非常に楽しめました。

 本年度、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞、日刊スポーツ映画大賞では3冠、ブルーリボン賞では2冠とインディーズ自主制作としては異例の高い評価で、そこで知ったという方もいらっしゃるでしょう。
「時代劇はちょっと…」という方も「タイムスリップ時代劇ジャンルは擦られまくったネタでしょ」という方も、とりあえず見て下さい。
テレビ的には現在知名度は低い山口馬木也や冨家ノリマサは、舞台などでも活躍している大ベテラン。
「殺陣が上手い時代劇最後の世代」だけあって、ラストの立ち回りは鳥肌が立つほど素晴らしい、何度も繰り返し再生したいシーンです。
未見の方々はとりあえず見て下さい。損はありません!
時は幕末、京の夜。会津藩士高坂新左衛門は暗闇に身を潜めていた。「長州藩士を討て」と家老じきじきの密命である。名乗り合い両者が刃を交えた刹那、落雷が轟いた。やがて眼を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。新左衛門は行く先々で騒ぎを起こしながら、守ろうとした江戸幕府がとうの昔に滅んだと


サブスクのMicrosoft365(旧office365)のパワーポイント再インストールした。〜サポートに電話しても相手はAIだった〜

2025-03-18 21:10:35 | コンピュータ、ハイテク
バンド練習のための譜面を本番ライブで使いやすいようにA4でまとめるのにサブスクのMicrosoft365(旧office365)のWordやPower pointを使っている。ところが数日前、パワーポイントのpptファイルを開こうとしたらマックのKeynoteが開いた。「あれっ?」と思って、色々調べるとPower pointのファイルのアイコンが白紙になっている。また、デスクトップのPower pointのアイコンがフォルダになったりしている。これはなぜ?といじっていたら、ついにPower pointのアプリが消えてしまった。何か操作を間違って消してしまったのかな?
このままでも、マイクロソフトのpptのファイルはマックのKeynoteでほぼ問題なく開くのでこのままでもいいかと思ったけど、仕事でオフィスアプリばっかり使うので、やはりKeynoteは使い慣れてないので、なんとかしようと思った。
「マック版オフィスにパワーポイントだけを再インストールする方法」などの言葉で検索してたが、なかなか回答が得られない。
下のマイクロソフトサポートの検索したした。
電話もかけた。電話は、AIのような自動応答の言葉での対応だった。最初は、○○に関しては「1」(イチ)を押してくださいとかだったけど、その後は、声認識と変わって、とまどった。高齢者には難しい!。笑。
サインインして Microsoft 365 または Office をダウンロードしてインストールする
Microsoft サポートへようこそ
より良いサービスを提供できるように、サインインしてください
どうも、Power pointだけでなくMicrosoft365(旧office365)全部をインストールするしかないと自分なりに結論づけた。そこで、その際、現在インストールされて、問題のないExcelやWordはそのままでも、問題なくMicrosoft365がインストールされるのか、一旦全部削除しないといけないのかがわからなかったけど、削除して、サブスクで使っている他のMicrosoft365のソフトが使えなくなったら大変だと思った。でも、まあ、削除するんだろうということで、削除して見事問題なく元に戻りました。
大変でした。これに限らず、昨今、電話で色々こまごまと会話で確認ができなくなって困った。便利なようで便利でない世の中という感じだ。今後は仮に電話ができても、相手はAIってことになるんだろうな?


桜伐採 浜松 御陣屋川 〜毎年この桜を見るのが楽しみだったのに残念〜

2025-03-11 22:14:11 | その他
先月、東京から帰った際に気が付いたのだけど、新東名の浜北ICから自宅へ向かうとき、いつも桜が咲く川沿いの道を帰ってきた。そのとき、なんと桜の木がいっぱい伐採されているの気が付いた。そこで、今は東京に来ているのだが、東京に来る際に、その写真を撮ってきた。
その前に、いろいろ調べてみると、その川は御陣屋川という名前だとわかった。そして以下に示すように倒木などの被害を避けるために伐採を決めたようだ。桜の倒木対策として伐採する例はあちこちあるようだ。今東京にいるが、近くでも桜並木の一部が伐採せれているの見た。
(1)御陣屋川サクラの倒木について
(浜名土木整備事務所)

地元の方に聞き取った内容ですが、昭和46年に、自治会が桜の木を100本植え、その後、自治会で管理等をしていましたが、
管理が難しくなり、市に管理を依頼し、現在は市が伐採、剪定等をしている状況です。
このため今回は管理している市として、安全第一を考える中で、
倒木の可能性がある樹木について伐採を行うこととしました。
撮影した写真は以下の通り。2、3本ごとに伐採されている感じだ。
結構悲しい景色だ。
桜の木というのは、根上したり、毛虫がついたり、色々厄介のようだ。
この道沿いは、花見ができるような空き地がない。だけど、結構な数の桜が咲いて、毎年楽しみにしていたのだが残念です。桜が咲く頃になったら、また写真を撮ってアップしたいと思います。


統計でウソをつく法 ダレルハフ 著 読了 〜我々はワイドショーやメディアの報道などで散々ウソをつかれている 笑〜

2025-03-06 14:08:23 | 
この本は、下の朝日新聞の記事や日頃からメディアの示すグラフや、政党支持率、選挙の勝ち負け予想に関して疑問を持っていたので、興味があり予約した。
本書はむろん、数字でのごまかしを推奨する本ではない。その手口を認識させ、みんながダマされないようにする本だ。
 その後類書もいろいろ出ているが、本書は半世紀たっても見劣りしない。重要なポイントはすでに完全に網羅されている。
むしろ古い分、書き方がまんべんなく素直な面すらあり、それも売れ続けている一因かもしれない。だます手口は半世紀前(いやそれ以前)からほぼ変わっていない。標本選びの偏り、平均値を使ったごまかし、グラフのインチキ、相関と因果関係の混同等々。
本書で書かれた手口は、未(いま)だに後を絶たない。本書の有用性はまったく衰えていないのだ。  それはだまされる側にも進歩がないせいでもある。
が、必ずしもみんながトロいから(だけ)ではない。新しい無垢(むく)な(ダマされやすい)世代が次々に生まれるし、またすでに知っているはずの人々も絶えず復習が必要なのだ。
 一部では、皮相的な理解が増えてありがた迷惑な面もある。グラフ縦軸の原点をゼロ以外にしただけで、「インチキだ!」とネットで騒ぐ人が多いのも一例だ。
確かにウソ「にも」使える手法だが、目的次第ではまったく問題ではないのだ。が、形式的にせよ統計詐欺について警戒心が高まっているのは歓迎だ。みなさんも本書などで、情報の賢い受信者になろう!

 あともう一つ。初版刊行時とはちがい、いまや表計算ソフトで誰もが数字をいじりグラフを作る機会が激増している。
自分の部署の業績をよく見せようと、本書の手口をつい使いたくなることも多いはず。賢い受け手となるだけでなく、そういう悪魔のささやきを退け、情報の正しい発信者となるためにも、改めて本書などをお読みあれ。それが情報リテラシーなるものの基本なのだから。
目次は本の裏表紙にあり、以下の通り
まず、抗ヒスタミン剤の効果に関する調査について、しょっぱなから「はしがき」で「・・・平均とか、相関関係とか、トレンドとか、グラフなどは、かならずしも示されている通りのものではない。目に見える以上の意味があるかもしれないし、見かけより内容がないかもしれないのである。」などと書かれていて、手厳しい。しかし、私も全く同感である。
この本は、統計の本としては名著らしく、1968年第1刷発行で、この頃からこのような指摘をしていたことに感心する。

内容としては、色々な事例がいっぱい載っている。いつものように、この本の中から、私の興味を引いた文章を以下に示す。
ー(かたよりはサンプルにつきもの)「”豆について” 赤と白のまざり具合が一様であるとすれば、一握りの豆を数えるだけで良いのである。・・・・もしそういうサンプルがえられなければ、賢明な当て推量の方がむしろはるかに正確であろう。」
ー(かたよりはサンプルにつきもの)「歯を磨かない人は社会的違反者だと教えられている女性が、知らない人に、自分はキチンと歯を磨いていないなどと打ち明けるものだろうか?」
ー(かたよりはサンプルにつきもの)「だから、例のエール大学卒業生の平均所得の数字(雑誌タイムの記事)は価値がないのである。また、同じ理由で新聞や雑誌にのっている非常に多くの事柄には、もともと意味のないことが明らかなのである」
ー(かたよりはサンプルにつきもの)1932年の大統領選における事前の当選予測(リアリーダイジェスト誌)が大外れだったこと(ルーズベルトが負けると予測)”1932年から大統領選挙の予測は大外れしていたのだ!”
ー(かたよりはサンプルにつきもの)「そこで街へでる。しかし、それでは、出不精な人がつかまえられないのでサンプルはかたよる。昼間、一軒一軒訪問すると、今度は大部分の勤め人がはいってこない。」
ー(”平均”でだます法)「ある数字が平均値であると聞いても、それがどういった種類の平均値ーーいわゆる平均値(算術平均)、中央値(中位数)、最頻値(並み数)のいうちのどれーーであるかがわからなければ、あまり意味がないのだ。」
ー(”平均”でだます法)「この会社で、最も多い給料は年2000ドルである。しかし、例の通り他の数字よりも中央値の方が、この状態をよく説明している。すなわち、3000ドル以上の人が半分いて、あとの半数は3000ドル以下なのだ。」
ー(”平均”でだます法)「平均賃金の数字を見たら、まず、質問することであるーー平均の書類は?その数字に含まれている人は?と。」
ー(小さい数字はないも同然)この場合の使用者のテストグループはたった12人からなっていたのである。」
ー(大山鳴動 ネズミ一匹)誤解のないように十分に表せば、ピーターのIQは98±3となろうし、リンダのは101±3となろう。”数字には必ず誤差がある。それを踏まえて数字を見る必要がある。ピーターのIQは98でリンダが101といっても、誤差を考慮するとリンダのほうが賢いとはかならずしも言えない”
ー(グラフでだまそう)本書では、色々なグラフの例がわかりやすい形で載っているが、著作権の問題があるのでそれを写真にとって載せるのは控える。下に、ほぼ同様なことを表す自作のグラフを載せる。
下のように縦軸を0(ゼロ)点からでなく途中の数字からとして違いを大きく見せたり、棒グラフを途中で切って違いを大きく見せる。
このようなグラフは、実は私はエンジニアなので、仕事上のテクニックとして自分の成果を相手により伝えるために、このような技術を若い頃に叩き込まれる。
ー(こじつけた数字)「罹病率や患者数よりは、死亡率あるいは死者数の方が、流行性感冒の影響をはかる尺度としては、より正確であることがしばしばあるという事実だ。」

以上、いつも私がメディアに対して思っていることを丁寧に、くどいくらいに色々示してある本だ。エンジニアの方はすでにわかっていることだと思うが、そうでない方はぜひこの本を読んで、メディアや作者に騙されないようにしてほしい。

最後に、つけくわえると、最近の選挙でトランプがアメリカで圧勝したとか、そうでないとか、政党の支持率が数%上回るとか増えたとか報道されるが、この本意書かれた誤差などを考慮すると、かならずしもそうではないことを認識しておくことが大事だろう。だいたい選挙などの投票率が50%を割ったり、少しだけうわまわっただけの状態では、民意を反映されたとは言えないと私は思う。

Amazonの紹介のリンクも紹介しておく。
世の中には統計が氾濫している。「平均」とか「相関関係」とか言って数字やグラフを示されると、怪しい話も信じたくなる。
しかし、統計数字やグラフは、必ずしも示されている通りのものではない。
目に見える以上の意味がある場合もあるし、見かけより内容がないかもしれないのだ。統計が読み書きの能力と同じぐらい必要になっている現在、「統計でだまされない」ためには、まず「統計でだます方法」を知ることが必要だ!

だまされないためには、だます方法を知ることだ!
かの有名な英国の政治家ディズレーリは言った――ウソには3種類ある。ウソ、みえすいたウソ、そして統計だ――と。
確かに私たちが見たり聞いたり読んだりするものに統計が氾濫しているし、
「平均」とか「相関関係」とか「トレンド」とか言って数字を見せられ、グラフを示されると、怪しい話も信じたくなる。しかし、統計数字やグラフは、必ずしも示されている通りのものではない。
目に見える以上の意味がある場合もあるし、見かけより内容がないかもしれないのである。
私たちにとって、統計が読み書きの能力と同じぐらい必要になっている現在、「統計でだまされない」ためには、まず「統計でだます方法」を本書によって知ることが必要なのである!


とんこつQ&A 今村夏子著 読了〜我々も日常の中に、ドキッとするようなことが確かにある〜

2025-02-22 17:33:31 | 
この本も多分朝日新聞の書評を見て予約したと思う。
「とんこつQ&A」 [著]今村夏子
 話の続きが気になるから読み進めているのに、終わらないで欲しいと思うことがある。
ものすごい矛盾。だが、それが読書の愉悦だろう。本作に収録された四編にもその愉悦がある。
しかもおもしろいだけでなく、なんだか心がざわざわする。それがたまらない。
4つの短編が収録されている。
1.「とんこつQ&A」
中華料理店で働く今川さんの日常。今川さんとぼっちゃん、大将、おかみさんという人物の中華料理店の日常が描かれている。
2.「噓(うそ)の道」
ある兄弟が老婦人に親切で道を教える話。しかし、それが意外な結末を迎える。
3.「良夫婦」
タムと友香里、副所長(友香里のだんな)、テーマは最初は虐待、その後サクランボ、昇格、引っ越しなど。
4.「冷たい大根の煮物」
同じプラスチック部品工場の木野さん、芝山さんの日常。お金の貸し借りの話題。
という具合で、日常のほのぼのとした話題なのだが、結構シビアなことが起こるのだ。それがサウペンスとは言い難いが、面白い。
この作家の他の作品も読んでみたくなった。
久しぶりに小説を読んで衝撃を受けた。
『コンビニ人間』つながりでこの書名を知り、夕方に図書館で偶然見つけてなにげなく手に取ったので油断していた。
会話主体の文章や、会話の中のちょっとしたほんのりとしたユーモアや暖かさに気を許してしまったのだ。

普通の良い話だと思って読んでいたら、突然、目の前に奈落が開き、自分もまたそこに吸い込まれて落ちていくようだ。

もし地獄というものがあるならば、これは今風の《地獄》を描いた小説なのかもしれない。いまもし宗教家に「そうなんです。
現世とは地獄なんです。だから神の国で救われましょう」と勧誘されたら、そのまま入信してしまうかもしれない。
Amazonの紹介や書評も載せておきます。
真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。あの人のこと、笑えますか。
“普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。

大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。
「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――(「とんこつQ&A」)

姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。
父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが……(「嘘の道」)

人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!
今村夏子の作品は芥川賞をとった「むらさきのスカートの女」以来、「こちらあみ子」「あひる」「木になった亜紗」と読んできて今回で5冊目である。
「とんこつQ&A」はほのぼのとした展開で、最後は不気味な終わり方をするという著者特有のストーリー展開の話で、とにかく飽きずに読み進めることができた。何となく「あひる」を連想させる話だった。
認知科学の中国語の部屋を一瞬連想させたが、それは的外れな指摘なのかもしれない。
最後の終わり方が少し極端な感じでやりすぎ感があったので、もう少しやんわりとしたエンディングにすればなおよかったかなとも思う。でもとにかく著者の力量はすごいなと単純に思った。
「嘘の道」はひたすら怖く後味が悪かった。
「良夫婦」は最初はその設定に違和感を持っていて期待していなかったのだが、主人公が自分の抱える重大な問題に気づきつつも夫の助けによりそれが日常生活の中で忘却されていく過程がリアルに描かれていてとてもよかった。
「冷たい大根の煮物」は特に善人も悪人も出ずに、この4作品の中で唯一ポジティブな終わり方をする作品である。
芝山さんが意図的に借金をしたのか、またガス代を節約する意図によって主人公の家を使ったのかはぼかされているのだが、結局それを契機として主人公は自炊を始めることになった。
それが良いとも悪いとも言わずにさらっと描かれているのがなんとも言えずによかった。結論としては「良夫婦」「冷たい大根の煮物」の2作品が高評価であった。ともかく、今後も今村作品を追っていきたいと思わせる内容であったのは間違いない。

「TeddyLoidが語る音楽制作の裏側」を聴講してきた〜Adoの唱の作成秘話、新鮮で面白かった〜

2025-02-15 10:29:12 | 音楽
1種間前の土曜日「TeddyLoidが語る音楽制作の裏側」に行ってきた。
これは浜松市主催の企画です。浜松市も音楽関係は結構すごい企画がある。

浜松市は、創造都市としての更なる飛躍のため、クリエイティブシティブースター事業を展開し、新たに創造的な活動を始める人財の継続的な創出を目指しています。
今回、事業の一環として、様々なクリエイティブ分野のトップアーティストから制作の裏側やトップアーティストに至るまでの経緯を聞ける「Top of the Top series」を開催します。

フライヤーは以下の通り。実は私はこのTeddyLoidさんについては何も知らなかった。”音楽制作の裏側”という言葉に惹かれて無料だしということで、行ってきた。

主催は静岡エリアのFMローカルキー曲”K~MIX”のスタジオ。”K~MIX”のスタジオのスタジオにも一度行ってみたかったし。下はK-MIXの外観。そして、スタジオのドアにはポスター。
来ている人は、若い人が多いかな、後で質問タイムでわかったけど、小学生も多かった。そういう時代なんだな。
現地でフライヤーでTeddyLoidさんの経歴を読んだら、すごい人みたい。Adoの「踊」、「唱」が代表作らしい。
彼のWEBには以下のように書かれている。日本とアメリカを行ったり来たりの生活のようだ。アメリカのビザも持っているとのこと。それに、浜松出身とかあるいは住んでいたことがあるそうだ。
m-flo、中田ヤスタカ、ゆず、香取慎吾、HIKAKIN & SEIKIN、柴咲コウ、DECO*27、Giga、Reol、Ado、じん、たなか、ももいろクローバーZ、KOHH、Crossfaith、米良美一、the GazettE、ちゃんみな、DAOKO、アイナ・ジ・エンド(BiSH)、Kizuna AI、初音ミク、にじさんじ、IA他、様々なコラボレーション、プロデュースを手掛ける音楽プロデューサー。
DJとしても2017〜2018年には4カ国13都市に及ぶワールドツアーを敢行し、国内外から注目を集めている。

そして、当日は「唱」のトラックリストをPCで細かく紹介しながら、どのように作られているかを語ってくれた。
噂には聞いていたけど、今はPCで売り物になる楽曲が全て作成できちゃうんですね。しかも、Adoの歌は彼女自身から彼のところに送られてきて、それを彼がアレンジするということだそうだ。裏話としては、TeddyLoidさんはAdoさんおよびもう一人のアレンジャーとは一度も会うことなく、「唱」を完成したとのこと。
Adoの唱をご存知ない方のために以下の動画も紹介しておきます。
【Ado】 唱

このレクチャーの中で紹介されたのは以下のAbleton Liveというソフト。基本仕様で約6万円のソフトで作れちゃうらしい。
Liveはスムーズで柔軟性の高い制作とパフォーマンスを実現する音楽ソフトウェアです。
エフェクト、インストゥルメント、サウンドなど、各種制作機能を備えており、音楽のジャンルを問わず、曲作りに必要なものがすべてそろっています。
タイムラインに沿った従来のアレンジメントビューで制作できるほか、Live独自のセッションビューを使えば、タイムラインの制約にとらわれない即興演奏も可能です。
音楽を停止したり、制作の勢いを中断したりすることなく、Live内を自由に行き来しながらアイデアを試せます
紹介ビデオのリンクも貼っておきますね。
Ableton Liveとは?
今の世の中、このようなソフトで楽曲を作っているのですね。Yoasobiはこのようなソフトで楽曲制作をしているのはTVなどで紹介されていたので、私も知っていたけど、Adoもなんですね。現代的なアップテンポで字余りの難しい感覚的な歌詞(結構好きです)の曲はそうでないとできないかもしれないです。
当日TeddyLoidさんは浜松まつりのお囃子やTVインタビューの音源をサンプルして、その場で10分くらいの即興楽曲作成をライブで示してくれました。
私の持っているマックにはGarageBandというソフトがついているので、それを使って私もいくつか曲を作りたくなった。また、バンドでベースを弾いているのだけど、練習する際に、音符が実際どのようになるか?確認してみたり、キーボードを練習するときにベースをMuseScoreというソフトで入力して、練習してみたりしていた。また、ギターもやりたいなと思う今日この頃なので、その他のドラムやベースを、とりあえず、GarageBandで入力して自分一人でバンドとして演奏してみるなんてこともできそうだ。
新しい発見のある楽しいレクチャーでした。

「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」 下村敦史 著 読了

2025-02-06 20:32:31 | 
この本は、多分朝日新聞の書評かなんかで、タイトルに惹かれて予約したと思う。
ビブリオバトルの3世代3大会のグランドチャンプ本にも選ばれた『同姓同名』の著者が新たに仕掛ける、
多重推理しかも密室しかもデスゲームだけど……
下村ミステリはフツーじゃ終わらない!
「私が犯人です!」「俺が犯人だ!」、全員犯人です!
社長室で社長が殺された。
それに「関わる」メンバーが7人ある廃墟に集められる。未亡人、記者、社員2人、運転手、清掃員、被害者遺族ーー。
やがて密室のスピーカーからある音声が流れる。「社長を殺した犯人だけ生きて帰してやる」。
犯人以外は全員毒ガスで殺す、と脅され、7人は命をかけた自供合戦を繰り広げるがーー。
これを読んで予約する気になったかは覚えていないが朝日新聞の好書好日も引用しておく。
「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」 [著]下村敦史
 なにしろ、登場人物全員が同姓同名のミステリを書いた作家だ。今作も設定からしてどんでん返し。
ある社長の死をめぐり、謎の「ゲームマスター」に呼び出された関係者7人が山中の廃虚に閉じ込められる。
そこから連続殺人の幕が上がる……のではなく、犯人だけが助かると通告されて一同は、我こそが犯人だと自供しあう。
このデスゲームを生き残る「犯人」はいったい誰なのか。
 タイトルに偽りなく、全員が犯人で被害者で探偵になっていくから驚きだ
物語は、7人が犯人だと告白して、7人が被害者だと言い、7人が探偵となって、他人の告白の問題点を指摘し、自分の意見を主張する。7人は、それぞれ、清掃員、ジャーナリスト、会社の課長、運転手、営業部長、社長夫人、遺族代表とバラエティに富んでいる。
その登場人物のそれぞれの主張は、今現実社会で起きている、兵庫県知事選挙などでのSNSやネットでの誹謗中傷合戦や事件を彷彿とさせる内容あるいは企業のリコール問題であるのが、タイムリーで面白い。
面白いので、350ページほどあるが、2日くらいで読了した。確かに面白いが、謎解き的には、結構複雑で100%はついていけなくて読み飛ばした部分はある。また、謎解きのユニークさなどはあまり感じなかった。
でも、ユニークな設定で面白い本でした。この著者は、他にもこのような内容の作品を書いているようなので、他の著作も読んでみたくなった。