1月15日は 県庁のある街に プロのコントラバス奏者の演奏を聴きに行った。
ジャズトリオでのコントラバスならば大阪のロイヤルホースや ミスターケリーズで聴いたことがあるけれど クラシックのコントラバスを生で聴くのは生まれて初めて。
僕が聴いた ジャズのコントラバスは 指ではじくものだったので 本当に弓で弾くコントラバスを聴くのは 初めてだ。
この歳になっても生まれて初めてっていろいろあるんだなと思う。
というか いくつになっても 新しい 一日はすべて 生まれて初めてだけれど、、、。
若い 女性の コントラバス奏者と 男性のピアノ伴奏者だった。
最初に
グリーンスリーブスの主題による変奏曲 クヌートギュットラー
が演奏される。
沈んだ気持ちの時にグリーンスリーブスのテーマはいいなと思う。
これは 無伴奏での演奏だったので 変奏の途中で つい バッハの無伴奏チェロを連想してしまったりした。
次にブラームスの5つの歌 作品105
プログラムノートを読むと歌曲からの編曲であるらしい。
そのノートには 詩の内容もかかれているけれど コントラバスで旋律だけを聴いていると なんというか ブラームスの室内楽で よく 聴かれるような 慈しみに満ち溢れているなと思う場面があった。
それから クーセヴィツキーの 小さなワルツが演奏される。
ちょっと陰鬱なワルツだなと思った。
ロシアだし。 ※ 悪い意味でロシアと言っているわけではないです。
それから カプリッチョ ディ ブラブーラという曲が演奏された。
ええ カプリッチョって食べもの屋の名まえちゃうの とか
ブラブーラってなんやの? と他ごとを考えてしまって 演奏の印象を忘れてしまった。
それから ロベルトシューマンの アダージョとアレグロ作品70が演奏された。
もともとは ホルンとピアノのための作品とプログラムノートに書いてある。
ゆったりしたところを聴いていると 一曲目に聴いたブラームスと響きが似てるなと思ったり。
でも だんだん 音楽が進むと やっぱり シューマンはいろいろと 飛んでいくなと思った。
それから 一曲演奏されたけれど これも 印象は忘れてしまった。
たぶん 演奏中にほかごとを考えていたのだろう。
最後にヒンデミットの コントラバスとピアノのためのソナタが演奏された。
あ ヒンデミットって数日前に ユーチューブで 別の曲を聴いたな と思う。
最初のアレグロが始まってピアノが鳴り出すと なんとなく ショスタコーヴィチの24の前奏曲とフーガを思い浮かべてしまった。
要するに 演奏を聴いていて他ごとを考えているのには変わりないやん ということかもしれない。
コントラバスがぐっと 突っ込んできたりすると いやあ これも ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲に似てるかも と思ったり。
頭が連想のお花畑になってしまった。
その他にも ジャズとか 要するに20世紀の音楽が いろいろと 心に 交錯して 家に帰ってから ヒンデミットの生年 没年を見ると 1895から1963 となっていて すこしだけ安心した。
アンコールに リヒャルトシュトラウスをしてくださったけれど 曲の名まえは忘れてしまった。
コンサート全体を通して やはり コントラバスは 弦楽器では もっとも 音が低いので その コントラバスが 低音をぐっと 出すと 耳から 背中のあたりに ゾクっとくることが 何度かあった。
これが 弦楽器の 最低音か と思った。
演奏を終えた後で コントラバスの方が ちょっと トークをされた。
おかげさまで 無事に終わりました と言った後
無事かどうかまだわかりませんが と付け加えたり。
ちょっと 面白トークだった。
でも 無事に終わったと思っていても 確かに 後日に なにか 発生と言うこともあるから 面白トークと言うより 謙虚な 方なのかなと思った。
トークの中で 彼女は ピアニストのことを ○○君と 君づけで 呼んでおられた。
それを 聴いて いやあ 女性に人前で 君づけで呼んでもらえるなんて ピアノの方 役得だなと思ってしまった。
考えてみれば 僕も 学生の頃は 女性から 君づけでよばれていたけれど 学生が おわったら 君づけで 呼ばれたことは ちょっと記憶にない。
二人とも お若くて うらやましいな と思った。
映画 男はつらいよの どの回だったか忘れたけれど
寅さんが「君たち 若者がうらやましいよ」という言葉を発したことを懐かしく思い出した。
楽器の演奏が すばらしいことは 若いということよりももっと うらやましいけれど。
でも コントラバスの方の トークは ピアノの伴奏のおかげでできたと 文字通りそのようにおっしゃっていたわけではないけれど とても ピアニストの方に 感謝の意を表するようなトークで トークを聴いていて いい 気持ちになってきた。
こういう ミニコンサートも 東海地方に転居してから初めてだけれど 本当にいいものだなと思う。
それは ともかく いちにち いちにち 無事にすぎますように それを 第一に願っていきたい。